【海外発!Breaking News】1杯1万円ものコーヒーの影で、ジャコウネコの悲惨な飼育状況(ベトナム)
2019年10月7日 5時50分
悲しいことに富を得るため動物から角や毛皮などを奪い、その命を犠牲にしても心が痛まない者がいる。動物の現状を記録し写真や動画にして配信している団体がこのほど行った調査で、高級コーヒーとして知られる“コピ・ルアク”が製造される裏側でジャコウネコの悲惨な飼育状況が浮き彫りとなった。『Metro』『Moving Animals』などが伝えている。
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日本では1杯数千円以上もするコーヒーで“コピ・ルアク”“ルアックコーヒー”という名で知られる嗜好品があるが、これはコーヒーチェリー(コーヒーノキの実)を食べたジャコウネコの糞から未消化のコーヒー豆を製品化したものになる。
主にインドネシア、ベトナムといった東南アジアの熱帯雨林に生息する野生のジャコウネコの糞から採取されており、国によっては1杯1万円以上もする高級なコーヒーだ。ところが最近、プロジェクト『Moving Animals』を進める団体によって、ベトナムで調査したコピ・ルアクの製造の裏側にある実態が報告され、メディアが報じることとなった。
同団体は動物の虐待などに関心を持ってもらうため、世界中の動物たちの様子を撮影したものをメディア、活動家やSNSなどに無料で提供するプロジェクトを行っている。
同団体が目にしたものは、コーヒー農園がジャングルから捕らえて飼育している数十匹のジャコウネコの姿だった。『Metro』によると、農園で飼育されているジャコウネコは密猟によって連れて来られたものだと伝えている。
ジャコウネコは衛生的とは言えない暗い檻に入れられ、自由を奪われた状態で飼育されていた。野生のジャコウネコは果物、昆虫、爬虫類などを食べて生活しているが、農園のジャコウネコの餌はコーヒーチェリーのみで栄養状態も心配された。
しかも野生とは違った環境によるストレスのせいか、自分の尾を噛むという自傷行為が見られた。尾の先端は骨がむき出して肉が見え、痛々しい状態だ。
農園では治療をすることなくそのまま飼育し、コーヒーチェリーを与え続けているようだ。同団体のエイミーさんは「自由を奪われ、適切でない檻の中で飼育される動物の多くはストレスや不安を打ち消すために、時に異常な行動を起こします」と話している。
コピ・ルアクはかつて野生のジャコウネコから採取されていたが、ここ数年で需要が急増したことで、より多くのコピ・ルアクを採取するために農園で飼育するようになったようだ。また2013年の『BBC News』による独自調査では、インドネシアのスマトラ島にあるコーヒー農園で飼育されているジャコウネコの劣悪な環境が暴かれるとともに、採取したコピ・ルアクをヨーロッパやアジアで流通させていたことが発覚している。
他にも『ナショナル・ジオグラフィック』の2016年の報告では、インドネシアのバリ島にあるコーヒー農園で同様に劣悪な環境に置かれているジャコウネコのことが明かされた。
『Moving Animals』では同様の農園が増えないために現在、コーヒーツアーとしてコピ・ルアクのコーヒー農園を訪れるなどの企画をする旅行会社に自粛を求めている。
画像は『Moving Animals-Official site「Tell Travel Companies to Stop Promoting Cruel Civet Coffee Trade」(Credit:Moving Animals)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)
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日本では1杯数千円以上もするコーヒーで“コピ・ルアク”“ルアックコーヒー”という名で知られる嗜好品があるが、これはコーヒーチェリー(コーヒーノキの実)を食べたジャコウネコの糞から未消化のコーヒー豆を製品化したものになる。
主にインドネシア、ベトナムといった東南アジアの熱帯雨林に生息する野生のジャコウネコの糞から採取されており、国によっては1杯1万円以上もする高級なコーヒーだ。ところが最近、プロジェクト『Moving Animals』を進める団体によって、ベトナムで調査したコピ・ルアクの製造の裏側にある実態が報告され、メディアが報じることとなった。
同団体は動物の虐待などに関心を持ってもらうため、世界中の動物たちの様子を撮影したものをメディア、活動家やSNSなどに無料で提供するプロジェクトを行っている。
同団体が目にしたものは、コーヒー農園がジャングルから捕らえて飼育している数十匹のジャコウネコの姿だった。『Metro』によると、農園で飼育されているジャコウネコは密猟によって連れて来られたものだと伝えている。
ジャコウネコは衛生的とは言えない暗い檻に入れられ、自由を奪われた状態で飼育されていた。野生のジャコウネコは果物、昆虫、爬虫類などを食べて生活しているが、農園のジャコウネコの餌はコーヒーチェリーのみで栄養状態も心配された。
しかも野生とは違った環境によるストレスのせいか、自分の尾を噛むという自傷行為が見られた。尾の先端は骨がむき出して肉が見え、痛々しい状態だ。
農園では治療をすることなくそのまま飼育し、コーヒーチェリーを与え続けているようだ。同団体のエイミーさんは「自由を奪われ、適切でない檻の中で飼育される動物の多くはストレスや不安を打ち消すために、時に異常な行動を起こします」と話している。
コピ・ルアクはかつて野生のジャコウネコから採取されていたが、ここ数年で需要が急増したことで、より多くのコピ・ルアクを採取するために農園で飼育するようになったようだ。また2013年の『BBC News』による独自調査では、インドネシアのスマトラ島にあるコーヒー農園で飼育されているジャコウネコの劣悪な環境が暴かれるとともに、採取したコピ・ルアクをヨーロッパやアジアで流通させていたことが発覚している。
他にも『ナショナル・ジオグラフィック』の2016年の報告では、インドネシアのバリ島にあるコーヒー農園で同様に劣悪な環境に置かれているジャコウネコのことが明かされた。
『Moving Animals』では同様の農園が増えないために現在、コーヒーツアーとしてコピ・ルアクのコーヒー農園を訪れるなどの企画をする旅行会社に自粛を求めている。
画像は『Moving Animals-Official site「Tell Travel Companies to Stop Promoting Cruel Civet Coffee Trade」(Credit:Moving Animals)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)