えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

石川美南歌集『架空線』を読む

2018-09-18 14:15:34 | 歌う
8月にいただいたのに読み終えたのは昨夜、『架空線』という歌集からこの5年間の石川美南さんの試行錯誤が伝わってくる。私は毎晩少しずつ読んだ。軽いような重いような作品392首、ときどき小舟のなかで揺られているような感じだったり、坂道を上っているような気がしたり、私が気になった作品を記してみる。

★ 石橋は熱持たぬ橋 両脚のあひだ優しく舟くぐらせて

★夜の淵にへばりつくとき脚のある亡霊だつた橋もわたしも

★光るもの光らぬものを引き連れてオリンピックがまた来るといふ

★松林越しの日差しよ遠くから太る痩せるの話しが聞こゆ

★背表紙の丸みに指をかけながら秋のさなかに読む蝶のこと

★鏡よ鏡、戸棚の奥の思ひ出を持ち去る者が死者だとしたら

★月蝕の夜の小骨はしぶとくて息を吸っても止めても痛む

★心細さは明るさに似て秋の日のわたしの骨がわたしを支ふ

今夜は星を見ながら美南さんの歌を。

怖いですよ風評被害

2018-09-16 15:11:52 | 歌う
雪まつり から始まり富良野、知床岬、旭山動物園、利尻と礼文島、摩周湖など私は北海道の旅を楽しんできた。特に🍁の頃が素晴らしい。紅色が体に染みる、心に染みる。この秋は新幹線でと思っていたら、6日未明の地震!

あれから10日過ぎた。余震もおさまったようだ。空港も新幹線も動きはじめた。しかしテレビも新聞も観光の落ち込みをしきりにに伝えている。本日16日の朝刊に「宿泊キャンセル北海道94万人超」、宿泊以外でも遊覧船や観光バスのキャンセル、

私は今年は行くのをやめようか。などと思う。しかし私の体はしばしば地震が起きる。この秋を逃したくない。

北海道地震の数日後に郵送された歌集『冷えたひだまり』に次のような一首がある、

🌊 遊具みな消えて草生す公園が湖底のように冷える、揺らげる

梶 黎子さんのこの作品には地名が詠まれていない。心象風景のようだが北海道の震源地辺りを想わせる。

「兜太TOTA」の創刊

2018-09-13 14:27:06 | 歌う
今年2月に98歳で亡くなった俳人・金子兜太 さんの名を冠した新雑誌「兜太TOTA」が25日、藤原書店から創刊される。編集長の筑紫磐井さんは広い顔ぶれの人たちに参加してもらい、大きな視野を持つ開かれた雑誌に育てたい」と語る。

企画が始まったのは昨年、金子兜太自身も参加し構想が練られていたが2月に急逝、筑紫さんらが遺志を継ぎ、金子兜太は名誉顧問として名を連ねる。

金子兜太は朝日俳壇の選者として、テレビなどでもお馴染みの俳人である。「海程」を創刊し主宰だった。今年の4月号の氏の作品が最後となった。

★雪晴れに一切が沈黙す

★陽の柔わら歩ききれない遠い家

俳人というより落語家のように私は親しんでいた。しかし作品は難しい。

25日午後0時半から「兜太を語りTOTA」と生きる記念シンポジウム。会場は有楽町の朝日ホ一ル、

「未来800号を読む」①

2018-09-11 13:33:45 | 歌う
9月号の「未来」は先月より174ペ一ジ多い、800号記念特集号である。
歌壇で大活躍の歌人たちのお祝いの言葉からはじまっている。

まず「未来」代表の岡井隆の言葉

800号までの歩みは、和合の歴史でもあり、激しい競い合い、ある意味で闘争の歴史でもあった。創刊同人の一人として、それは苦しい歳月であると同時に、生き甲斐のある歩みであったと思う。

💐 馬場あき子

800号おめでとうございます
創刊のころの近藤芳美さんは、すでに戦後短歌を牽引するリ一ダ一というイメ一ジがありました.私は数年早く創刊した「まひる野」の会員でしたが未来の創刊に注目しておりました。
(以下は割愛いたします)

💐篠弘
未来創刊の頃は私は早大の学生、大学の合同歌会も盛んな時代だった。「未来」は「口語歌がやや過剰か」とのこと、複雑な心理を抉る表現には古典語法を提案してくださっている。

💐三枝昂之

「未来」の創刊は戦後世代によるいち早い創刊、私にとって「未来」はかっても今もまず岡井隆、その磁力がこの集団を独特の魅力にしている。

💐永田和弘

創刊以来、「未来」は常に私たち「塔」の一歩前を歩いている兄貴分という意識で見てきましたがその800という数字に、わが「塔」を重ねつつ自ずから感慨深いものがあります。

💐 穂村弘

一人で短歌を始めた私が生まれて初めて会った歌人は加藤治郎さんでした。彼を通じて大滝和子さんや紀野恵さんの歌を知り、その才気に圧倒されて『短歌パラダイス』の歌合合宿も懐かしい思い出です。

以上は一人1ペ一ジの文を私が勝手に要約しました。また引用させていただきたく思っております。

報道の素速さ

2018-09-10 08:38:59 | 歌う
北海道の地震は6日未明だった。その3日後、昨日の朝刊のAERAの広告に驚く。「北海道地震」の特集▲もろさの裏側全域停電、空港マヒ
停電ドミノの恐怖、闇に沈むススキノ、鉄道も信号も停まった、
この非常事態を超スピ一ドで伝える凄さ、不眠不休の取材で対応しているのだろうか。

更に驚くのは同じ新聞に🔘北海道のほぼ全域の停電は99.9パ一セント復旧、そしてテレビでは空港や新幹線まで動きはじめている、でも安心していいのだろうか、

死者、行方不明者さらにさらに増しわれと同齢の死者また一人