植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

甲斐犬 スミレ 寝ぼける

2020年09月14日 | 動物
「うーちをでるとき  ちーちきちー
うーちぇん うーちぇん ちーちくるー
ぽちんやた まこちーえーらしやっちゃのー」

 これはお坊さんの新種のお経ではありません。ワタシがまだ幼少の頃、祖父が教えてくれた方言による童謡であります。
 全翻訳するには及びませんが、元は文部省唱歌の「犬」です。「家を出る時とんできて~♬ 追っても追ってもついてくる♪~」という古い歌を大分県の田舎(玖珠郡)の方言で替えたものであります。

ウチのわんこはポチではなくスミレ、まことに愛らしい奴なのであります。
甲斐犬は気性が荒く、人に懐かない気難しい犬種と言われておりますが、まったくさにあらず、実にフレンドリーで気が優しいのです。

 甲斐犬を飼うのは初めてなので、この犬の特徴的な行動が、甲斐犬に共通するものか、彼女固有のものかはわかりません。
 この犬種を選ぶとき、ずいぶんネットでその特性や性格を調べました。飼うのが難しい、特殊な犬、懐きにくく他の犬種とも仲良くしない、などと、どちらかと言えば、ネガティブな情報が多かったのです。愛玩犬や小型犬に比べると人気が低いので、仔犬の値段もかなりお安い方でしたね。

 他犬種との交配が少なく、天然記念物として血統を保護されているせいもあって、個体数が極めて少なく、国内では千頭に2頭くらいの割合でしかいないのだそうです。ワタシの知る限り、うちの子を扱ってくれたブリーダーさんの飼い犬、以前同じ会社に勤めていた逗子の奥様の愛犬「信玄」、先日国府津で見かけた散歩中の甲斐犬くらいでしょうか。

 一方で、飼ってみると甲斐犬の魅力にはまって、他の犬を飼う気にならなくなるなどの評価も見かけました。飼い主以外には一生懐かず、その飼い主には盲目的で非常に従順なのだとか。

 実際に飼ってみると、その特有の落ち着きのある賢さ、懐き方がとても素晴らしいものでありました。犬友さんなどと一緒に散歩して、他の老犬が遅れてくると立ち止まって、追いつくのを待ちます。食べ物を与えた時、それが初めて口にするものだとさんざん臭いをかぎ、口先で受け止めて、軽く噛んでは吐き出す、を何度も繰り返します。以前、プチトマトを与えたら、もう、数分体をねじり回転させ仰向けになって焦れるように味見して、結局食べませんでした。とても、慎重で、ある意味臆病な犬種なのです。

 感情表現は奥ゆかしく、冷静沈着であります。小型犬が吠えかかろうがちょっかいを出そうが、知らん顔してされるにまかせます。普通の愛玩犬のように、ビュンビュン尻尾を振って甘えかかることもしません。体を撫でたり軽くマッサージをすると、前に飼っていたコーギー(リウルちゃん)は、ワタシの手指を舐めて、気持ちよさを表していました。その点スミレは、目を細めるでもなければ「そこそこ、気持ちいい」とも言わずじっと動きませんが、何気なくじわっと体を預けてくるのです。

 おやつを与えようとお菓子を手にしても、バタバタしません、ちらっとこちらを見やると目をそらし、別に欲しくはないよというそぶりを見せるのですが、体は正直で、口の端からはよだれがたらーり(笑)

 それでも、ごくたまに野生の獣性を垣間見せます。口にした食べ物、自分の食器、おもちゃなどを取り上げようとしようものなら、飼い主であろうが低いうなり声をあげて威嚇します。屈強な前足で茶碗やおもちゃを抑え込みます。無理に取ろうとすれば噛みついてくるでしょう。日本犬は、海外の愛玩用に改良された小型犬と違って、今もなお野獣性を残したままのようです。秋田犬、柴犬なども獰猛で好戦的な一面をもっていますね。

上目遣いで、様子を見ます

甘噛みでワタシの足首をかむ、これはじゃれているのです。

「わろーてはる」

 スミレは、外飼いの番犬のつもりでありました。しかし、この猛暑で毛皮をまとった愛犬を一日中外に出しておくと、いかにも熱中症が心配され、実際つらそうだったのです。家内と相談し、玄関の三和土にケージを運んで、涼しくなるまで室内飼いにすることになりました。屋内外どちらにしても犬舎の中なので、不審者を襲うことも無く、屋敷内に来た人にはとりあえず吠えるので、それなりに番犬の役割を果たしてくれます。

