昨朝はいつもにもまして早起きいたしました。今年初めて満月美人が開花したからです。一年大事に育て開花を見るときの喜びはがひとしおであります。
満月美人は月下美人の改良品種で、この種はほとんど他に改良種や変異種はありません。花は咲くものの、実際は挿し木で簡単に増えるのであまり他の近種と交配させる必要がなかったのだそうです。最近では徐々に交配の研究がすすみ新種も出ているようです。
特徴は、年にせいぜい、1、2回しか咲かず、夜に咲き始めて翌朝にはしおれるという儚さにあります。その分エロチックなほどの艶やかさと濃厚な香りを放ちます。強香なのに柔らかく、エキゾチックで他に例えられないような芳香なのです。諸般の事情でこの花を一昨日写真に収めることが出来なかったため、早起きしてなんとか間に合いました。あたりにはまだうっすらと香りも漂っておりました。
もう一つの理由が「全米女子オープン」世界に冠たるアメリカゴルフツアーの5大メジャートーナメントの一つであります。かの樋口久子、岡本綾子、宮里藍などが幾度も挑戦し阻まれてきた伝統ある最高峰の大会3日目で、笹生優花が2位、畑岡奈紗 が5位と好位置につけていたからであります。首位のLトンプソンとは1打差、レキシーは世界ランク7位、無類の飛ばし屋で、乗ってくると手が付けられないすが安定感にかけ、ここぞという時のポカがあります。絶好の位置であったのです。
起床してすぐテレビを付けたら4R出だし数ホールで笹生はなんと+4、レキシーは-1と一気に6打差がついていたのです。その後に続くのが例によって韓国人選手、「あぁ、日本人はやっぱり最終日弱いのだ」と情けなくなり、ブログ更新など朝の日課をこなしておりました。6時になるかならない時間に篆刻修行をするという見上げた心がけなのです(笑)、おかげで割合で気のいい篆刻印が彫れました。
それでひと段落し、ゴルフの結果をネットで確認したら、なんと3人が同スコアで、最終ホールではありませんか、目を疑いました。慌ててテレビを付けました。畑岡奈紗ちゃんは一足早く1位タイでクラブハウスチャンピオン、なんとレキシーは18H目がスリーパットのボギー!!、史上初の日本人同士のプレーオフとなったんです。久しぶりにその瞬間ほんとに鳥肌が立ちました。
畑岡は、上背が無いのでもともと横降り、インパクトで体が浮くように伸びあがります。特徴ではありますが泣き所です。それでもアイアンショットの時はその伸びあがりがほとんど無いように修正したようで、とても正確なショットに見えました。しかし、POになってからは力が入り緊張感が増したように見えました。
一方最終日出だしで躓いた笹生は、粘り強くスコアを戻して首位タイに戻ってきたせいか、非常に自信に満ち、POもたんたんとプレーを続けました。畑岡は2ホールともドライバーを曲げ深いラフに入れましたが、そこから計算しつくされたセカンドを放ちパーで切り抜けました。笹生は逆にフェアウエーからのショットが寄らず、決め損ねていました。
3ホール目、今度は笹生がラフに入れそこからバーディーチャンスに付けました。一方畑岡は絶好のフェアウエーのライだったのに、笹生がぴたりと乗せたのを見てプレッシャーがかかり、手前の遠位置に乗りました。パットも打ち切れずショート、上りを強気に入れにいけなかったのが勝負の分かれ目に見えました。
笹生は、並外れたヘッドスピードで、躍動的な美しいスィングの選手です。見惚れますね。ローリーマキュロイのコピーともいわれてそっくりなんです。パッティングは、ラインの読みが早くぱっと決めて打ちます。他の選手が立ったり座ったり何度も行き来をするのですが、読みがいいのとキャディーへの信頼なんだろうと思います。長いフックラインを真ん中から決めました。いやいや恐れ入りました。史上最年少の優勝でした。この2年間で、渋野、松山、笹生と3回メジャートーナメント優勝なんて夢のような出来事でした。
彼女の優勝スピーチも流ちょうな英語で感動的でした。ワタシはアメリカツアーに行くなら、男女を問わず英語を日常的に使えるようになるべきだと思います。パートナーやキャディー、関係者との意思疎通がスムースでなければ劣後します。米ツアーに行くなら語学を学び本拠地をアメリカの置くようでなければ通用しないと思います。
それで、笹生が優勝セレモニーで表彰されるとき、フィリピン人で初めてメジャートーナメントに優勝したと紹介されました。彼女はお父さんが日本人、お母さんがフィリピン人で二重国籍なんですね。タガログ語と英語を話し、日本語も勿論話せます。大阪なおみ、八村塁 、サニブラウン、オコエ、鈴木武蔵など何人ものハーフのアスリートが活躍する時代になりました。種が遠ければ遠いほど異種交配による植物の姿は美しくなり、性質は強健になることが多いのです。
しかし、それに引き換え予選落ちした渋野日向子ちゃん、あの滅茶苦茶なスィングにこだわったら、本当に引退も懸念されます。早く岡本綾子さん、修正してあげてください。