「着きました」
と、メールを打つと、私はフゥと壁に寄りかかった。
ヤバイ。倒れそうだ。
空腹で。
今日はアイアンとお茶する日だ。
あれから一度も会っていない。
でもメールだけは毎日のようにしていて、彼はどうでもいい話を沢山していた。
何度か俺のオフィスに遊びに来てよと誘われた。
正確には、オフィスがあるビルに、だ。
「地下にジムとシャワールームがあって、無料で使えるのよ。
君とシャワールームに一緒に入りたいな♡
どう?」
「やだ」
というやりとりを数回した(笑)
アイアンは一向に怒らないし、諦めなかった(笑)
というわけで、今日はシャワールーム……
じゃない、カフェでお茶する運びとなった。
指定されたカフェのウィンドウを覗き込み、私はため息をついた。
あぁ、来るまで1時間以上歩いたのが効いた……
イヤ、だってあたし相当食ったのよ、朝ごはん。
甘党のラーラにつられて、ケーキにアイスを乗っけて食べたのは、私です。
そしてそのカロリーを消費するために、ラーラとのデートからここまで、歩いて来たのだ。
(気持ちだけ)げっそりした顔で大通りを振り返ると、
交差点でアイアンがニコニコと手を振っているのが見えた。
信号が変わると、アイアンはその長い脚で駆けてきた。
可愛い。(笑)
そう、アイアンはいちいち可愛げがある。
「ハーイ、メイサ!元気?待たせてごめんねごめんね!」
「ハイ、アイアン……大丈夫よ……」
「あっこれハイ!君にプレゼント!
見た目は札束だけど違うよ!ハハ!」
と言ってアイアンは、封筒を差し出した。
何の変哲も無いそれには、“お家で開けてね♡”と書いてあった。
「俺の字汚いからあんまり見ないで!へへ!
で、どう?今日は元気?」
「うん……たぶん……」
「えっどうしたの?!大丈夫?超元気なさそうだけど?!」
「だ、だいじょうぶ……」
私はクラクラする頭を支えながら答えた。
「ちょっと……お腹、空いてるだけ……」
「食べなよ食べなよ!とりあえずここ入ろ?何か買ってあげるよ!」
と促され、カフェに入店したものの、
ショウケースの中にはこれといったものがない。
私が決めあぐねていると、アイアンは、他の店にする?と聞いてくれた。
「それともどこかレストランの方がいいの?大丈夫?
お昼食べてないの?」
「食べてないけど、カフェでいいと思う……」
「オッケーじゃぁ出よう。確かそこにもっと良いカフェがあったと思うよ!」
と、アイアンは私を別のカフェに案内してくれた。
クールなその店は、一階は大いに混んでいたけど
アイアンに呼ばれるままに地下に降りると、狭いそこには
1組しか先客がなかった。
「あぁ……」
と、ソファ席に倒れこむと、アイアンは目を見開いた。
「大丈夫?本当に!君、今日はすっごく弱々しく見えるけど!?」
「大丈夫よ……本当に……ただお腹減ってるだけ……」
「早く注文した方がいいよ!何にする!?」
差し出されたメニューおを見て、とりあえずアサイボウルとラテを頼んだ。
アサイボウル?って何?とアイアンは首を傾げていた。
私がすぐにまたグッタリしていると、アイアンが言った。
「メイサ、俺のプレゼント開けなよ」
「え?なんで。家で開けるんじゃないの」
「いいからいいから。お金じゃないけど(笑)」
「いやそれ聞いたわよ」
ピリピリと封を開けると、そこには…………
「チョ、チョコレートだ!!!!」
「そうだよん。メイサ、チョコ好きって言ってたでしょ?ハハ!」
板チョコだ。しかも、私の好きなビターチョコレート。
たしかに、メールしているときに、ビターチョコが好きだと言った。
そして、覚えておくよと彼も言った。
アイアンは自慢げだ。
「俺サプライズ好きなの♡」
「食べていい!?」
「勿論!食べて食べて」
パキッと綺麗な音を立てて作ったカケラは、
舌の上で超〜〜〜いい感じにとろけた。
ググーン!と意識がハッキリするのを感じた。
「美味しい!美味しい!」
「ハハハ!喜んでくれてよかったよ!」
「ありがとうアイアン〜!あなた私を救ったわ!!」
と、彼のほっぺにキスした。
大サービスだったけど、
アイアンは、どうもどうも、と特別感動もせず答えた。
アサイボウルを食べていると、アイアンは珍しそうにそれを見ていた。
この国では結構見かけるけど、この人アサイボウル知らないのかしら。
やっと回復した私は、改めて彼を見つめた。
2人してソファに横並びで座ったので、マジマジと見るチャンスがなかったのだ。
ちっちゃい頭と、モジャモジャのヒゲ。
どう見てもハンサムなんだけど、たしかに鼻が大きい。
でも私、そこが好きなんだよね。
私はおもむろに彼の鼻を触り、いい子いい子し始めた。
アイアンは叫んだ。
「ちょっなんで俺の鼻で遊んでんの!?」
「え、なんで?何か問題ある?(笑)」
アイアンはパッと私の手を払い、私の顔に手を伸ばした。
そして鼻をつまんだ。
彼と比べると相当低いそれをつまむのは、大変そうだ。(泣いてないやい!)
「こーやって鼻をゴシゴシされてるんだぜ。いいのかよ?」
「ちょっやめてよ。私とあんたじゃ鼻の大きさが違うじゃんか」
と手を払うと、フーン、とアイアンは唸った。
続きます!