 家の中でも、それはそれは大人しく、無駄吠えはありません。キュンキュンと甘え声も出しませんね。体を身震いさせるときに爪がプラスチックの床を引っ掻いて大きな音を出すくらいです。

 ところが先日深夜、事件が発生しました。ワタシらが寝付いた頃、夜中の2時前でした。突然けたたましいスミレの悲鳴にたたき起こされました。犬が噛まれたり足を踏まれたりしたときに発する「キャインキャイン」いやギャインだったか、という鳴き声です。

 慌てて飛び起き駆け付けると、スミレの前足がケージのプラスチックのネットに挟まり食い込んでいるではありませんか。肉球とかぎ爪が隙間に挟まってぬけなくなったのです。自分で引っ張っても抜けず痛かったんでしょうね。ワタシが無理に抜こうとすると「痛いじゃない!」と噛みつこうとしました。吃驚したのか痛みなのか、少しちびって(脱糞して)いました。
 
 これは一大事、と思ってすぐにハサミでケージのネットをパチパチと切り、すぐに抜けました。幸い出血は無く、前足を舐めたり、気にするそぶりもありませんでした。
 たぶん、彼女は熟睡していて寝がえりしたか、誰かにパンチする夢を見たかで、前足を突き出して、運悪く固いネットに突き刺したんでしょう。寝ぼけて足が挟まれていてスミレもびっくりしたでしょうが、夜中に悲鳴でたたき起こされたワタシら夫婦も負けずに驚きました。

 しばらく、何が起きたかもわからず茫然としていたスミレには、冷たい水を飲ませて落ち着かせました。

 一夜明け、スミレは何事も無かったように元気でありました。まもなく2歳、人間なら中学生くらいです。なんにせよ大事に至らず何よりでありました。

 
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原監督 いやー 名将です

2020年09月13日 | スポーツ
 9月に入って怒涛の13連戦、ワタシも記憶にないセリーグのハードスケジュールも、今日で終わりとなりました。これが、今シーズンのペナントレースの趨勢を決めるとにらんでいました。わが巨人軍は、ここでずっこけると、戦力が拮抗した阪神横浜あたりと終盤までもつれる可能性が強かったのです。

 また、すでにタイトな日程をこなしてきた選手たちには、体力の消耗が見え、投打にわたって、調子を落としてきているのですから、采配とチームの総合力の真価が問われる2週間になりました。

 結果は今のところ9勝1敗1分1中止、予想以上の大進撃です。もう200%優勝で間違いありません。この勝ちの中でも、5試合が1点差、2試合が2点差(1敗も1点差)で接戦をものにしてきたのであります。つまり、引き分けを含めて9試合が僅少差の試合展開だったのです。球界では、一点差の試合は、監督・コーチの力量がものをいう、というのが常識。ブルペン(救援・クローザー)と代打代走を駆使し、様々な作戦で一点を取りに行き一点を守るという高度な戦術と経験が要求されます。
 そこで一昨日、原監督は、川上監督を抜いて巨人歴代最多勝利を挙げました。勝率もほぼ6割、何度も低迷するチームを立て直してリーグ優勝に導いた名将といって差し支えありませんね。
 2001年、長嶋さんの跡を継いで第一次監督就任時、いきなり日本一に輝きました。二次政権は、あの堀内さんがぼろぼろの2年間でチームが低迷した後を引き継ぎ2年で優勝しました。その後広島の黄金期が始まって優勝できずに勇退して高橋由伸監督が誕生しましたが、ここでも由伸監督は2年間優勝から遠ざかりました。新米監督が、すぐに優勝できるほど甘くないのです。
 そして原さんが三回目の監督でまた即座に優勝しました。通算優勝8回、日本一3回を達成したのです。
 巨人の4番としても申し分のない活躍をしました。現役の晩年では、足や手首に故障が出て力が衰え「チャンスに弱い」などと揶揄され、さすがに可哀そうでしたが、もはや押しも押されもせぬ知将であります。

