日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

あなたに忠実を尽くそう

2012-02-18 | Weblog
  サムエル記下9章 

  7節「恐れることはない。あなたの父ヨナタンのために、わたしはあなたに忠実を尽くそう。祖父サウルの地所はすべて返す。あなたはいつもわたしの食卓で食事をするように…」(新共同訳)

  1節「ダビデは言った。『サウル家の者がまだ生き残っているならば、ヨナタンのために、その者に忠実を尽くしたい』」。ダビデは、王位の確立が明確にされたが、その地位を脅かす人間的不安が無くなったのではない。事実この後20章までの出来事は王家内紛と王位継承問題である。彼が先ず気になるのは、サウル王の末裔であった。そこで彼は義兄ヨナタンと交わした契約(サムエル上20章)の実行を願ったのである。「忠実を尽したい」の「忠実」(ヘセド)は「善、誠実、良いこと」とも訳される。口語訳「恵みを施そうと思う」である。人への良き業=優遇することは、神の慈愛に応えることである。そこでサウル家に仕えていたツィバが呼び出された(2節)。そしてロ・デバルにいるヨナタンの息子メフィボシェトの消息を知り、彼をエルサレムに呼んで来させた(3~5節)。5歳の時彼の足の不自由になったことは4章4節にある。
  6節「サウルの子ヨナタンの子メフィボシェトは、ダビデの前に来るとひれ伏して礼をした。『メフィボシェトよ』とダビデが言うと、『僕です』と彼は答えた」。初対面であったろう。王宮に呼び出され恐縮しひれ伏すのである。ダビデはあなたの父ヨナタンの為に恵みを施そうと思う、父祖サウルの土地をすべて返す、いつもわたしの食卓で食事をするようにと告げた。彼は「死んだ犬にも等しいわたしを顧みてくださるとは~」と言って心からダビデに感謝をしている(7~8節)。
  9節「王は、サウルの従者であったツィバを呼んで言った。『サウルとその家の所有であったものはすべてお前の主人の子息に与えることにした』」。王はメフィボシェトと交わした約束をツィバに伝え、彼の為に土地を耕し収穫物を渡して生計をたてることを命じた。ツィバにいた十五人の息子と二十人の召し使いもこれに仕えることになる。ツィバは王に間違いなく実行すると約束した(10~11節)。メフィボシェトとその幼い息子ミカはこれによって生活することになるが、王の食卓に常に連なったとある(13節)。このメフィボシェトとツィバのことは、16章1~4節、19章25~31節にまた登場することになる。