西欧には「大国は半睡状態にしておけ」という伝統的な考えがある。
その大国とはもちろんロシアだ。
ソ連邦崩壊後しばらく眠っていた「白熊」が突然暴れ始めた。
山本七平に言わせると、
大国には大国の弱点がある。それは「自給自足的な半睡状態」に絶えず落ち込もうとする傾向があり、同時にこれへの抵抗がある。文化大革命もその一つであろう。そして半睡状態を助長してやることこそ小国の安全だ、ということは、ヨーロッパ大陸にとっては一種の本能でもあった。
おそらく今回のロシアによるウクライナ侵攻が一段落した段階を想像してみると、
ロシアはある程度の戦果を得るだろうが、世界の主要な国からつまはじきにされ、結果的に自給自足経済に入らざるを得ない。
暫く「半睡状態」に陥るだろう。
一方アジアでは中国が微妙な時期にある。
清の末期には「眠れる獅子」と称されて「半睡状態」に陥っていたのだが、人の良い日本(半分くらい贖罪意識もあって)とアメリカの援助をてこにいまや堂々たる世界第二の大国になった。
しかし「目を覚ました獅子」は周りの諸国を睥睨し始めた(隙あらば襲おうとする)
アメリカや日本を中心に警戒感が広まっている。
そんなさなかに中国ではコロナの蔓延防止対策として「コロナゼロ作戦」を展開。
まさに「自給自足経済」を目指しているのか?
単なる「午睡」(ひるね)に終わるのか、あるいは「半睡状態」に陥るのか、目が離せない。
暫く「半睡状態」でいて欲しいものだ。
「牙を剥いた獅子」にはなって欲しくないものである。