198万PV達成!漫画史研究家・本間正幸監修【少年画報大全】(少年画報社・現在三刷)更新復活

【20世紀冒険活劇の少年世界】メトロポリス漫画総合研究所(since1997)から、昭和の映画、出版美術、音楽を!

『まんだらけZENBU53 』最新号!!

2011-12-19 00:50:08 | 「まんだらけZENBU」最新号の紹介と大オークション
前回の【関口宏の昭和青春グラフィティ】は、

「昭和のマンガ~子どもから青年そして大人へ僕らの傍にはいつもマンガがあった」


【ゲスト】藤子不二雄A・タケカワユキヒデ


だった。
番組を見て、改めて誰でも簡単に判る日本の漫画史資料の公開の必要性を痛感した。
その二日前、先週の日曜日には、のらくろ館のある東京都江東区森下文化センターで、『貸本マンガの時代』第4回「貸本マンガの世界~貸本マンガから週刊誌へ~」のゲストに漫画家の川崎のぼる先生とビッグ錠先生が来館。
大阪の貸本漫画が末期となる時期に上京し、表舞台となる週刊少年雑誌へ登場する過渡期の頃についての珍しい話を聞くことが出来た。
現在も関西在住で、当時からの熱心な読者代表と思われる風貌のアマチュアの漫画研究者が司会。
会場には、主に川崎のぼる先生の作品や、ビッグ錠先生の作品を週刊少年雑誌やテレビアニメを見て育った私と同世代から上の読者達が集まり、随分と参加者の年齢層が高いイベントとになりました。
私的には、現在熊本在住の川崎のぼる先生がワザワザ来ていただけたのだから、もう少し聞き手である司会者が作品の研究をして、配布される資料類も充実させてくれたらと大変悔やまれる内容でしたが、正統な日本の漫画史を理解出来る研究者やインタビュアーが少ないこれが悲しい現状なのです。
会場に展示されていた【のらくろ館】の資料の収集が、在野の漫画コレクターの協力の下、及第点を行くものであり、年配のアマチュア研究者の精一杯の努力とこれからの研究成果に期待して今回だけ特別に68点の合格点を出しときますか。(笑)
*このイベントは、1700円と有料である。
金を徴収する以上、それにみあったものであるかどうか漫画史研究者として採点を下す権利が私にもあるだろう。

さて今日は、私が年間購読している大好きな絶対おすすめの季刊紙『まんだらけZENBU53』(定価1500円に対してこちらは100点満点!)最新号が発売と同時に横浜の自宅に届きましたので、半年振りに紹介したいと思います。

最近の『まんだらけZENBU』の楽しみ方は、本誌掲載の全商品が、インターネットオークション方式で購入出来るチャンスがあるということ。
ここのところ私もまんだらけさんの術中にはまり、すっかりオークション好きになってしまいました。(涙)
さて、今回の本誌の注目記事は・・・。


巻頭の折込から始まる53頁もの特集は箱付きのミニカーなど「車両」の大特集。
自動車パンフレットやのりもの絵本シガレットケースなどまで紹介されてますが、私には興味なし。
単行本コーナーでは、20年振りに登場!杉浦茂『キャプテン小僧 円盤Z』(トモブック社)や、三人の漫画家による三つの貸本漫画紹介として、つげ義春「四つの犯罪」遠藤政治「三つの黒曜石」永島慎二「三人の暗殺者」。
貸本少女漫画短編誌を代表する「花」(わかば書房)&「虹」(金竜出版社)の特集が嬉しい。
少女漫画史の研究は、体系的な研究者が少ないためか、まだまだ不明な点が多いので、大変助かります。
手塚治虫先生の作品では、「バンビ」と「新編月世界紳士」が登場!
特に「バンビ」は、先日私が紹介したばかりの鶴書房の漫画文庫版が出品されてます。
編集部の解説には「このバンビの文庫だけは、変わらないレア度と人気を誇る。今回の出品は背表紙に若干の補修が入っていることもあり安価なスタート価格になっています。この機会に是非。」とあり、
状態・並、表紙回りイタミ(背一部補修)・小口小マジック点で15万円からスタート!
学童社発行の「新編月世界紳士」が、並、で12万円スタートなのでそのレア度も判ってもらえますね!(笑)
そして集英社のおもしろ文庫の中でも特に珍しいのが伊勢田邦彦先生の「秘密の山脈」(作・宮田丈二)。
これで、私の戦後の集英社の単行本リストは、ある程度完成しました。
鶴書房の漫画文庫リストのように近日中に発表しますね!

