日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

皆立って、夜通し歩き

2012-02-09 | Weblog
  サムエル記上31章 

   12節「戦士たちは皆立って、夜通し歩き、サウルとその息子たちの遺体をベト・シャンの城壁から取り下ろし、ヤベシュに持ち帰って火葬に付し」(新共同訳)

  1節「ペリシテ軍はイスラエルと戦い、イスラエル兵はペリシテ軍の前から逃げ去り、傷ついた兵士たちがギルボア山上で倒れた」。ペリシテ軍との対戦は29章にあった。イズレエル平原の戦闘で敗色が濃くなりギルボア山岳地に逃走し、そこで多くの兵士が倒れた。ヨナタンら王の息子らも戦死した。サウル王に対する攻撃も激しくなり、射手たちはサウルを見つけ、弓矢で深手を負わせた(2~3節)。サウルはペリシテになぶり殺されることを厭い、従卒に剣で刺すよう頼むが適わぬことを知り、自ら剣の上に倒れ命を絶つ。無念の死、勝敗は決した(4~6節)。
  7節「谷の向こう側と、ヨルダンの向こう側のイスラエル人は、イスラエル兵が逃げ、サウルとその息子たちが死んだのを見ると、町をことごとく捨てて逃げ去ったので、ペリシテ軍が来てそこにとどまった」。ペリシテ軍は死者の武具や所持していた諸々を剥ぎ取ろうとしてギルボア山上に来て見ると、サウロと三人の息子ヨナタン、アビナダブ、マルキ・シュア(2節see)が倒れていた。サウルの死による戦勝を全土に知らせ、偶像の神アシュトレト神殿にサウルの武器を納め、首はベト・シャンの城壁にさらしたとある(8~10節)。
  イスラエル建国の初代の王サウルの最期でサムエル記上が終わる。サムエル記下からダビデの時代が始まる。非業のサウルの最期に際し、花束を添える物語が、11~13節である。ペリシテの仕打ちを聞いたヤベシュの戦士たちは二十キロの夜道を歩き、ベト・シャン城壁からヤベシュにサウルの首を持ち帰り火葬にし、その骨を丁重に埋葬し七日間の喪に服した。彼らはサウルから受けた恩義を忘れることが出来なかったからだ(11章1~11節)。この時、アンモン人を撃退してサウルは王位を確実なものにしている。

  サウルの生涯はコヘレトの言葉11章1節あなたのパンを水に浮かべて流すがよい。月日がたってから、それを見いだすだろう」という教訓ではなかろうか。