 例えば一昨年までの広島は、3連覇し、投打ともに無双の強さを発揮していました。盤石と思えた戦力ですが、丸と新井が抜けて急速に打撃陣が弱体化しました。また投手も先発抑えともに不安定になり昨年は、CSまで逃しました。一度調子が狂うと緒方監督と言えど立て直すことはかないませんでした。更に今年は、最下位争いを演じております。ドラフトによる有力な戦力が加わっているにもかかわらず、一点差ゲームもほとんど落としています。これは、やはり、佐々岡新監督の経験不足、采配や指導側の問題があるように思えますね。

 ともあれ、まもなくマジックが点灯し、残り10試合以上を残して優勝するでしょう。問題は、日本シリーズです。原さんは、日本シリーズには3度しか優勝していません。クライマックスシリーズ敗退も含めて短期決戦で結果が残せず、日本シリーズ2度続けて敗退中、あのマー君擁する楽天にしてやられましたね。星野監督による、田中投手酷使の極みでした。ワタシは、あれをもって星野監督が尊敬すべき名監督ではないと感じましたが。昨年に至っては4戦4敗で涙をのみました。

 昨年は主力選手が投打とも不調で、実力を出せないまま終わりました。優勝決定後の消化試合の使い方、コンデイション調整もさることながら、ソフトバンク(予定)あたりの戦力戦術分析を徹底して行わなければなりませんね。

 シリーズでは絶対的なピッチャーが二人必要です。今年は菅野と戸郷がその役割を担います。昨年はエース菅野の不調が響きました。そして、絶好調男・シリーズ男になる選手が出てくることが重要です。選手は、トップコンデションでなければ短期決戦には通用しません。ペナントシリーズや過去の実績を無視して、公式戦終盤に好調だった選手を見極め、不調な選手には休養と思い切ったバッティング改造・修正を加えて万全な体制で戦って欲しいものです。

原さんの事ですから、昨年の轍は踏まないと思いますよ。
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ドコモロ 座って  何???

2020年09月12日 | 時事
ドコモロ(どこもろ)座とはなんだろ?
 ハワイ料理を食べさせるレストランか?、いかがわしいレビューやら踊りを見せる見世物小屋か、あるいは、マイナーな映画を見せるミニシアターかと思いました。
 違うんですね。(笑)
ドコモ口座というシステムを悪用して、他人さまの口座からお金をかすめる輩がいるようですね。

 以前は、個人が買い物などで用いるお金の決済と言えば、振込かクレジットカードか現金着払い、と相場が決まっていました。あとはコンビニ決済でしょうか。ところが、今時、これに、端末機やスマホなどを使ったインターネットバンキングが加わり、プリペイド式のカード・スマホ決済も浸透しました。更に、ペイペイという、銀行口座からチャージ(あるいはクレジットカード経由)して決済に使うという機能も加わり、なぜか政府が大々的なキャンペーンも後押ししています。キャッシュレス時代への移行段階なのだそうです。

 思うに、キャッシュレスは、中国などでは当たり前、欧米でも現金を持ち歩かないことが安全という考え方が浸透しています。我が国では、タンス預金・動かない死蔵現金が多数ある、と専門家はみているのです。経済学的に行けば、マネーサプライ(通貨供給量)は景気動向を計るうえで重要な数値で、お金が世間に出回って大量に流通していれば、消費も増え経済活動が活発化しているとみて、インフレなどを予測したりするのです。

 日本が、マネーサプライをどんどん増やしてきたのにちっとも景気が上向かないのでありますな。その理由の一つが、現金・預金に残ったまま動かないため、お金がデッドストック化しているのです。一般国民も企業も、消費マインドが収縮したままなのです。消費が振るわない理由は、消費税増税、高齢者には少子高齢化にともなう将来への不安、若い人は非正規雇用の拡大で実質賃金が目減りしているのに、コロナが追い打ちをかけたということでしょうか。アベノミクスなどは、実体経済にはほとんどプラスになっていません。掛け声倒れで、うわべだけであったのです。