と、メールを打つと、私はフゥと壁に寄りかかった。
ヤバイ。倒れそうだ。
空腹で。
今日はアイアンとお茶する日だ。
あれから一度も会っていない。
でもメールだけは毎日のようにしていて、彼はどうでもいい話を沢山していた。
何度か俺のオフィスに遊びに来てよと誘われた。
正確には、オフィスがあるビルに、だ。
「地下にジムとシャワールームがあって、無料で使えるのよ。
君とシャワールームに一緒に入りたいな♡
どう?」
「やだ」
というやりとりを数回した(笑)
アイアンは一向に怒らないし、諦めなかった(笑)
というわけで、今日はシャワールーム……
じゃない、カフェでお茶する運びとなった。
指定されたカフェのウィンドウを覗き込み、私はため息をついた。
あぁ、来るまで1時間以上歩いたのが効いた……
イヤ、だってあたし相当食ったのよ、朝ごはん。
甘党のラーラにつられて、ケーキにアイスを乗っけて食べたのは、私です。
そしてそのカロリーを消費するために、ラーラとのデートからここまで、歩いて来たのだ。
(気持ちだけ)げっそりした顔で大通りを振り返ると、
交差点でアイアンがニコニコと手を振っているのが見えた。
信号が変わると、アイアンはその長い脚で駆けてきた。
可愛い。(笑)
そう、アイアンはいちいち可愛げがある。
「ハーイ、メイサ!元気?待たせてごめんねごめんね!」
「ハイ、アイアン……大丈夫よ……」
「あっこれハイ!君にプレゼント!
見た目は札束だけど違うよ!ハハ!」
と言ってアイアンは、封筒を差し出した。
何の変哲も無いそれには、“お家で開けてね♡”と書いてあった。
「俺の字汚いからあんまり見ないで!へへ!
で、どう?今日は元気?」
「うん……たぶん……」
「えっどうしたの?!大丈夫?超元気なさそうだけど?!」
「だ、だいじょうぶ……」
私はクラクラする頭を支えながら答えた。
「ちょっと……お腹、空いてるだけ……」
「食べなよ食べなよ!とりあえずここ入ろ?何か買ってあげるよ!」
と促され、カフェに入店したものの、
ショウケースの中にはこれといったものがない。
私が決めあぐねていると、アイアンは、他の店にする?と聞いてくれた。
「それともどこかレストランの方がいいの?大丈夫?
お昼食べてないの?」
「食べてないけど、カフェでいいと思う……」
「オッケーじゃぁ出よう。確かそこにもっと良いカフェがあったと思うよ!」
と、アイアンは私を別のカフェに案内してくれた。
クールなその店は、一階は大いに混んでいたけど
アイアンに呼ばれるままに地下に降りると、狭いそこには
1組しか先客がなかった。
「あぁ……」
と、ソファ席に倒れこむと、アイアンは目を見開いた。
「大丈夫?本当に!君、今日はすっごく弱々しく見えるけど!?」
「大丈夫よ……本当に……ただお腹減ってるだけ……」
「早く注文した方がいいよ!何にする!?」
差し出されたメニューおを見て、とりあえずアサイボウルとラテを頼んだ。
アサイボウル?って何?とアイアンは首を傾げていた。
私がすぐにまたグッタリしていると、アイアンが言った。
「メイサ、俺のプレゼント開けなよ」
「え?なんで。家で開けるんじゃないの」
「いいからいいから。お金じゃないけど(笑)」
「いやそれ聞いたわよ」
ピリピリと封を開けると、そこには…………
「チョ、チョコレートだ!!!!」
「そうだよん。メイサ、チョコ好きって言ってたでしょ?ハハ!」
板チョコだ。しかも、私の好きなビターチョコレート。
たしかに、メールしているときに、ビターチョコが好きだと言った。
そして、覚えておくよと彼も言った。
アイアンは自慢げだ。
「俺サプライズ好きなの♡」
「食べていい!?」
「勿論!食べて食べて」
パキッと綺麗な音を立てて作ったカケラは、
舌の上で超〜〜〜いい感じにとろけた。
ググーン!と意識がハッキリするのを感じた。
「美味しい!美味しい!」
「ハハハ!喜んでくれてよかったよ!」
「ありがとうアイアン〜!あなた私を救ったわ!!」
と、彼のほっぺにキスした。
大サービスだったけど、
アイアンは、どうもどうも、と特別感動もせず答えた。
アサイボウルを食べていると、アイアンは珍しそうにそれを見ていた。
この国では結構見かけるけど、この人アサイボウル知らないのかしら。
やっと回復した私は、改めて彼を見つめた。
2人してソファに横並びで座ったので、マジマジと見るチャンスがなかったのだ。
ちっちゃい頭と、モジャモジャのヒゲ。
どう見てもハンサムなんだけど、たしかに鼻が大きい。
でも私、そこが好きなんだよね。
私はおもむろに彼の鼻を触り、いい子いい子し始めた。
アイアンは叫んだ。
「ちょっなんで俺の鼻で遊んでんの!?」
「え、なんで?何か問題ある?(笑)」
アイアンはパッと私の手を払い、私の顔に手を伸ばした。
そして鼻をつまんだ。
彼と比べると相当低いそれをつまむのは、大変そうだ。(泣いてないやい!)
「こーやって鼻をゴシゴシされてるんだぜ。いいのかよ?」
「ちょっやめてよ。私とあんたじゃ鼻の大きさが違うじゃんか」
と手を払うと、フーン、とアイアンは唸った。
続きます!
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