ロシアによるウクライナ侵略を見て、台湾有事に備えて日本も軍備増強すべしという議論が盛んだ。
しかし概して「火事場泥棒的軍備増強論」のたぐいが多い。
冷静に中国の腹の内を読んだ議論が少ないのは、我が国の宿痾か。
中国(特に漢民族)は周りの異民族から攻められた歴史が骨身に染みついているようだ。
なかでも、随(北方民族)、元(モンゴル)、清(女真族)などは異民族である。
現在の中華人民共和国も自力で勝ち取ったというより、日本が勝手に戦線拡大して自滅したせいで棚ぼた的に政権を手に入れたのだ。
その意味で中国には臆病な気持ちが心の底にある。
だから「勝てない戦争は絶対にしない」
必ず勝てる時というのは、経済でアメリカを追い越した時と考えている。
恐らく10年後くらいをターゲットにしているはずだ。
軍事力というのは経済力が増大すれば自然についてくる。
それに気が付いたアメリカは猛然と中国たたきを始めたわけだ。
勝敗の帰趨を決めるのは「半導体産業」だろう。
台湾のTSMCは中国も喉から手が出るほど欲しい。
しかし台湾はもとよりアメリカもそうはさせないだろう。
日本は「核保有論」だ、「敵基地攻撃論」だと大騒ぎする前に半導体産業に技術力向上に資金を投入すべきだ。
アメリカから高い兵器など買い求めるなど視点がずれている。
中国の弱みは何かを研究して、その分野の能力を高めるべきだ。