 で、ドコモ口座ですが、ドコモ側でもイマイチ被害内容や手口がつかめていないようです。どれが、普通の商取引なのか、どれがなりすましなのか区別できないので被害額も把握できないのです。
 今回のなりすまし詐欺の原因は御多分に洩れず 、本人確認の不十分さに起因いたします。販売や利用者増加を優先させると、手続きの簡便さ・省力化をセットにしますね。面倒な本人確認を義務付けるとお客が逃げる、商売にならないという訳です。
 この発想は、オレオレ詐欺に使われる電話契約・他人口座売買などに共通しており、大昔から詐欺手口の誘引となっております。犯罪に用いられる身分証明書の偽造、架空(別人)口座、匿名でのプリペイド携帯契約などが、構造的な犯罪助長となっており、世の中の知的犯罪は、実はこれさえ防げばほとんど根絶できるのです。ワタシは、以前個人の信用供与・債権回収の業務に10年ほど従事しました。運転免許証偽造・外国人による健康保険証の違法申請、架空口座開設などは枚挙にいとまが無いほど経験しましたね。非常に厳密に運用するプロの金融機関すら騙されるのです。

 報道などから分かるのは、このドコモ口座などには金融機関から資金を自動的に振り替え、商品の購入時に携帯で決済するというサービスの様です。通常の日用品買い物程度の消費に使う目的で、月30万円という振替上限(決済総額)が定められているため、2か月分またがっての60万円が一件の被害額となるのですね。

 ここで悪用されたのが「換金性商品」でありますな。デパートの商品券、JRの新幹線回数券などの金券が代表的です。ルイヴィトンのバックなども換金性が高いのです。かつて、サラ金、闇金、多重債務などの社会問題が大きくなった頃(10~20年前)換金商品の悪用が横行しました。クレジットカードを多数契約しては、換金商品を購入し現金化する悪質な人間が後を絶ちませんでした。悪質な高利貸は、困った多重債務者に金を貸す条件が、クレジットカードを作らせて、指定する商品を買わせるということもよくあったのです。これを特殊金融と呼んでいました。

 ここにも「金券ショップ」という犯罪助長システムがあります。いわゆる故買業も含めて、盗品・詐取した金券と疑われる品物でも、見て見ぬふり商売優先で買い取ったりするのです。お役人やサラリーマンが格安チケットを買って、正規の交通費を出張旅費で請求し、差額を着服するというセコい小遣い稼ぎも、多分健在でしょうね。やはり本人確認が甘いのです。

 商業者・ビジネスの売り上げ優先の盲点や弱みに付け込んで、虎視眈々と悪質な詐欺・悪党が暗躍します。たいがい、結果として個人が被害を被ることになります。(今回はドコモが補償するようですが)
 これだけの技術革新が進み、AIだなんだという時代なのに、未だに免許証や保険証のコピーで本人確認する、4桁のパスワードで防御できるというアナログ的なやりかたなのが不思議でありますな。マイナンバー制度は導入されております。スマホでは、顔認証・指紋認証もありますし、生体認証の技術も実用化されています。ICチップ埋め込みなどという試みもあるそうです。

 本当に、世の中から不正や知的犯罪を無くしたかったら、遠回りのようでも個人情報漏洩策と、本人認証・本人確認のやり方を根本から改め、最新のテクノロジーを駆使するのが本筋なんです。中国のような、監視カメラ、携帯電話の位置情報、ドローンなどで個人の行動を監視するような社会では困りものですが。


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紙と筆だけは書道家にも負けません

2020年09月11日 | 書道
 最近、書道関連ではヤフオクの落札はほとんど成就いたしませんでした。書道筆や半紙を「まとめて」、というが前提条件で検索しますが、なかなかこれ、というのにでくわしません。欲しいなと思ってたまに入札しても、そういう出品はほかの人だってほっときませんから、そのうちに高値更新され、寝ているうちにオークションは終了となります。まぁ、さほどどうしても欲しいと思うものでもなく、値をつり上げてくる人には、それほど欲しいのなら「どうぞどうぞ」と譲ってしまいます。

 昨日、たまたま、新しそうな未使用全紙二束が出ていました。全紙というのは、水墨画や書道作品として使われる大判で、条幅用半切の幅が2倍(69×136cm)というサイズの紙です。まぁ作品は圧倒的に半切サイズが多いので、そうそう消費することも少ないのです。
 これが、50枚セットで二束、つまり分量から言うと一般的な半切100枚に相当します。写真の包装紙には「別漉うす口」と毛筆で手書きされ、50枚13000円とスタンプが押されていますホンマかいな。全紙はピンキリとは言え、だいたい一枚50円から200円というのが一般的です。一枚260円というのは、もしそれが本当なら相当高級な紙に相当するのです。 
 