そして新書VINTAGE COMICとしてJUMP COMIC特集Part.1(ジャンプ&ジャンプスーパーコミックス)が嬉しい。
ジャンプの単行本のデータを作成しているマニアは少なく、歴史も浅い。
私は、ジャンプ系の作品や作家はあまり好きではなく、手塚治虫先生とトキワ荘系の漫画家さんに『COM』や『ガロ』、『少年キング』や『少年マガジン』、『少年チャンピオン』系の作家さん達の単行本を中心に集めてきたため、唯一ジャンプ系の単行本データは未作成のままだったのです。
これで随分手抜きが出来るので助かりますね!(笑)
今回は初期JC(60'~70')で、次号Part2は中期JC(70'~80')とのこと。
とても楽しみですね!
雑誌は、講談社の『ぼくら』にとても珍しい『少女サンデー』(小学館)『少女』(光文社)『りぼん』(集英社)。
『少年画報』(少年画報社)『痛快ブック』増刊(芳文社)『別冊少年ブック』(集英社)。
講談社の学年誌である『たのしい四年生』。
昭和20年代の少年雑誌も出ているが、これは別途解説が必要だろう。
私には、ストライクである。(笑)

今回もロリエロ雑誌として『PETITパンドラ』(一水社)と『ぺバーミント』(日本出版社)が創刊号からの初期の物が紹介されています。

このようなマイナーなロリエロ雑誌がどのようなものであったのか、知る上でのとても良い一級品の資料となることでしょう。
コミックマーケットの代表・米澤嘉博さんが亡くなってから、成年漫画やロリエロ雑誌などにおいて信用するに値する研究者や、研究発表は、少ないのが現状です。
私の専門は、無声映画時代からの映画やアニメーションと大正・昭和の少年少女漫画史研究となるため、成年漫画やロリエロのジャンルにまで手を広げることは、現在及び将来もまるで考えられないので、このような分野の資料は、漫画史研究の発展進化のためにもとても有難いのである。
私が、漫画史研究家として『まんだらけ』や『まんだらけZENBU』がとても好きな理由は、実物の写真とデータが明記されているからだ。
無断引用や孫引きが多く実証的でない、大学教授などの肩書きを持っている評論家や研究者達のグループが作っているマンガ学の入門書の類より遥かにためになると私には思える。
漫画史研究家は、漫画評論家と違い、独自にデータベースを作るのが最低の必須条件。
作家の作品リスト、単行本リスト、年譜などを調査し、更に本当かどうか作家本人もしくは遺族や編集者など当時の関係者に確認しインタビューする。
他人が発表したデータは実物が確認出来るまで、半信半疑のままである。
ちなみに、私が『少年画報大全』(2001年・少年画報社)を監修した時、それ以前から活躍している評論家達が発表していたデータと私が調べたデータとでは、100箇所以上の違いが見受けられた。
『少年画報大全』巻末の参考資料と本文の記載データが違う場合、原本から実証的に確認した私のデータの方が99.9%の確率で正しいと自負している。
2001年以降に発表された書籍でも、『少年画報大全』を参考文献に加えてないもので、同じ事柄のデータが違っていた場合、私のデータの方が正しい筈だ。(笑)
『少年画報大全』発表後、私に何の挨拶もなく、データや掲載した画像を無断引用している評論家や研究者がいる。
素人のファンの人やマニアの人が趣味で楽しんでくれているならお役に立てて嬉しい限りだが、評論家や研究者を名乗りながら、参考文献として、『少年画報大全』の書名をあげてくれる研究者としての最低限のマナーを守れる人が少ないのはなぜだろうか?
彼等のような高学歴ではなく、横浜鶴見の不良少年上がりの私では良く理解出来ない謎である。
ちなみに、有名古書専門店の間では、『少年画報大全』は日本の漫画史を知る上での必須アイテムであり、店の店長達の間では私の顔と名前や正体がすっかりバレてしまっている。(笑)
それはさておき、もうひとつの楽しみは、星まこと氏によるアニメインタビュー。

星さんは一般的には、あまり知られていないが、日本のアニメの研究者としての実力は日本一。
元エイケンの名プロデューサー鷺巣政安氏に師事。
御園まことの名で『図説テレビアニメ全書』(原書房1999年)を監修している。
この本には、現場から見たアニメの歴史として「宇宙戦艦ヤマト」や、「超時空マクロス」など数々のヒット作を手掛けた演出家の石黒昇氏や「風の谷のナウシカ」の作画監督であるアニメーターの小松原一男氏、テレビアニメ創成期からのプランナーとして鷺巣政安氏の特別インタビューも収録されている。
今回の『まんだらけZENBU53』には、

