今日は図書館でラマヌジャンの伝記を読んだ。あるときハーディーはラマヌジャンが書いた「1+2+3+4+…=-1/12」の式をみて「なんだ訳のわからない式をかいているな」とやり過ごしていたのだが、気になって考え直してみるとゼータ関数を適用したら合っていることがわかったので僚友にその旨を説明している。しかしラマヌジャンはゼータ関数など勉強したこともないはずだし、どうやって導いたのだろうと不思議な気持ちになる。ハーディーはラマヌジャンがゼータ関数にちかいものを自ら考え出したのだろうと推測する。実に不思議な天才だ。
ラマヌジャンはゼロと無限大について、ゼロは属性を持ち得ないが無限大と掛け合わせることで個々の属性を作り出すとメモを残しており、インド哲学的な匂いを感じさせる。
又、三浦俊彦の「多宇宙と輪廻転生―人間原理のパラドクス」も次いで読んでみたがこれまた面白かった。ビッグバン後に出来た無限に近い多宇宙が輪廻転生を説明し得るとしており、先に読んだラマヌジャンのゼロ無限大メモと考え合わせるとゼロはインフレーション前の状態で、無限大は多宇宙と考え、乗ずることで個々の個別宇宙が発生するとメタファ的に考えることができそうだ。個々の自我もゼロと無限大と乗算の延長線上にあるということか。このラマヌジャンの頭脳はインド哲学的な解脱の域に達していたのかもしれない。
人間原理の片鱗に触れたのが今日の成果だ。