 別漉というのは、販売元・製紙会社が製造したものではない(輸入・外注)という意味です。機械で漉いた全紙はあまりお目にかかりません。機械漉きは練習に用いますが、全紙を練習に使うというのは、ニーズが少ないのだと思います。ワタシも、滅多に全紙を使って書くということはありません。

 そこで、これは、中国製最高級ブランド「紅星牌」か、台湾製の上質手漉き紙で「無印」で売られているもののいずれかではないか、とにらみましたね。「紅星牌」は高価な上質紙で、日本では大体全紙サイズで一枚220円前後で市販されています。表示された大きさ700x1750mmも、紅星牌の特寸棉料に合致いたします。
 ではなぜ、商品名や会社名などが記されていないのか、それを探っても仕方ありません、もしかしたらバッタもん、かもしれませんが、それがオークションであります。

 いずれにせよ、中国製の製品・農産物には全く信頼がおけないのですが、書道紙だけは、偏見・嫌悪感は持ちません。紙質の安定性はやや欠くものの、書道の本場の歴史ある紙で、書きやすく長持ちするのです。そして、中国台湾製の紙には「仮名用」の紙が無いことが最大のメリットであります。ワタシは、漢字専門で練習していますから基本的に仮名書き用半紙は使いませんので。

 何の気なしに、6000円で入札して床に就いたところ、目覚めたら意外にも落札出来ました。税込みで4950円、額面通りなら26千円の全紙が8割引きで買えたという計算になりますね。

 以前から、半紙についてはネットで山ほど集めております。おそらく、2万枚はあろうかと。しかし、例えば毎日20枚書けば、7300枚ほど消費します。気に入らぬ半紙、質の悪いものを除けば、案外在庫は少なくなります。
 半紙の研究にかけては「範士級」のワタシです。いつまでも、ヤフオクで当たりはずれのある古い紙の調達を続けているのは沽券にかかわるので、ネットでお試しに少量販売、数種のお試しセットを取り寄せて、実際に書いてみて満足するものをまとめて買う、という至極合理的な調達法にシフトしました。

 せんだって、500枚の手漉き伊予半紙をネットで取り寄せました。そして、今回はその第二弾、手漉き高級半紙 「明星」であります。これは、ネットショップ「半紙屋さん」のお試しセットの中で、厳選手漉き半紙6種というのを試し書きして、最も発色が鮮やかで書き味が素晴らしいものを選んだものであります。こちらの会社は、愛媛県にあり「伊予半紙」の製造元のようです。  
個人的には、この伊予半紙が、平均的には最も書きやすい半紙であると思います。因州・石州・甲州などの和紙の中で、墨持ち・かすれ・滲みのバランスが取れていると思います。恐らく専門の書家さんは、他に推奨する半紙が有ろうと思いますが。

 1000枚で18480円、一枚18円の紙は半紙としてはかなりお高いのですが、いわゆる国内の職人さんが手漉きで製造しているものでは無いようです。和紙・書道紙を作る製紙会社がだんだん少なくなり、手練れの職人さんも少ないのです。手漉き和紙は、原料生産自体も減り今は製造量が少なく、非常に高価なんです。ワタシら中級者の技量では、その良さを生かすことが難しいのです、というより勿体無いんでありますな。一枚数百円もする高級な手漉き和紙の味わいを生かす技量のない中級者にとっては、実力以上に良い字が書ける、きれいに見える、という紙がベストなのです。

 さて、ヤフオクの全紙が定価260円、この半紙18円の大体15枚分の大きさですから、270円相当ということになりますね。ワタシの思惑通りならば、ほぼ同等の超高級書道紙が間もなく届くということになります。

 いずれも、ワタシにとっては高価なものなので、普段の練習用には用いません。まぁ、半紙は、せいぜい一日一枚限定でチビチビ書くということになるでしょうな。3年は持ちます。ヤフオクで落札した夥しい数の筆には、中古ながら、一本10万円もするような筆もあります。書道家が使うような良質高額ないい紙を清書のつもりで丁寧に書く。これが、書家になった気分にもなり、なんとも心地よく書け、また書の上達の秘訣でもあります。
 
