(1950年)金閣寺放火事件
これは、動機を理解するのが実に難しい事件だ。
作家の三島由紀夫や水上勉が作品という形態で事件の真相・犯人の心理に迫ろうとしたが(三島は『金閣寺』・水上は『五番町夕霧楼』)、犯人は服役後に統合失調症を発したらしく、そこから推測するに、もしかすると事件を起こした時点で既にその兆候が現れていたのではないか、とも言われている。
病気でなかったにせよ、では、それで何を訴えたかったのか、僕にはいまいち分からない。
少なくとも、一般的な放火事件にありがちな愉快犯の範疇には収まらないとは思うが……。
永遠の謎だ。