まさおレポート

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攻撃性 森を追われたもの、人類がもつ厄介な特質

2018-09-12 | 小説 幼年期の終わり(UFO含む)薔薇の名前

700万年前に人の祖先は共通の祖先を持つチンパンジーなどに果実の豊富な樹上を追われるようにして森の樹下で暮らし始めた。その結果2足歩行に適した足の形となり、垂直に立つために大きな頭脳を支えやすくなり、頭脳容量もアップしたがチンパンジーからみると樹下に追われたものであり、日陰者として低位に甘んじていたのだろう。

200万年前にヒマラヤの隆起が完成し、アフリカの熱帯雨林が縮小したことで果実が少なくなりチンパンジーからの圧力が一層強まり、さらに20ないし30万年前にアフリカの地形も大きく変化して大地溝帯により広大なサバンナが生まれたことにより森からサバンナへ出ていかざるを得なくなった。森の樹下でも小動物に接する機会が多く、食べ残しの肉もありチンパンジーより肉食の機会は多かったのだろう、その頃の化石が見つかっているホモ・エルガスタはサバンナに出て最初は長距離を移動して食べ残しをあさり、その後は頭脳容積のアップにより、狩りに向いていない体型ながら知恵で狩りをする知能も獲得していった。長距離を移動するために発汗を容易にするため体毛は少なくなり、足はすらりと長くなった。チンパンジーからの圧力で樹下の生活を余儀なくさせられたのがサバンナへ向かう演習にもなっていたと思われる。

他の肉食獣の多いサバンナ、身を隠す場所のないサバンナに出てどうして生き延びたのか、直立歩行と肉食でアップした頭脳で切り抜けたのだが、動物学者の日高敏隆氏が具体的にどのように生き延びたのかのアイデアを提供している。人類が共感性と攻撃性を向上させた契機を眼前に彷彿とさせ大変興味深い。

日高氏は身を守る牙や爪をもたないひ弱な人の祖先はサバンナに出て200人程度の集団を作ったのではないかというのだ、そしてその程度の集団になると全員で石を投げることでサーベルタイガーなどの大型肉食獣から身を守れるということを発見したのではないかとのアイデアだ。集団で木の枝や石をもって立ち向かう我らが祖先の姿が目に浮かぶようだ。こうした200人程度の集団行動を取るには共感力が一層重大になり、こうしてチンパンジーに比べて一層大きな集団の中の共感力に磨きがかかり、しかし同時に攻撃力も増していったに違いない。共感力と攻撃力がセットになって発達していったことに注目したい。

我々はチンパンジーから森を追われたものの子孫なのだ、つまり果実の豊富な樹上のなわばりを追われたのだがそれが集団で石を投げることを身に着けさせ、集団内部での攻撃性を抑え、共感性を育てていったのではないか。そして集団内部での攻撃性を抑えたが他の集団に対する攻撃性は一層強まったことも容易に想像される。チンパンジーも一家の中では共感性をもつが、人の祖先は肉食獣と戦うために規模の大きな集団での共感性を育てていったように思われる、しかし裏腹に他の集団に対してはチンパンジーよりも強烈な攻撃性を育てていったのではないか。それが今日の不安定な世界情勢にまでつながっている。

2018年3月に亡くなったホーキング博士の次の言葉は人類の持つ攻撃性を憂いている。

「人類の最も直したい欠点は攻撃性」

この発言は、Visitlondon.comによりロンドンの公式名誉ゲストに選ばれた米国のAdaeze Uyanwahさんを案内してサイエンスミュージアムを訪問した際に、Uyanwahさんの質問に答えたもの。博士は「石器時代であれば(攻撃性は)多くの食料や縄張り、子孫を残すためのパートナーを得るなど、生存のための利点であったかもしれないが、現在では我々すべてを絶滅させる脅威となっている」と続け、「大規模な核戦争は文明を終わらせ、人類も終わらせることになるかもしれない。」としている。その一方で、「最も伸ばしたい人類の美点は共感する能力であり、これが皆に平和で愛情のある状態をもたらす」と述べたという。また、宇宙探査は人類の保険であり、継続すべきだと付け加えたとのことだ。

単純にいえば森のなかでは視界が聞かないのでチンパンジーでは目の前の敵が去るだけで攻撃性は消え去るが、サバンナでの狩りは数日にわたることもあっただろう、すると目に見えない相手への攻撃性は持続し、強まる。そして仲間が肉食獣に殺された場合は復讐の念も芽生える、復讐心は人類だけが持つと思えるので、人類の方がチンパンジーよりはるかに攻撃性は強くて厄介なのではないか。

こんな厄介な攻撃性をもつ人類だが、過去にはなんとかこの矛盾を克服しようとしてきたと思えるおぼろげな発見も有る。インカでもエジプトにも頭蓋骨に手術痕のあるものが見つかり、左脳抑制手術が行われていたことが伺える。つまり左脳抑制手術で攻撃性を削ごうとしたのではないかとの説もあるが、まだよくはわからない。

また、SFでは「幼年期の終わり」にオーバーマインドが登場するが、この厄介な攻撃性を克服したと思われる異星人オーバーマインドが登場する。人類の宗教とも絡んで非常に示唆に富む物語だ。

また、こんな報道も有る。「人間はあまりにも傍若無人に、この星を傷つけてきました。」自分たちの星地球にさえ攻撃的なのだ。

カナダの元国防相大臣Paul Hellyerは、グローバルニュースチャンネル「RT」の取材に対し、UFOの存在を認める以下のような回答をしたことで話題となった。

「彼らが存在します。何千年もの間、この地球に訪問してきました。特に、人間が核兵器を発明してからというもの、彼らの活動は頻繁さを増しています。我々が再び、核兵器を使用するのではないかと懸念しているかのように。なぜなら、この宇宙はすべてが繋がっていて、地球に住む人間だけでなく、他の惑星にも影響を与えるから。彼らは人間が再び、核兵器の使用に手を染めることを恐れているのです。彼らにはルールがあります。私たち『地球人を妨害しない』ということ。これが私たちの惑星であり、人間がこの星を使う権利を持っていることを認めているのです。ただ、非常に心配しています。私たちが地球にとって最適な管理人とは、みなしていないようです。人間はあまりにも傍若無人に、この星を傷つけてきました。彼らはそれを明らかにし、私たちに警告を与えているのです」

「幼年期の終わり」何故オーバーマインドは人類を救済するのか

 

 


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