とすれば、一枚18円は安いものです。






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農業カレンダーも大幅更改しないと

2020年09月10日 | 植物
 今日は、にんじんの種を撒こうと思います。秋撒きニンジンは、普通だったら8月中旬頃まででしょうか。でも、今年の暑さでは7,8月の暑さが今まで続いているので、ひと月位、秋の訪れが遅いのです。暑さに弱く発芽温度が低いニンジンにはいいタイミングではないかと思います。

 先日ジャガイモの種イモが店頭から消えていることに触れましたが、猛暑暖冬という傾向は地球温暖化の中で、恒久的ともいえる気候変動であると感じます。集中的な雨は、熱帯地方の「雨季」に近づき、ひと月も降らないというのは、アフリカなどの乾季に近似します。明らかに日本は熱帯・亜熱帯化しているのです。自ずと農業・ガーデニングもそういう環境の変化に呼応して変えていくべきではなかろうかとつくづく感じます。

 ここまで、数年順調であった観葉植物や樹木をだいぶ枯らしました。千種類以上で、400鉢以上の鉢植え、数千個体の植物を育てているので、いくらかダメになっても確率的には仕方ないと割り切るようにしています。「上級者向き」と言われる育てにくい植物もお構いなしに育てるので仕方ありません。
また、メダカに書道といろいろ手を出して、園芸に情熱を傾ける時間が少なくなっているのです。
 枯れたのは「ジョーイセルリア・シルクベリー・ブットレア・コーヒーの木」など10個ほどです。今年の長引いた梅雨の高温多雨、猛暑と乾燥などのいずれかによるものでしょう。今までの育て方、ネットなどで紹介される栽培方法が通用しなくなってるのですね。
 例えばハオルチア、夏は水を切る(水やりしない)と書かれています。暦の上ではとっくに秋、しかしほぼ真夏の暑さが続いています。いつまでも水を絶てば、いずれ枯れてしまうし、成長期に水やりしなければ生育不良になりますね。今を、気温や室温で夏と判断するのがいいのかどうか、悩みは深いのです。

 植物が枯れる原因の一番は、水切れ(乾燥)か過湿による根腐れであります。次に、高温あるいは、零下・凍結などによって枯れます。土中のウィルスや病原菌、根きり虫(ヨトウムシ・コガネムシの幼虫など)で、根をダメにするとやはり枯れてしまいます。
 これらは、いずれも季節や気候に深い関係性があります。別の見方をすると、日本固有の環境に適さない外来の熱帯性・寒冷地の植物は、その植物に適した環境づくりをしないと適応できずに枯れるということになります。枯れやすい(ひ弱な)植物は、ほとんどが高温多湿の日本風土に合わないか、非耐寒性植物であります。更に、実は日本在来の山野草も栽培が難しく枯れやすいものが多いのです。これも、土質や気温など個々の好む環境が違うことが原因ですが、温暖化も相当影響しているように思います。

 
 観葉・非耐寒性植物は、鉢植えにして温室や室内で育てるにも限界がありますね。虫が湧く、臭いがする、生長すれば場所をとるなどと、制約や周りからの苦情もあります。結論としては、地植えするか、増やさないことに尽きるのですが・・・・。

 そんな経験から、来年の菜園や果樹をどうするか熟慮中であります(笑)。とりあえず思いつくのは、スイカはひと月前倒し(屋上で作る)、シャインマスカットには、雨除けのビニールを被せる、じゃがいもは2月には植え付けする、耐寒性が弱い植物でも屋外(地植え)で冬越しさせる、などであります。

 農業も、徐々に増えてきた「ハウス栽培」や工場化を推し進めて、天候に左右されない経営が求められるでしょう。そうでなくても、一般の個人農家は、施肥・消毒を含めた植え付け・収穫の年間カレンダーを一から見直しする必要があるでしょうね。農家さんは、勉強して新たな環境に対応しないと追いつきませんよ。
 
 ネットで、無数にある園芸情報・栽培方法なども、他のHPなどのコピペが多用されておりますな。いつのまにか古い知識となって、段々実態から外れ、的外れになり有用な情報と言えなくなるのではないか、と余計な心配をしております。

 
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