老後の住まい
老後の心配のタネは死ぬ場所です。自宅、養老院、老人ホーム、野垂れ死に、どのパターンに自分は当てはまるか心配するようになりました。下記の老人ホームの記事を読んで一つの選択肢が失われました。総人口の四分の一が後期高齢者になる近い日、経営難、人手不足等で運営されている老人ホームが一つずつ消えていきます。また、政府は社会保障費削減のため病床を減らすことも検討して、病院も拠り所ではなくなります。自宅は、介護してくれる人がいなければ孤独死が待っています。
袋小路にはまりそうな高齢者、「8050問題」「ひきこもり」「少子化」、問題が山積みしている日本国、トドメは、75歳以上の健康保険、1割負担から2割負担増しを検討中です。収入、貯金、親族もなし、「3無老人」どこへ行く。
老人ホーム倒産が過去最多 入居者襲うリスク
大金を預けて入った老人ホームが突然、閉鎖されたとしたら。お金は戻らず行くあてもなく途方にくれるばかり。こんなことが実際起きている。老人福祉・介護事業の倒産件数は2019年上半期で過去最多。ずさんな経営や人手不足もあって行き詰まる施設がたくさんある。
深刻化する老人ホームの人手不足
老人福祉・介護業界の関係者を驚かせた大型倒産が今年あった。関東地区の37ヵ所で老人ホームを運営していた「未来設計」(東京)が1月、東京地裁に民事再生法の適用を申請したのだ。負債総額は約54億円で、民間調査会社の東京商工リサーチによると、有料老人ホーム経営会社としては過去2番目の規模となる。負債のなかには利用者が入居時に支払った「預かり金」も含まれており、その対象は約1500人、約34億円に上った。
未来設計は、福岡市の社会福祉法人のグループ会社創生事業団の傘下で再生を目指している。関係者によると、前オーナーのもとで実態は大幅赤字だったのに粉飾決算が行われていた。前オーナーへの2億円を超すような高額報酬や、前オーナー関連会社への不適切な支払いなどもあったという。創生事業団は前オーナーらを詐欺容疑で刑事告訴するとともに、損害賠償を求める訴訟を求める訴訟を東京地裁に起こした。
老人ホームの運営会社が粉飾決算をし、実態が伝わらないまま倒産したとなれば入居者は浮かばれない。今回の倒産では、創生事業団が経営を引き継いだこともあって、入居者が追い出されることはなかった。創生事業団側の弁護士事務所の担当者によると、「退去する人も一部にいたが、多くの入居者が以前と同じ条件で残っていただいているという。」しかし、預かり金の大部分が戻ってこない可能性がある。入居時に払った額は1人当たり単純平均で200万円強になる。
「公益社団法人・全国有料老人ホーム協会」がいざという時に500万円まで肩代わりする入居者生活保証制度もあるが、今回の倒産事例では適用になる可能性は低い。創生事業団が経営を引き継ぎ入居を続ける人が多いため、「施設の入居者が退去せざるを得なくなり、入居契約が解除された場合」という条件に該当しないためだと、協会は説明する。預り金が消える入居者にとっては、そういわれても釈然としないだろう。
問題は人手不足のみならず、経営難も
経営難で老人ホームを退去せざるを得なくなったケースもある。福岡県行橋市の社会福祉法人「友愛会」は6月・福岡地裁行橋支部に自己破産を申し立て、手続が開始された。負債総額は約6億8千万円。昨秋には職員への給与が滞納状態となり、昨年11月末にはパートを含む26人の職員の8人が辞めた。水道料金も払えない状況で、運営が厳しくなっていった。28人いた入居者全員は、別の複数の施設に移ったり、家族に引き取られたりした。
経営破綻したのは、市内のほかの施設との競争が激しく、入居者が定員割れしていたことが大きい。友愛会では介護支援専門員の勤務実態の偽装なども行われていた。運営を監視してきたはずの行橋市役所は、経営悪化を早い段階で察知し食い止めることができなかった。市は昨年末に介護保険や社会福祉法に基づき改善命令をだしたが、友愛会は改善の報告をしないまま自己破産を選んだ。
財務状況の実態はいまもわからないが部分があり、私の担当者は、「預かり金を払った入居者以外にもいろいろな債権者がいる。」と話す。預り金の大半が回収できない可能性がある。
東京商工リサーチによると、これら2件を含めて、今年1~6月の上半期に倒産した老人福祉・介護事業は55件。前年度同期と比べ10件増え、上半期として過去最多となった。倒産件数は増加傾向だ。
「小規模事業者の人手不足が深刻さを増し、経営環境が一層厳しくなったいる。」(東京商工リサーチの後藤賢治さん)
業種別では訪問介護事業が32件、有料老人ホームが5件となっている。有料老人ホームは件数そのものは訪問介護事業より少ないが、経営規模が大きいところが目立ち、影響を受ける入居者は多い。
全国のホームヘルパー協議会が昨秋、事業者に対して実施したアンケートでは、人手不足に悩む実態が浮き彫りになった。課題をたずねたところ(3つまで回答可)、
「募集をしても応募がない」(88%)、「給与が低い」(30.5%)、「効果的な募集方法がわからない」(24.0%)といった回答が並ぶ。
「早朝や夜間の人材が不足している」ことや、「高齢化が深刻で数年後が不安」と若い職員の不足を訴える事業者もいる。「人材の確保・育成・定着のための資金がない」といった声もあった。
資金力のある一部の大手は人材を確保できても、多くの事業者は人手不足を解消しにくい。介護業界の関係者はこう指摘する。
「介護現場ではサービスの質が求められています。人材育成を含めて一定の投資が必要。大手ならローテーションを組んで職員を研修に参加させることもできますが、小規模な事業所ほど人のやり繰りは難しくなります。資金力のない事業者は経営環境がますます厳しくなります。」
有料ホームを選ぶときのポイントは?
さて、私たち入居者にできることは何か。老人ホームの淘汰はますます進んでいく。監視するはずの行政も頼りにならない。大金を払って終の棲家を決めるときには、納得できるまで業者に説明を求める。いったん入居しても、サービスが低下するなど問題があれば、すぐに家族や専門家に相談する。
有料老人ホームの選び方について、東京都福祉保健局はこうアドバイスする。
家族や友人らが訪ねやすいか、近くに商店街などが整っているか、立地に注意する入居率やスタッフの平均勤務年数なども確認し、複数のホームで比較。赤字が膨らんでいないかどうかなど、経営状況も自らチェックしよう。不利な情報でもきちんと情報を開示するところが望ましい。
いまは老人ホームがいつ閉鎖されてもおかしくない時代。最後まで自分のことは自分で守るという姿勢が求められている。
本誌・浅井秀樹週刊朝日
2019年8月30日号
結論
先立つものは「お金です」メモの中から出てきたコメント紹介します。
「お金は使うことで増えていく。節約するだけではだめで使うことで循環、お金を使うことはただの消費ではなく、新たな金運を生み出すための土壌作り。みんなで楽しむことが金運の土壌を肥やすコツ」とはいうものの余分に使う金もなし、貴重な年金から自動的に引き落とされ減額される、いかに税金を徴収するか国はそこしか考えていないような気がします。
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