組合員約700万人の連合に初の女性リーダーが誕生した。
芳野友子新会長は中小製造業を中心とする「モノづくり産業労働組合」(JAM)の出身。
大企業労組出身の男性が牽引してきた組織は転換点を迎える。
連合はこのまま衰退するのか、それとも労働者のための組織に変貌できるか?
大企業労組の出身者が連合を仕切ってきたのだが、労使協調路線(というよりは御用組合化)に走った結果、この国は30年間賃金の伸びない国になってしまった。
労働者の非正規雇用化を拱手傍観した連合の罪は大きい。
連合は大きく分けると、
①大企業中心の産業別組合②中小企業中心の産業別組合③官公労系の組合からなる。
しかし労働者の非正規雇用化で組合組織に加入できない労働者が急増し、この分野が取り残されている。
この流れが改善されなければ、連合の衰退に歯止めはかからないだろう。
大企業中心の自動車総連、電機連合、電力総連は自助の道を進むだろう。
要するに労働運動に頼らずとも労働者の雇用は守られている。
経営者と一体となって連合から離れる遠心力が働く。
彼らが中心にいる限り労働者全体の底上げへの道のりは遠い。
中小企業産別出身でしかも女性が代表になったこれからの連合は新しい道を進むべきだ。
芳野代表は次のように呼びかけた。
「ジェンダー平等と多様性に満ちた安心社会の構築に向けて頑張ろう」
今年8月時点で非正規2060万人のうち、半数以上の1400万人が女性。
正社員を含めて賃金は男性の約74%にとどまる。
その言や良し。
しかし道のりは厳しい。
「ガラスの天井」を名実ともに打ち破り新しい連合の形を見せてほしいものである。