昨日の午前中のプールでのショッキングな出来事です。いきなり女性の悲鳴が轟いた。その声で振り返りプールをみると水中に5、6歳の男の子が沈んでいる。プールの中にいた青年が急いで救い上げるが呼吸が止まっている。唇の色も青くなっている。悲鳴を上げた女性に胸部圧迫の救命措置をするように手真似するとやり始めた。救い上げた青年に口移しの人工呼吸をするようにこれまた手真似で勧めると数回まではやるのだが続かない。うまく息が入らないと手真似で答える。その時まで青年と女性が家族だと思い込んでいたのだがやがて泣き叫んで入ってきたバリ人夫妻が両親らしい。しかし泣き叫ぶばかりでパニックになっており必要な措置を何もしない。ホテルのスタッフを大声で呼ぶ。ただならぬ気配に気が付いたホテルのスタッフが走ってきた。
先の女性が胸部圧迫をしている間にホテルのスタッフが飛んできて頭をやや下にして抱え上げ、道路に走って行った。バイクか車で病院に運ぼうとでもしたのだろうか。やがてすぐに子供を抱えたスタッフがホテルの中に戻ってきた。みると子供は口から水を大量に吐いている。どうやら息を吹き返したようだ。スタッフは子どもを抱えてレセプションの方へ走っていった。気になるのでレセプションの方へ向かうと「すでに息を吹き返して大丈夫だ」との回答が返ってきた。その後、病院に向かったのか自宅に帰ったのかは知らない。いずれにしても大事に至らなかったようでほっとした。
このホテルで今年の3月にも同じような事故が遭った。この時はやはり6歳くらいの女の子で、足がつく子供用プールで沈んでいた。このときもプールサイドに大人が何人もいたらしいがおぼれたことに気が付かなかった。両親が部屋に所要で返った直後の事故で、プールサイドの大人が見つけ、人工呼吸して幸い息を吹き返して大事に至らなかった。
その前にも両親がプールサイドにいたがほんのちょっと目を離したあいだに子供が沈んでいた。この時はすぐに親が見つけたのでその子の兄が救い上げた。やはり意識がなかったがすぐに戻った。
こうしてみると実に3回も見たり聞いたりしている。この3回のケースはいずれも母親がインドネシア人でプールの怖さをしらないようだ。またこの3回のケースでは子供たちは大声で助けを求めるわけでもなく、また、バシャバシャといかにも溺れているというサインを出すわけでもなく、静かに溺れていた。
ホテルは日本のように監視員を置いていないのが一般的で、保護者が自己責任で徹底的に気をつける以外にない。ホテル側はプールに監視員をつけて事故の際のスタッフ対応マニュアルを用意しておくべきだろうが現実はそこまで手が回っていない。また緊急の救命措置を行えるよう訓練を受けたスタッフを何名か確保しておくべきだろうがそれもこれからの課題だ。日本のように救急車がすぐにやってくるとは限らない。その場の対応次第で助かるケースが多い。プールで遊ばせる以上はまずは保護者が徹底的に気をつけ、救命方法を学んでおかなければならない。