植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

とにかく毎日彫っているうちにいつか上達するでしょう

2022年05月01日 | 篆刻
徐三庚さんの摸刻を始めて半年近く経過しました。200年ほど前に生まれ、篆書隷書を能くし、近代の日本の篆刻にも大きな影響を与えた、陽刻の技法に優れた篆刻家さんであります。やや装飾的に過ぎるという批判はありますが。ワタシのような独学独習で篆刻を勉強するものにとって、その章法技法を学ぶにはもってこいなのです。それまでが、呉熙載さんの摸刻を続けていたのですが、ちょっと飽きてきたのです。
 
 ヤフオクで探した徐さんの印譜集を半年ほど前、たしか2千円ほどで落札しました。2017年に中国上海で発刊されて28元、日本円で約560円の代物なので、現地で買えば安いのですが、上海に行こうにもロックダウンらしいです。(笑)
日本の古書店で2200円ほどでみつかりますから、まぁこんなものでしょう。
128Pあり、1p1・2個の印が掲載されています。印の数だけで言えば約200個あります。これをコツコツと真似して彫ることが日課であります。

最近作はこんな感じで、陽刻(字の部分を浮き彫りにする・朱文)中心であります。

現在83Pに到達しました。ここまでで学んだこと習得したのは、陽刻はやるほどに面白いということと、小さな印はワタシの眼にはそろそろ難しい、ということです。陽刻は、出来るだけ細目に字画を残すというのが基本です。印泥を付けて捺す時、自然と朱泥の部分が広がってくるので細い線に彫らないと、赤味が強く目立ちすぎるのです。また、小さな方寸の印面に出来る限り多くの文字を乗せるというのが熟練した上級者の証でもあります。

 もう一つ学んだのが、陽刻がうまく彫れるコツの1番が彫りやすい良い石を見つけることと、印面を「水研ぎ」でガラス面のように平らでピカピカに磨くということです。石は千差万別で、同種同系統の石ですら彫ってみると全く違う彫り味になることが多いのです。理想は、均質で粒子が細かく雑質が無いということです。虎屋の羊羹みたいな切り口で、固い砂質が無く一定の硬さと簡単に欠けない石の粘りがあるといいのです。

 そして、これを丁寧に歪の無い様にまっ平にペーパーで磨き上げるのが肝要で、これが揃えば印の出来は50%以上成功と思っていいのです。
 しかし、老眼が進み年相応に老化したためにピントが合わずぼやけ、かすんで見えます。照明付きの拡大鏡を使いながらも、細かい部分の作業が難しく手元が怪しくなっております。手もこわばりしびれがあるので思う様には動きません。残念ながら、よほどいい石を使わない限り質の高い篆刻は出来ないようです。
半年摸刻して学んだのがこの程度のことであります(笑)

 技量の拙さ、老化による劣化をカバーするためにも印材の研究および蒐集は欠かせません。先日ヤフオクで7千円弱で入手したのが中国印材30種セットです。以前から、後学のためにはぜひ持っておくべきものだと思っておりました。これらは個々には値段が高い高級印材では無く、一般流通品です。1個数百円から千円というところです。よく探せば日本でもネットで買えますが定価は26千円のようです。
この持ち主は、なかなか几帳面だったらしく、印に番号をつけています。元は同じ「ヨウロウ石」なのですから、どれも似通っています。一旦取り出して、石同士が入れ替わったらもうなんだか分からなくなりますので番号を振ったのでしょう。1番と21番(昌化彩凍石と青田青白石)が欠けているのは、実際に印材として彫ったのかもしれませんが、なんとなく抜けているのが気持ち悪いので、そのうちネットで探して取り寄せなければ、と思います。

最後に、またちょっと増えたワタシのコレクション「鶏血石」3個です。硬い石質で、真紅の血のような模様が流れているのが特徴、観賞用とされ刻するには不適とされていて、いまだ鶏血石は彫ったことがありません。上記の30種とは違って、一個数千円から数万円致しますね。

今日もとりとめもないお話で失礼しました。


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