昨日、仕事場を模様替えすることにいたしました。わずか4畳ほどの狭いオフィスに大きなデスク、書道篆刻用作業机、棚が大小7個を詰め込んでいて、年中、あちこちぶつかりものが落下し、通行にも支障が出ているのです。
最大の障害が、PC2台が置かれた真ん中にあるデスク、これが歩行を妨げ空間を狭くしているのです。そしてもう一つが、考えなしにヤフオクでため込んだ印材やら書道具・関係書籍であります。よく学者先生が自室や仕事場からテレビ出演するとき、壁から何から資料や書物がうずたかく積まれていて今にも崩れそう、あんな状況です。来週末頃から子供たち3家族が帰省し出たり入ったりする予定なので、今のうちに屋上から2階まで、こぎれいにしておかなければ、みんなから顰蹙をかうのが避けられません。
思えばこの建物が出来た時から8年間、このデスクがずっと定位置、品物が増え棚と物入が増えパソコンが3台になっても不動だったのです。これを全面的に動かし使いやすいようレイアウト変更することを昨日突然思いついたのです。思いたったが吉日。いきなり着手いたしました。
これで普通のブロガーならば最低ビフォーアフターの写真を撮り、レイアウト変更の図面を書くところですが、ものぐさ、かつ多忙のワタシ、そこらは省略し、なんの予備的な片付けもないままいきなり机をずらすという暴挙に出ました。
変更の骨子は、このデスクを壁に押し付ける、収納の棚や引き出しも背中の壁に並べる、それだけであります。デスクの上に電源の点いたPCやらキーボード、電話機ペン立てリモコンなどが乗ったままなのです。そのデスクを少し動かすたびに、OA機器を繋ぐコードが引っかかり椅子が邪魔をし、印材と半紙を入れた棚が行く手を阻みます。いいんです。そこで、考えながら端っこから決めていけば少しづつ形を成すのです。
今まで角に置いてあった別のPC作業台兼用具入れを左にずらし、そこにデスクを四苦八苦して部屋の角に押し込みました。並んでいる篆刻の作業机は逆側にずらし空いたスペースに印材収納箱がピッタリおさまりました。もう勝ったも同然(笑)なので、ここで中断。(写真は整理途中なのですがこれでもましになったのです)。背中側に今ある本棚兼印材収納棚を少し動かし、それと全く同じ商品を後ほど買ってきます。すでに印材は収納に収まり切れずそこらに積んであるし、書道と篆刻の字典や書籍なども置ききれないのです。この際、倍の収納容量を確保し、きちんと整理しようと思います。
さて、それはそれとして、昨日届いたのが「栄寶斎」の印泥。本物ならば現在売られているもので2,3万円、一昔前の逸品ならば2,30万円はいたします。これが3千円(笑)。栄寶斎は粗悪な模造品が多数出回っているという専門家さんの意見、そのものずばりです。
はい、見たところ「栄寶斎」の印泥のようですが、一発でアウト・偽物と思われます。印泥は金箔が乗っておりぱっと見、高級感が漂うのですが、端に偏っています。きちんと作られた印泥は、油分を吸って柔らかな固形物ですから、何年も傾けていても流れてずれたりしません。届いたものはベタベタしていて、ゆるい固めの流動体なので、とうてい押印には不適でありました。しかも見た目は明るい朱ですが、実際に紙に付けるとダマになり、黒ずんで見えます。だめもとで「艾(もぐさ)」を加えて固く「しめて」みようと思いますが恐らく使い物にならないでしょう。
ついでに、きのう届いた「偽物」の田黄石をお見せしましょう。
ヤフオクでは、ほぼすべての人が偽物と判断してスルーしたものです。案の定人造石でありました。こんな大きな田黄石が本物なら、百万円近くいたします。「三井家蔵」と書いたラベルが張られた箱書きも、字は下手だし桐箱も妙に新しいので、100%贋作であります。もし、仮に三井家が一時でも収蔵していたとしたら、その関係者は全く見る目が無い骨董品音痴だったのでしょう。
更に、以前紛れ込んできた似たような田黄石の偽物(人造石)がこれであります。
いずれも偽物と承知で3,4千円で落札し、話のタネ、部屋のインテリア・置物扱いなので腹も立ちません(笑)。書道具研究および印泥研究家(自称)のワタシは、書道・篆刻に関わる骨董品・文物などに、相当な確率で偽物が混じっているということを身をもって体験し、その都度小銭を失っております。水滴・硯・筆・印泥・印材、全てに渡って粗悪品が紛れこんでおります。そしてその出所は贋作・偽物文化の本家「中国」なのです。正直、どうせ偽物造るならもう少し精緻で本物ぽいやつ作れよ、と突っ込みたくなります。
というわけで今日は全く目の保養にならない「お目汚し」の写真にて大変失礼を致しました。
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