・・・ 女の起業家たち ・・・
♠ 女が強くなったのではない男らが子ネコのようになっただけです 松井多絵子
阿部政権が上場企業すべてに「女性の役員を最低1名は入れて欲しい」と求めてから2年。わたしには女が強くなってきたという気がしない。女性の場合、創業よりも親や配偶者等から事業を引き継ぐ「同族継承」が多いらしい。稽古ごとの延長が起業のきっかけとなることも多いそうだ。短歌では馬場あき子が成功している起業家であろう。✿「かりん」は現在も元気な短歌結社である。
馬場あき子は1978年5月、「かりん」を創刊した。彼女が50歳の頃か、短歌だけでなく日本の古典文学や能にも造詣が深く、「鬼」の研究などでも知られていた。岩波短歌辞典に「かりん」について、吉川宏志(塔・代表)が次のように書いている。
「かりん」 は馬場あき子を主宰として結成され現在に至る。馬場は、創刊号編集後記に♦個々の個性の十全に発揮された、ユニークな作品を研いでゆく集まりでありたいと希ってい
ると記す。濃密な人間関係の中で◉小高賢、坂井修一、米川千嘉子など多くの若手歌人を育成し短歌・評論の両面から80年代以降の現代短歌をリード。女性歌人の活躍が盛んだ。
✿ さくら花幾春かけて老いゆかん身に水流の音ひびくなり 馬場あき子
馬場あき子の代表歌として知られているが、私はこの歌のよさがわかってきたのは数年前からである。この春はこの歌がとても身に沁みた、私の老いが加速してきたからだろうか。
「かりん」 は老いることなく、梅内美華子、川野里子、日置俊次、大井学なども編集に参加、かりんの花を咲かせ続けている。女の起業家に特に大切なのは誠実なサポーターだ。馬場あき子の場合は夫であり歌人の岩田正。 昨年急逝した小高賢は創刊の時から馬場を支えてきた。子分あっての親分。女の起業家達よ、ステキな親分になってね。
6月13日 松井多絵子
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