まさおレポート

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世界の街角で カンバセイション 11選

2021-06-18 | 紀行 モロッコ・チュニジア

モロッコ・カスバ街道 白のかぶりものにオレンジのジュラバ、モロカンブルーの空、ダークベージュの塀に見とれる。

「何をながめているの」

「オアシスの景色よ。仕事が終わるといつもここにくるの。ここに座っているだけで気持ちが落ち着くの」

バリ・クタビーチ マッチョなオーストラリア人青年と超グラマラスな女性がビーチ・テニスで遊んでいる。

「おっと」

「しまった」

「ほれ」

「ああ、やっちゃった」

モロッコ・リッサニの砂漠 80歳のミュージシャンが笛で指揮をとり、時に飛び上がり、踊る。片目が光り、他は失明している。

砂漠をラクダに乗って疾走する勇猛な男が背景に浮かぶ。

暗闇の中に砂漠の神が降臨した。

「・・・」スマイル

「・・・」スマイルで返す。

この老人には言葉がいらないようだ。目で会話しているだけで気持ちがよくなってくる。砂漠の土埃の匂いがする老人。

モロッコ・ヴォルビリス 古代ローマ帝国西端の属州マウレタニア跡地 着ているシャツをのぞけば古代と変わらない羊飼いのおじさんに話しかける 

「おじさん 毎日ここにくるの」

「雨の日以外はな 羊たちが腹をすかせるのでな」

「あんたはどこから来た」

「日本だよ」

「ニホン?チナのことか」

・・・

イタリア・フニクラ 商店街の女主人に話しかける隣の店の主人

「どう 今日の売れ行きは」

「ぱっとしないわ」

「みんなケーブルで山上にいくからね」

「あなたのお店はどう?」

「ぼちぼちだよ ケ・サラ」

イタリア・ベネチア 宿の女主人は旦那を亡くしたあと一人できりもりをしてきた。ホテルは小ぶりだが骨董調度で仕上がっている。庭は花と緑で手入れが行き届いている。

「マサオ 庭の花が害虫や菌にやられるの。なにか工夫はないかしら ホテルだから人体に害のあるものは撒けないしね」

「木酢液がいいとおもうよ」

「へえ もう少し詳しく教えて」

チリとある街道 牧場の囲い柵の上に巨大な鷲が止まっている。

「なにしているの」

「ワシか 獲物を探している。いや待っているといったほうが正確かな」

「どんな獲物を?」

「一番の好物はウサギだね。たまに狐の子など、スカンクも結構うまい」

「グッドラック!」

ペルー・クスコ 

「ねえ それおいしいの」

「まあまあかな」

「どこで買ったの」

「いえないよ ママが知ったら怒る」

モロッコ・とある広場 中央アフリカからきている露天商の二人

「何を売っているの」

「ここにあるものなんでも」

「ええ お茶のセットとランプしかないけど」

「楽器でもかぶっている帽子でも着ている服でもなんでも売るよ」

「・・・」

「お茶飲んでいかないか」

モロッコ・フェズの街角でほこりにまみれた子猫が道の真ん中に出てきた

「ああ、危ないよ 踏んづけられるよ」

「大丈夫 ちゃんと踏まないように歩いてくれるから あたしはこうやって拾ってくれる人を待っているんだ」

 

インドネシア・ボルブドール 地元の子供たちがお菓子売りのおばさんと真剣な顔で交渉している

「わたし この味のキャンディーがほしいんだけど」

「1000ルピアだよ」

「ええ、これしかないの お願い」


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