帰国の騒動で、ずいぶん間が空いてしまいました~。日本に帰ってきちゃうと、アメリカに住んでいたことも、最後のアメリカの旅行もなんだか遠い昔のよう。がんばって思い出して書いてみます。
【第2章】モニュメントバレー ~フォレストガンプの軌跡とナバホ人~ です。
ナバホの人々
化石の森を後にし、モニュメントバレーに向かいます。この時点で、13時を回ってました。到着は早くても17時は過ぎそうです。日没近くのツアーに行けたらいいと思っていましたが、16:30閉園らしいので諦めてホテルに向かいます。ホテルは、モニュメントバレーから1時間程離れたブラフという町です。旅行を計画したのが1週間ほど前なんで、パーク内も近隣のカイエンタやメキシカンハットのホテルもいっぱいでした。
道すがら、下校時間に当たってしまったようで、スクールバス停車による一時停止の目にあいました。降りてくる子供たちの容姿からナバホの子だと分かります。
アメリカ先住民のナバホ族の祖先は、氷河期に北東アジアからシベリア、アラスカを通って、アメリカ大陸に入り、南下してきた説通り、肌の色や体系はアジアの系統に近く、妙に親近感が湧いてきます。
アメリカの小学校は、イースター休暇中でしたが、ナバホの人たちは、キリスト教じゃないからイースター休暇は関係ないんですね。見渡すところ家はすごーく遠そうです。家族全員と犬までも、バス停にお迎えに来ていたところもありました。
こんなところをガンガン走って、ホテルに着いたのは手元の時計で18時頃だったような。
この日のホテルはKokopeli Innというモーテルです。
ココペリとは精霊の名前で、ホテルの看板にあるような容姿で描かれます。ココペリが笛を吹くと雨が降って、作物が実るそうです。ありがたや~、ココペリ。名前もかわいくてすっかり気にってしまいました。
さあさあ、ごはんごはん。ここでもチョイスは、2軒だけ。Duks Steakhouseか、Cottonwood Steakhouse。後者を訪れました。
本日はステーキなり。
ところで、このプレースマットが素敵でしょ。ナバホの伝統工芸品だそうです。羊毛を糸にするところから、草木で染めて織った手間のかかる作品で、それはそれは見事です。
私も、似たようなのを買いました。セドナで。私のはナバホの人の作品ではないのですが。だって、ナバホのは高額すぎて、手が出なくて。
上のレストランに写っているマットと比べると貧弱に見える(涙)
映画のロケ地
次の朝、モニュメントバレーを訪れました。もうすぐ到着する手前に、かの有名な映画の撮影スポットが現れました!
なんの映画でしょうか?
・・・・・
そうでーす。フォレストガンプです。ガンプが走りに走って、はたと走るのをやめたところ。
みんな、道路の真ん中に出て写真撮りまくり。危ないよ~
飛び込みでツアーを予約
さて、モニュメントバレーに到着しました。ここは、ナバホの人々が管理する公園なので、ナショナルパークパスは使えませんよ。入場料は$20でした。有効期限は1日だけ。昨日の夕方訪れてなくて内心ほっとしたわ。ナショナルパークは、1週間有効だからその感覚だったよね。
まずはツアー申し込みだ!辺りを見回すと、駐車場の一角に、ツアー受付と思われる小屋を発見。ガイドブックによると、日の低い、朝一か日没時が良いとあるので、最終時間の17時を予約しました。
ツアーでないと行けないところがあるので、せっかく来たのなら、ツアーに参加するべしってことで、2時間半のコースにしました。一人$85、と聞こえたんだけど、合計金額を見ると$190となっていて、3人なのになんか安いわ~、子供は割引してくれたのかな?ま、相場通りなんでいいや、と黙っておきました。カードで払おうとすると、現金のみと言われる。えー、現金商売なのかー。こっちはカード社会のしもべなんで、190ドルも持ち合わせがあるはずもなく、とりあえず、前金を少し入れて、予約完了!残りは、パーク内のATMでおろしました。すると、時間間違えないでね、とiPhoneの時間を見せられる。ナバホネイションでは夏時間を採用しているので、アリゾナ時間+1時間なのです。まんまとアリゾナ時間のままだったよ。面倒だな、夏時間。
バレードライブを走ってみる
ツアー予約でほっとして、初めの一枚はこれ。
この光景、旅行パンフでよく見るね。この時点で11時。ツアーまで6時間もある(笑)
ツアーで行くかもしれないけど、自分たちでもドライブしてみっか、ということになりました。
写真の中央にある道わかりますか?ここを通って行きます。バレードライブというそうです。
ギフトショップをザーッと見て、サンドイッチを買ってしゅっぱーつ。17マイル(27km)の未舗装道路を行きます。ガタガタです。ゆっくりしか走れないので、往復1時間以上かかります。
結果的には、ここはツアーでは訪れなかったんで、行ってよかったです~
結構高いところに岩がつきだしててスリル満点だったよ。
バレードライブから戻って、お土産を物色。いろいろ買いました~
17時からのツアーだと、戻ると19時半。夕飯は先に済ませたいね、ということでレストランに行ってみましたが、ディナーは17時オープンとのこと。うー。ただ、サラダバーはやっていたので、サラダとスープを食べることに。野菜は新鮮だし、スープも美味!
