現時点の疑問点をまとめておくと。
その1 輪廻転生 コナンドイルの著作や催眠退行による研究あるいはスピリチュアリズムの各種著作でこれは現象としてはわかりやすい。しかし、すごろくの上がりである(最終目標である)解脱との関係がどうもしっくりこない。解脱が何故最終目標でなければならないのか。地獄・餓鬼・畜生・修羅あたりの六道輪廻ならぬ4道輪廻は困るが、人・天・声聞・縁覚あたりで輪廻していく分には十分楽しいではないか。解脱は苦界からの脱出を熱望する民に方向性を持たせるための一種の方便で、果たせぬ夢なのではとの思いを持っている。
その2 縁起 この世、あの世を問わず、原因と結果が時間の流れのなかで連鎖していく。大縁経にはアーナンダが早わかりするのを諫め釈尊が諫めて、深遠なものだと述べるところがあるらしい。
因果応報とか自業自得とかで、わかりやすいが、現代人でも因果の連なりはそんなには単純でないことはよく理解している。深遠という意味の一つは、モデルではなく実際に紙が風に吹かれて地面に落ちる位置をコンピュータで正確に推し量るのにさえ無限に近いパラメータが必要だと言う意味だろう。
いやもう一つある。物理現象のみであれば、縁起は物理法則と読み替えてOKだが、これは「どのように」を説明はするが、「何故」は説明しない。「何故私はいまこの時点でこのように存在するのか」の縁起は確かに難しい。初期仏教は善因善果、悪因悪果と説いているだけなのか。
その3 空観または空