https://mainichi.jp/premier/business/articles/20211105/biz/00m/070/001000d
NTTはスーパーコンピューターをパソコン並みに小さくする基礎技術を開発した。
半導体の中に、光が行き来する構造を作った。直径170ナノ(ナノは10億分の1)メートルの穴を整然と並べたシリコンの板のうえに、インジウムやリンでできた細線を置いた。
小型のパソコンでも、スパコン並みの計算速度が出せるという。
https://journal.ntt.co.jp/article/5995
光コンピューティング CMOSエレクトロニクスとナノフォトニクスを連携させた光電融合アクセラレータ 3つのキーデバイス「低遅延光パスゲート回路」「光電変換素子」「光非線形素子」
低遅延光パスゲート回路
光パスゲート回路は電子回路からの入力信号により、マッハ-ツェンダー干渉型光スイッチが一括で操作され、これにより選択された経路を光が干渉しながら伝送することで計算結果を出力します。
光パスゲートを活用することで、電子回路に比べて低遅延化が期待できます。
光電変換素子(光と電子回路のインタフェース)
高密度な光-電子インタフェースを実現すること フォトニック結晶 微小な光導波路や光共振器を形成できます。
光非線形素子 (光トランジスタ)
信号のスイッチングや増幅 光は非線形的な信号操作のためには高い光強度が必要 ナノ受光器とナノ光変調器を集積することでO-E-O型の変換素子を作製し、小型で省エネの光非線形素子を実現
米調査会社IDCによると、18年に33ゼタバイト(ゼタは10の21乗)だった世界のデータ量は25年には175ゼタバイトと5・3倍に増えると見込まれている。
成長領域であるDXの推進は気候変動対策の阻害要因になってしまう。
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20211031/se1/00m/020/002000d
NTTは19年から20年にかけて、光電融合を実用化するための「光トランジスタ」「全光スイッチ」「光論理ゲート」などの技術開発に成功したと発表した。「オールフォトニクス・ネットワーク」を構築
しばらくは光とともに電気・電子によるデータ処理が続く。川添氏は、「電子データを集積して処理するための(CPUなどの)デバイスは、TSMC(台湾積体電路製造)の半導体工場などが担い、それらの部品を載せてネットワークに設置する機器のインターフェースは光の処理に置き換わっていく。ここを担う新しい生産体制は、ぜひ、日本で取りたい。ファウンドリー(半導体受託製造会社)など生産拠点の一部を日本が担うことが必要だ」と力を込めた。
政府が打ち出しているグリーン成長戦略では、30年に約140兆円、50年に約290兆円の経済効果および約1800万人の雇用効果を見込む。「日本の半導体復権」の最後のチャンス
https://mainichi.jp/premier/business/articles/20211105/biz/00m/070/001000d
NTTは26年をめどにIOWNの導入を開始する意向だ。
NTTによる光電融合の開発状況について、「世界を大きくリードしている。基礎研究を長年続けてきた成果だ」と指摘する一方で、「(半導体の製造)コストをどの程度低減できるか分からない」と課題も挙げる。
光電融合デバイスの主な機能が、CPUのような頭脳ではなく、通信ネットワークとの内部のデバイス群とのインターフェース(接点)にあるとすれば、市場規模も限定的なものになる可能性がある。WSTS(世界半導体市場統計)によると、世界の半導体市場の規模は約48兆円(20年)。うちメモリーは約13兆円、パソコンなどに搭載するマイクロプロセッサーは7・6兆円だ。これに対して「光電融合関連は大きくて1兆円程度ではないか」。
しかし、光電融合は大きな潜在力を秘めていることも確かだ。