まさおレポート

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呉と舩木姓の関連 伝承メモ

2025-02-02 | 紀行 日本

呉地名の研究

久保田利敏

第三節 クレ(呉)とその地名変化(音韻変化)

「クレ」地名の由来についての考察

呉(クレ)という地名は、古代より日本各地に点在しているが、その語源や変化については諸説ある。本章では、その音韻変化の過程と地名の成り立ちについて考察する。


【倉】

「クレ」の語源として「倉(クラ)」との関係が考えられる。古代において倉は物資の集積地であり、交易の拠点となることが多かった。倉(クラ)が転じてクレとなった可能性がある。

例えば、広島県呉市の近辺には「倉橋島」という地名があり、この「倉」も同様の変化を遂げたと考えられる。


【暮】

「クレ」の発音は「暮れる(くれる)」の語とも関連がある可能性がある。古代の人々が「日が暮れる場所」、すなわち西方の土地を「クレ」と呼んだのではないか、という仮説がある。

この説は、呉が海に面した地域に多く存在することと整合性がある。つまり、「日が沈む場所」=「暮れる」=「クレ」となったのではないか。


【水】

もう一つの仮説として、「クレ」は「水」に関係する地名である可能性が指摘されている。特に、呉市のように港町として発展した地域では、水運や漁業が盛んであり、水との関係が深い。

例えば、「呉(クレ)」は「水の流れが緩やかになる場所」を指すという説もある。これは「クル(曲がる)」が転じて「クレ」になったという解釈である。


【黒】

「クレ」は「黒(くろ)」の音韻変化ではないか、という説もある。「黒」は古代日本において「深い」「暗い」「奥深い」という意味を持ち、水深の深い港や入り江を指すことがあった。

この説に基づけば、「クレ」は「黒い海」や「深い入り江」を意味していた可能性がある。


【来】

また、「クレ」という地名は「来る(くる)」から派生した可能性もある。すなわち、船が集まる港を意味し、外部から人や物資が「来る」場所として名付けられたのではないか。

この説は、呉市が古くから海上交通の要衝であったこととも一致する。


結論

「呉(クレ)」という地名の由来には、複数の説があり、いずれも歴史的・地理的な背景と密接に関係している。

  1. 倉(クラ) → クレ(交易・集積地)
  2. 暮(くれる) → クレ(日が沈む場所)
  3. 水(くる) → クレ(水運・港)
  4. 黒(くろ) → クレ(深い入り江・港)
  5. 来(くる) → クレ(外部との交流拠点)

どの説も興味深く、単一の語源ではなく、地域ごとに異なる由来がある可能性が高い。本研究では、今後さらに文献調査や地名の分布を詳細に分析し、「呉」という地名の成り立ちを解明していくことが重要である。


「呉地名の研究」 久保田利敏(昭和51年5月19日)

この文書は、「呉」という地名の研究に関する新聞記事の一部であり、特に船木郷の地名の由来や、木材と呉の関係、村落名について述べられています。


(3)船木郷の郷名と船材村の名

文中では、「船木」 という地名について、その成り立ちを考察しています。

  • 船木郷 という名称は、古くから船材を供給する地域であったことに由来する。
  • 船を作るための良質な木材 榑 が多く産出された地域では、「船木」や「材木」といった地名が残ることがある。
  • 「呉」という地名と「船材」の関係についても触れており、船舶や造船文化との関連が深いことが示唆されている。

さらに、呉地方では「船木」という名称が使われた地域があり、これが後に広島県呉市とも関連している可能性があると論じられています。


(4)村落地名の伝承

この部分では、村落の名称がどのように伝えられ、変化してきたのかについて考察しています。

  • 「村落の名前は、地域の特徴や自然環境と密接に関係している」 と説明されている。
  • 例えば、「船木」「木場」「材木町」といった地名は、かつての産業(林業や造船業)と関係が深い。
  • また、一部の地名は「音韻変化」によって変化し、現代の地名として残っている可能性がある。

文中では、地域ごとの具体的な例を挙げながら、どのように地名が定着し、時代とともに変化していったのかが論じられています。


「呉地名の研究」 久保田利敏(昭和51年5月26日)

この文書は、「呉」という地名の研究に関する新聞記事の続編であり、船村(船材村)の由来や歴史的な伝承、呉との関係について述べられています。


(5)船村(ふなむら)起出の伝承

この章では、「船村」という地名の由来について、伝承や歴史的背景をもとに考察 しています。

  • 「船村」という地名は、造船や船材供給と深い関係がある と考えられている。
  • 「船村の住民は、古代から船造りに従事していた」 という伝承が残っている地域もある。
  • 呉地域の発展と、船村との関連性 が指摘されており、船舶産業の拠点として栄えたことが強調されている。

また、船村の発祥については 「呉の住民が移住して形成された可能性」 についても触れられています。


地名の変遷とその背景

文中では、呉地域における「船」に関する地名の分布と変遷 についての考察がなされています。

  • 「船」のつく地名は、全国的に造船文化と密接な関係がある。
  • 地域ごとの方言や発音の変化によって、「船村」や「呉村」などの地名に派生した可能性がある。
  • 「船村」の地名は、呉市周辺だけでなく、瀬戸内海沿岸にも点在している。

つまり、呉地域だけでなく 日本各地に「船」に由来する地名が存在すること が指摘されており、それらの関連性が検討されています。



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