(1977年)キャンディーズが突然の解散宣言
ツアー初日、日比谷野音でのライブ終盤、関係各位への事前通知がないままに決行された正真正銘のサプライズ。
有名な『普通の女の子に戻りたい』はこの時の台詞。
解散の意思は、その前年の時点で既に所属するナベプロ側には伝えられていて、このライブ直前まで両者の間で幾度となく話し合いが行われていたことが後に明らかとなるが、超売れっ子の所属タレントを易々と事務所が手放す筈もなく、結論は先送りにされていた。
そして迎えたこの日、遂に三人は誰にも邪魔されないステージの上で、前代未聞の実力行使に踏み切ったのである。
よく「人気絶頂の中解散を宣言した」と言われるが、それは正確ではなく、この「事件」をきっかけにファンの支持がより加速していき、翌年4月4日の後楽園球場でのファイナルカーニバルで頂点に達したというのが正しい。
1975年リリース『年下の男の子』のブレイク以降トップアイドルであったことは事実だが、今日でも熱く語られる程の伝説のアイドルにまで上り詰めたのは、野音での宣言に始まる一連の解散劇があったからである。
アイドルのいわば「人間宣言」は、当時の常識に照らすと、それくらいショッキングな出来事だったのだ。