30年以上押し入れの衣装ケースの中で眠っていた浴衣の反物。
表面に黄色い点々とした染みが浮き出て、「コレはもう、なにかリメイクに使うしかないかも」と思っていた。
検索してみると「浴衣の染みは酸素系漂白剤で綺麗になる」とある。
そうか、この際洗ってみるか!と洗ってみると…なんと見事に綺麗になった。
生乾きのうちにピシッとアイロンをかけてまた巻き直した。
それにしてもこの柄はなんだろう?誰が誰からもらったものか?はたまた買ったものなのか?すら分からない。
でも、洗う前に中にとじ付けられていたラベルは、浴衣地の銘ブランド「竺仙」さんのものだ。江戸明治から続く超老舗だ。
周りの物知りに聞いてみても分からないので、ええい!この際「竺仙」さんに聞いてみよう。古すぎて分からないかなー?と思いながらも会社のメールアドレスに写真を送ってみる。すると…その日のうちに即答が返ってきた。
以下、返信。
お問い合わせの件でご連絡申し上げました。反物の柄名は歌舞伎役者の坂東玉三郎様のオリジナル反物でございます。以前弊社で制作しておりましたお品物でございます。
三本と六本で格子を表しており判じ物となっております。玉三郎の三で三本線、郎は六を意味し、六本線の格子柄の中に玉と入れて「玉三郎格子柄」でございます。貴重なお品物、折角ですのでお誂え頂ければ幸いでございます。
なんと〜
そうだったのか。
コレは誂えねばならない!
竺仙さんは、お仕立ても承ってらっしゃるそうだ。ドキドキだけど是非お願いしちゃおう
呉服屋さんに行って、採寸してもらって、仕立てるなんて人生で2度目だけど、最初の時は20代の頃、もはや40年も前だ。
予約した日は、奇しくも私の誕生日だった。自分で自分にプレゼント。季節的に考えて、着るのは来年になるだうけど、こんなふうに心躍るのは、この歳になると、滅多にないな。