他国の意向など無視して戦争の出来る国は、アメリカ・ロシア・中国の三か国だ。
先ず国土が広大だ。それと食糧もエネルギーも自国で賄える。
一方、日本は島国だから海が防波堤になっている。
もう一つ有利な点は諸刃の剣になる可能性があるが日米軍事同盟があることか。
しかし見落としてはいけないことは、日本を取り巻く中国・北朝鮮・ロシアは核とミサイルを保有しているということだ。
それと日本海側に原発が林立している。そしてわが国のミサイル防衛網はなんとも頼りない。
わが国を取り巻くこのような状況を睨めばとても戦争など出来ない。
専守防衛は必要不可欠だが、「敵基地攻撃」などすれば全面戦争の危険が大だ。
東大名誉教授樋口陽一さんの意見は大いに参考になる。(朝日新聞、5月3日)
集団的自衛権の行使を掲げ、さらには敵基地攻撃の意思と能力を明瞭にすればするほど、日本列島にとって戦禍のリスクは高まるのではないでしょうか。9条があったからこそ、戦後の日本がアジアの諸国に与える脅威を著しく減らし、相互軍拡競争の破局に陥ることをともかくも抑止してきた、ということは客観的な事実として知っておくべきです。
そして次のように語る。
危機が叫ばれるからこそ、今の時代にも、日本が置かれている地政学的な弱点を逆手に取る構想力が求められています。例えば、歴史家の加藤陽子さんが朝日新聞のインタビューで「対立する中国と米国の間に3千キロの長さにわたって位置していることは、両国の平和にとっても大きな意味があるはずです」と答えています。こうした在野の構想力が必要です。
私はこの考え方に全面的に賛成だ。
世界のほとんどの国が「専守防衛」なのだ。
(敵に攻撃されたときに自国の国境線および領土で戦う戦闘)
いま議論されているのは、敵に攻撃されたときに敵の領土でも戦う戦闘。
力を誇示したいタイプは「専守防衛」をあざ笑うが、いざ事が起きると真っ先に戦闘地域からいなくなるのがこのタイプだ。
「喧嘩が強い犬は吠えない」
「負け犬の遠吠え」ばかりが目立つ今日この頃である。