めるつばうのおもうこと

めるつはミーム機械としてばうを目指します。

予期される未来

2008-02-11 09:39:57 | book
テッド・チャン。SFマガジンに掲載されていた掌編。
が、しかし掌編と呼ぶには圧倒的だ。

人というもの。アメリカに代表される自由というもの。
自由意志というものは本当にあるのか?
多世界解釈においてですら、実は分岐もそのベビーユニバースも
予定され決定されたものであるかもしれない。

自由意志という、金科玉条。一般的にはだれでもが”自分の意志で決めている”
という。はたしてそうだろうか。
わたしはわたし自身を含めてそれはかなりの部分幻想だと思っている。
幻想というよりそう教育され、そうでなければとっても怖いからだ。
それを見てはいけない、気がついてはいけない。
死と同等。わたしは死にむかって邁進している身である事。
わたしには自由意志など存在しないこと。

それを堂々と、しかも簡単な仕掛けで見せてしまうテッド・チャン。
とても怖い。
しかも、このオチ。その世界もその予言も予定調和でしかないという。
そうしたら、わたしはどこへいったらいいのだろう。
そう、やっぱりわたしは被創造物のメルツなのだ。


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2 コメント

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Unknown (manimani)
2008-02-11 10:52:30
ネタとしても決して新しくなく、仕掛けもすごい単純なのに、そこになお強烈な幻惑を仕込めるんだからテッド君はすごいですね。
自由意志ということについては、そろそろ科学的な考え方で説明が出てくるといいですよね。いまは単なるイデオロギーですからね。
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自由意志 (めるつばう)
2008-02-12 10:11:50
科学的な考え方はありそうな気がしますね。
ただ、過激になりそうなので控えているのかな?

量子脳の考えってもしかして自由意志に対する
ひとつの狭義な解答かなとも思います。
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