今回の内陸部液状化現象について、NHKがニュースで解説していました。
そこで流された映像の一部が見出し写真です。
その同じ場所をグーグルマップで俯瞰して探したところ、
札幌市清田区里塚1条2丁目(下写真)辺りが同じ位置のようです。
その辺りを「今昔マップ(埼玉大学教育学部)」から、
新旧(大正5年)の地形図で比較(下写真)してみると、
三里川の沢の傾斜に合わせて、道路が開削されたことがわかります。
ちなみに、旧地名は「三里塚」で、札幌の中心から3里を示す塚があったことで名付けられました。
アイヌ語地名では、何と呼んでいたのでしょうか?
さて、NHKニュースの解説には、
現地は沢を火山灰の盛り土で埋めた造成地で、
昭和43年と平成15年の2回の十勝沖地震でも液状化の被害が起きたということです。
液状化は緩い地盤が揺さぶられて地下水と砂や泥が吹き出す現象です。
NHKが現地で取材した道路が陥没したり家が傾いたりした映像を見て、
関東学院大学学長で、液状化に詳しい規矩教授は、
「地下水が流れ出し、盛り土が崩れて家が傾くなど、液状化の特徴を示している。
今回の地震の揺れが大きかったことで、広い範囲に水と土砂が流れ出し、
道路が至るところで陥没する激しい液状化が起きたと見られる」
と分析しました。
札幌市清田区に実家があるという人から、たまたま話を伺いました。
ニュースされるたびに、清田区が壊滅したように誤解される報道がされているけれど、
ほとんどは「丘」の部分が多く、大きな被害は主に「沢」の部分に限られている。
地元で古くから住んでいる人の間では、都市伝説のような話の言い伝えがあり、
越冬した雪が消えていないところに盛土をして造成した、というもので、
地震のたびに液状化現象があらわれるらしい。
地震列島といわれる「日本」にあって、自然災害を減災するためにも、
今住んでいるところがどういう開発の歴史を持っているのか、
それを知る手がかりのひとつが「字地名」だといわれています。
今は散歩をしながら、字地名と古い地形図、
盛土か切土か、擁壁構造などを見て、危険個所の目星をつけて歩いています。
だからといって、メタ坊自身、
フィールドワークで目の当たりにした粗悪な造成は「ここです!」という、
勇気を持ち合わせていません。
横浜は、落ち込む税収の中で、ブランド戦略というイメージづくりに躍起となっています。
また、開発を容易にするため、建築審査は民間がやっていて、責任はあいまいです。
その経費にあてるため、地味な都市基盤のメンテナンスにあてる予算は削る一方のようです。
横浜と千葉を行き来するたびに、その違いを強く感じます。
定期的に行われる土木工事に「無駄な金を使っている」といってきたツケを、
関東大震災級の地震に見舞われた時に身を持って払うことになると思うと、
籠城覚悟で備えに徹しようと準備しているところです。
昔は水が豊かで田が多かったのでしょう。
全区がそうというわけではありませんが、
田圃や川だった部分を埋め立てたから、
内陸部でも液状化が現れたと思います。
横浜の丘陵地でも、谷戸を埋め立てたところとか、
凹凸のある地域の凸部分を削って凹部分を埋めているところがあります。
こういうところの地盤も心配ですね。
停電以外は、なんの被害もなかったとお聞きました。
やはり、ニュースで地盤沈下した東区も、
昔は人が住んでおらず、
もと川とか湿地だったと話していました。