(1968年)三億円事件発生
当時の三億円は、今で言えばその十倍以上の貨幣価値に匹敵する正に大金。
ただ、何百億・何千億という数字が当たり前のように飛び交ったバブルの時代を経験して以降は、大して驚く程の金額に思えなくなってしまったのが、ある意味恐ろしい……。
事件の象徴のように紹介されるのが、あの有名な白黒のモンタージュ写真。
あれは、事件発生から遡ること約一年前に事故死した19歳の少年の顔写真を遺族に無断で加工使用したもので、全くの別人。
本来なら、過去を振り返るテレビ番組では、目線を入れたりモザイク処理した上で紹介せねばならないものだが、そこまで気を遣っている局は殆んど無い(たまに見掛ける程度)。
プライバシー侵害も甚だしいし、誤った認識を世間に広めたという意味でそれを作成した警察の罪も大きい。
結局本件は時効となり、今も真相は明らかになってないが、このモンタージュ写真の流布が、犯人逮捕のきっかけを奪うひとつの要因になったとも考えられる。
あの顔が人々の脳裏に刷り込まれた為、正確な目撃情報が集まらなくなってしまったのではないか?