植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

良くも悪くも紙次第

2020年04月15日 | 書道
 また、本日ヤフオクで落札した「書道半紙」が届きました。4種類(銘柄)7000枚弱の「手漉き半紙」です。これで3万円ちょうどなので、一枚4円ちょっとということになります。機械漉きの半紙が大体2、3円、手漉きは国産ですと、最低7円、高いものは1枚20円以上いたします。オークションは有難いなぁ。ネットで取り寄せるよりはるかに安く買えます。死蔵されている半紙・半切(条幅)が捨てられてもおかしくなかったのが、こういうヤフオクなどで、必要な人に渡り生かされるというのは素晴らしい制度でありますね。
 先日は3000枚届きましたから、あわせて1万枚ということになります。こんなに沢山買い込んでどうするの?と疑問に思われるでしょう。最近は大体一日40枚ほど、練習で書いております。単純計算で年間14600枚を消費するのです。正直、気に入らない半紙・安物で練習にも使いにくいものも在庫に混じっていますので、沢山書くだけ、安価で良質の半紙を確保しておきたいのです。

 よく買っていたホームセンターの書道用紙の棚は最近では半分ほど欠品です。子供の数が減りました。子供が通う習い事でも、算盤や習字はめっきり減っております。デジタル化で手書きの文字を書くことが少なくなりました。個人間でも、連絡はスマホやPCを使い、メール・SNSで用が足ります実際、ワタシも現役の頃は、100%パソコンのキーボード作業でしたから、一日一度も文字を書かないことさえありました。書道人口が減っているので、当然書道用紙や筆のメーカーが減っているのではないでしょうか。
 字を書かないと、いつのまにか下手になります。そして、漢字が書けなくなります。
 書道専門店でも、半紙は売っていますが、10枚一組(1束)か20枚(1帖)で売られていて、一枚当たりの単価が高くなります。一締といわれる2000枚単位で買う方がはるかにお得なのですが、ネットで買った場合、その紙質が気に入るかは書いてみないと分らないので、ちょっとリスクが高いとも言えます。

 手漉きの国産半紙と言っても、コウゾ・三椏・雁皮の材料によって書き味が全く異なります。わざと「藁」を混ぜるものもあります。カナ用に作られた半紙は、薄くて表面がつるつるして、墨を吸いません(はじく)ので、漢字の練習には不適です。

 今は専ら漢字を練習しています。書きやすい漢字用半紙が大量に欲しいのです。しかも、楷書・行草書・隷書などの書体によっても適した紙質があるようです。
 最近は紙によって、墨の滲み・発色・字のかすれも千差万別、筆の運びやすさなど筆先から伝わるわずかな感触も大事なことがわかってきました。最上で質の良い紙を使うと、穂先が紙に食いつくような感覚が出ます。上達の近道は上手に書ける紙を見つけることと言ってもいいくらいなのです。勿論王道は「多筆(多書)」です。

 早速書いてみました。4種はいずれも手漉きですが、うち2種4千枚は「藁」を混ぜ込み、未晒の茶色がかった半紙でした。書道用紙は、大体墨色の鮮やかさをだすために漂白を行います。漂白剤を使わないと、本来の和紙特有の自然な薄茶色の風合いがある紙になります。
 表面にわずかなざらつきがあり、ほとんど滲みがありません。カスレを出すにはいいかもしれません。隷書・篆書など枯れた野趣のある書体にも向いているようです。残り二つは上質紙で適度な滲みもあり練習用にはちょっともったいないかもしれませんが、そのために取り寄せたので、惜しまず使用したいと思います。

 コロナ肺炎で、室内にいる時間が多くなりました。いいことか悪いことかわかりませんが、これだけ練習すれば少しは上達するのでしょうか。


コメント
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