川瀬有希の時の旅


「今日は何の日」と題し、過去のその日に起こった出来事を、自由気ままに語るブログです。

12月12日/ 今日は何の日

2012-12-12 00:15:00 | 忌日

(2002年)笠原和夫死去

脚本家。
手掛けた作品では『仁義なき戦い』シリーズが一番有名だろうが、個人的には何と言っても『二百三高地』(1980年公開)。
常人には真似出来ぬ程の圧倒的な取材を敢行、そして出来上がったのが、異様にリアルなあの映画だった。
笠原の脚本あってこそあの見事な作品は生まれた。
日本の戦争映画にありがちな、後世の価値観的台詞で埋め尽さなかった手法が成功の理由だろう。
だからこそ、あおい輝彦演じる小賀中隊長が、参謀の面々に向かい涙ながらに訴えるシーンが胸に迫る(唯一自らの思いを託したのがあのシーンだった)。

ただ、次の『大日本帝国』(1982年公開)ではややブレーキが緩み、思想が過剰に表出したきらいを感じるが、それは、自身が海軍に志願した経験の持ち主であることが深く関わっていると思われる。
あの絶望的な時代を生きた者に客観的になれというのが無理な話で、その点を批判するつもりはない。


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