植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

オリンピックと地区レク 意味は同じ

2021年06月20日 | 時事
昨夜は、自治連絡協議会(自治連)主催の会合がありました。地元の自治会長と体育部関係者が集まり「地区レクレーション大会(地区レク)」の第一回準備委員会が行われたのです。

 地区レクというのは、早い話、地域で行われる大人の運動会であります。老若男女が集まり、綱引きやリレーのようなものから珍奇なものまでさまざまな種目を丸一日楽しもうという趣旨であります。おそらく全国で、似たようなイベントが開催されるのですが、「コロナ」であります。昨年は全国の学校で軒並み運動会が中止になったのと同様、こうした行事もほとんど取りやめになったのです。

 そして、今年は2年続けて中止は避けたい、どうにかしてやろうじゃないかという機運が出てきて「市役所」からも、開催を前提に感染対策を万全にして運営や競技を工夫をして行うように指示があったのです。これを取りまとめるのが自治連会長のS会長であります。もう十数年この座に座り、20近い公職を兼務し、当地区の「ドン、地頭」を自認する名士なんです。長くこうした職に就くと「余人をもって代えがたし」と評価され信頼をされる一方で、「専横的独断的」として悪く言う人も出てきます。

 ワタシは何度かこの方と話をし、さまざまな会合を取り仕切る姿を拝見するにつけ、そうした長期政権のもつ弊害と、この人に任せていれば安心で、みんな助かってるなぁ、と両方の感想を持ちます。これだけの多くの役職(ほとんどが代表・会長)を長年受け持ち、率先垂範で説明し、行動する(ワンマン)のは、とうていまねが出来ないことと、頭が下がるのであります。

 で、このS会長が「実施することは既定路線なので、あとはどうやったら安全な大会になるか各町内で話し合って次回20日後に意見お持ち寄って欲しい。」と宣言したのです。あれあれ、これは変だなと思ったら案の定、出席者から「やるやらないの選択はないのか?、中止するという考えはないのか?」といきなりの意見が飛び出しました。

 これは、元をただせば「オリンピック開催」の是非の論争に遡ります。子供をもつお母さんが「オリンピックはやるのに、子供の運動会はどうしてできないの? オリンピックより子供が運動会で頑張る姿を見たい。」という切実な意見が共感を呼びました。
 すると5月になって、萩生田文科相が突然「運動会などの地域の行事は、直ちに中止ではなく、実施方法の変更も含めて、やる可能性を模索してほしい 」と会見で述べました。これは、明らかに、五輪はやることに決まっているのだから、運動会もやれ。」と号令をかけたのです。つまり、批判をかわすため、五輪も運動会も開催ありき、選手・観戦者、子供たちや家族のコロナ感染はそちらの責任でやるという露骨な方針を出したのです。

 おそらく文科省から都道府県に通達(行政指導文書)が届き、自治体教育委員会が主体で自治連に実施を要請した、という流れであります。事前に配布された「地区レクにおける開催方針およびガイドライン」は、おそらく全国共通の内容で文科省がひな型を作成したに相違ありません。

 抜粋します
「考えうるコロナ対策を講じることを基本とし、地域交流、出会いと感動の共有により地域のつながり・絆を深める(主旨)・・感染症を心配して不参加のものに無理強いや非難するな、万一感染しても誹謗中傷するな(寛容の精神)・・・開催について、地域団体の理解が得られずやむなく中止するという総意の場合は、開催不可を許容するがその場合大会実行委員会を(わざわざ)立ち上げたうえで、教育委員会に申し出なさい。」

 つまり、感動と絆を得るという(どこかで聞いた文句)目的のもとに強制的に地区レクは実施させる(命令)が、反対するものは許してやれ、どうしてもやらないなら、形式的に大会実行の形式をとって、願い下げの手続きしなさい。(つまり、国策に従って実行することにして準備を始めたけれど、諸般の事情で中止しました、というシナリオにするのです。)

 何か工夫をしろといって、密を避けた妙な種目が例示され、4種目ほどやったら?みたいな説明でありました。模擬店などによる食べ物の配布や提供も禁止、午前か午後だけで終わりにしましょうとか。そもそも、こんな大会を心待ちにしている人がどれだけいるものやら。年寄りが見に来るのは、暇なのとタダで食べ物を貰えるからなんです。

 これで、もしわが町内は参加しません、と表明したら、自治連からにらまれいじわるされる、大会当日は当町内からの見物は断られるなど、絆どころか分断される要素ばかりです。中には、やるべきで、実施直前に世の中の情勢コロナの感染状況によって中止すればどうかという意見もありましたが、のべ数百人の事前の準備に費やす労力、人流拡大による感染リスクをカバーして余りあるメリットが見いだせないのです。

 オリンピック同様、健全な市民感覚からしたら、この時期にそんなことやってる場合では無かろう、中止ないし延期とした方が賢明というのは自明であります。今までは、市の意向(威光)を受け、こうなるから承知しろ、とばかり強引な手法で取り仕切ってきたS会長も、出席者の多くからの強い反対意見にたじたじとなっていました。何かあっても俺は責任取りようがない、と開き直り、3年もやらないとやり方を忘れるなど、自説を曲げようとしませんでしたが、旗色が悪いのを察して、次回の委員会は延期して善後策を講じることでお開きになりました。

 何より、国民の健康や生活・生命の安心安全を無視して、自分たちの都合と利益だけで、五輪やコロナ対策を捻じ曲げわがもの扱いする無責任で傲岸不遜な政府与党のやり方はどうしても認容できないのであります。

わが町内はなんと言われても反対いたしますよ
コメント
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