朝から冷たい雨がしとしとと降り、一歩も出歩く気がしない。一階玄関横の郵便受けでさえ見に行くのが億劫だ。ひたすら部屋の整理に没頭する。しかし出歩かなくても腹は減る。朝、昼はなんとか冷蔵庫の保存食品でしのいだが、さすがに夕食となると種切れでさりとて買い出しや外食は冷たい雨の中を考えただけで怖気づく。
こんなときは蕎麦屋の出前に限ると天ぷら定食1500円を電話で頼む。若旦那はこちらの名前を憶えていて20分後には温かい天ぷらにつゆと味噌汁、御飯におしんこが届く。みぞれまじりのなか出前をしてくれるお兄ちゃんには悪いがありがたい。
日本にいると出前は当たり前だがバリに長期滞在する身には非常に優れたシステムに思えてくる。バリではピザの配達はあるが私の夕食には向かない。蕎麦屋のようなメニューのバラエティーと迅速配達は期待できない。こんなところに日本のよさを感じてしまうのはちょっと大げさかもしれないがやはりいいね。