いよいよツアー開始!
そんなこんなで、あっという間にに6時間は経ち、ツアーの時間になりました。ツアーは、10人くらい乗れるオープンカーで 、砂ぼこりを浴びながら行くものと思っていたら、バンとどっちがいい?と聞かれ、バンを選びました。都会派だねと言われましたが、窓ありがいいです~。しかも、その時間の客は私たちだけ!わーい貸し切り♫
ところで、Back To The Futuer Ⅲの舞台はモニュメントバレーが使われたそうですが、ガイドのダニエルは、馬に乗って出演したとのこと。さっそくチェックじゃ!
ダ、ダニエルはどこなの?そもそもこの中にいるのかね~
貸し切りのツアーは素晴らしく、岩の名前なんかどうせ後から観光用につけたんでしょ~?!なんて斜に構えていたけど、いろいろ説明してもらったおかげか、各々の岩に愛着が持てました。
しばらく、一般車進入禁止のところを走って、ホーガンのある所に連れて来られました。
ホーガンとは、ナバホ人の家で、木枠の上に土を盛りつけて作るそうです。
ガイドのダニエルの実家はホーガン建築家なんだって。修理しつつだと思いますが、100年位は耐えるとのこと。写真手前が男性用、後ろの丸みをおびたのが女性用なんだって。
今は、ホーガンに住む人は減ったというものの、それでもこの伝統的な家に暮らす人は大勢いるとのことでした。
このホーガンは、観光用のようですが、目の前にはこんな岩がそびえ立っていました。広大な大地に居座る存在感がすごい。朝起きて、こんな岩を見たら、なんだか拝みたくなっちゃうよ。
ホーガンの中も見学させてもらいました。女性が一人座っていて、事前に教えてもらったナバホの言葉で挨拶します。(もう忘れた~)羊の毛から毛糸にするまでのデモをしてくれたり、織物の説明をしてくれたり、最後にはしっかりチップも催促されました。想定外の見学で、小銭を使い果たしたのであった。。。
ナバホネイションでは、飲酒が禁止なのだけど、ダニエルに飲まないのか聞いたら、ナバホネイションから離れていたときは飲んだけど今は飲まないと言ってました。昔はナバホの人もビールに似たようなものを作って飲んでいたらしいのですが、最近になって禁酒の法律ができたということでした。多くのアメリカ先住民が絶滅させられる中、ナバホの人々は、法律や学校、警察に至るまで自治をすることで仕事を作って、部族存続に成功したようですが、基本的には貧しいナバホの人たち。これまで、酒やドラッグにおぼれる若者が多くなってしまった事実が背景にあるようです。
バレーツアーにもいくつか観光ポイントがあって、都度止まってくれました。それぞれ名前がありましたが、今となっては...
風と雨にあたって、このような形に。
かたやこんな絶壁もあったり。
人生初のパノラマ縦使い。迫力ありました~
何万年か前のお絵かき
ド迫力のアナ
夕方、日が低くなり、光と影が岩にあたって、より立体的に見えました。昼間は影がなく、光も強いので、のっぺりした印象があります。早朝と日没前がおすすめなのはこのためですね。
帰り道、10人乗りオープンカー運転してきたを奥さんと遭遇し、運転交代。奥さんは、受付をしてくれた人でした。夫婦でガイドやってるんだね~。ひーくんと同じくらいの孫もいるグランマ&グランパのガイドさんでした。
モニュメントバレーには、300人位の人々が暮らしているそうです。国立公園内は、発掘禁止なため、地下水を掘ることもできないとのこと。そのため、水はトラックが運んでくるのだそうです。不便なのは承知の上、他の地に移らないのは、親族もこのあたりに住んでるし、祖先代々の土地だからだと言っていました。ここに暮らす人のほとんどは、園内にあるホテルを始め、観光業に携わり、それなりに収入もあると感じました。ガイドさんのお嬢さんも、ホテルで働いていて、スーパーバイザーだと言っていました。
時間もオーバーしているのに、奥さんに勧められて。水たまりに写しての撮影。
日没時のベストフォトスポットは
ツアーから戻ってきたら、19:45を過ぎていました。たくさんサービスしてくれたみたいです!ありがとう~。そして、ちょうど日が落ちようとしています。夕日を眺めている人もたくさんいますが、なぜか日が落ちる方とは反対方向にカメラを向けている人が大勢。
なるほど。皆さんこんなのを狙っていたのですね。夫も右に習えでiPadでパシャリ。空の色が幻想的。本格的はカメラマンたちは三脚を立てて、イスに座ってましたから、きっとすごい写真が撮れていることでしょう。
ブラフ(Bluff)の町に戻ってみると、ナバホ時間と同じじゃ~ 目当ての店は営業終了。。。ホテルの隣のコンビニで、冷凍野菜とハム購入。持ってきたカップ麺と酒でしのいだ夜。
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