〔「J9シリーズ」でアニメの常識を破りたかった〕
と題して
『ど根性ガエル』脚本、『勇者ライディーン』脚本、『ブロッカー軍団Ⅳマシーンブラスター』シリーズ構成・脚本、『ヤッターマン』脚本、『くじらのホセフィーナ』脚色構成・脚本、『機動戦士ガンダム』脚本、『銀河旋風ブライガー』シリーズ構成・脚本、『銀河烈風バクシンガー』シリーズ構成・脚本、『銀河疾風サスライガー』シリーズ構成・脚本、『亜空大作戦スラングル』シリーズ構成・脚本、『ななこSOS』シリーズ構成・脚本として知られる

山本 優さんのインタビュー9ページを収録している。

星さんとは、10年以上の付き合いになる。
非常に爽やかな兄貴分です。
そして、忘れてはいけないのが成瀬正佑氏の記事。
「護美之山」第2部・護美之砦~貸本漫画B6判単行本大全19~。
今回は【中村書店(其の一)】と補遺、護美之山作家列伝として第八回 井上智はやっぱり凄かった!など14ページ。

近年まで国宝犬山城を個人所有、維持していた名古屋の名家、成瀬家直系の次男である成瀬氏の記事は、毎回オールカラーで単行本のデータを紹介しているので非常に助かります。

川崎のぼる先生のインタビュアーも、せめて成瀬さんの研究レベルの半分くらいは勉強してから司会をして欲しかったのだが・・・。
会場で、久しぶりに成瀬さんと逢えたので、司会者と参加者が逆だろ!と、アンバランスな状態だったのを余計に肌で感じた。

プロの研究者と、あくまでアマチュアの日曜漫画研究家との実力の差をはっきりと感じさせてくれる出来事だった。
漫画史研究家は、漫画評論家と違い、日々の地道なデータ集めが必要とされ、その成果を発表する場も非常に少ない。
だが、漫画評論家が漫画家の先生達にあまり好かれていないことが多いのにくらべ、漫画史研究家に対して先生方は皆、非常に親切である。
少年時代から憧れていた、ちばてつや先生に、名前と顔を覚えてもらえたなんてまるで夢のようである。
赤塚不二夫先生からは、特別のサイン色紙をいただき、松本零士先生の逓信総合博物館の企画展には私もスタッフの一人として協力させてもらった。
漫画史研究家の私としては、とても幸せな日々を過ごしている。


特に一昨年の5月にコミックパークから少女漫画家の先駆けの一人である上田トシコ先生の代表作『フイチンさん』全三巻を発行人・本間正幸として復刊出来たことを思うと何だかとても嬉しいのだ。
『フイチンさん』全三巻は、とても好評なので、上田トシコ先生の代表作となる『お初ちゃん』『ぼんこちゃん』も復刊しました。

上から目線で漫画を語る評論家の人達とは違って、漫画家の先生方は、善人がとても多い。

一人の人間として接する場合、評論家とは付き合いたくないが、漫画家の先生方とは親交を深めていけたらとても幸せである。

漫画史研究者としての私、本間正幸は、お金や名誉、肩書きはなくとも、研究者としてはとても幸せな日々を暮らしている。

これで、いいのだ!(笑)


追伸


少女マンガ家の草分とも言うべき上田トシコ先生の代表作『フイチンさん』全三冊『ぼんこちゃん』『お初ちゃん』の五冊をコンテンツワークスのコミックパークから、オンデマンド出版しています。
発行元は、パインウッドカンパニー、発行名義人は、私、本間正幸となっています。
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『まんだらけZENBU51 』最新号!!

2011-06-12 05:35:24 | 「まんだらけZENBU」最新号の紹介と大オークション
2011年6月10日(金)は

【第40回日本漫画家協会賞】

贈賞式がありましたね!

【大賞】

『ヘルプマン!』

くさか里樹

『落画』他一連の作品にて

ウノ・カマキリ

【参議院議長賞】

『毎日かあさん』

西原理恵子

【文部科学大臣賞】

『全作品』

萩尾望都

【特別賞】

高知県

私の世代の女性達にとって、萩尾望都先生と、竹宮惠子先生は、カリスマ的な人気がありました。
今年も、私・本間正幸にまで萩尾望都先生から年賀状の返事が来るなど、心遣いがとても優しい先生です。
西原理恵子先生には、

2005年【第9回手塚治虫文化賞】短編賞を

「『上京ものがたり』(小学館)『毎日かあさん』(毎日新聞連載)に対して」

受賞された際、懇親会の会場で小冊子にサインをいただいたことがあります。
私は、西原先生の作品の中では『ぼくんち』が一番のお気に入りです!
日本漫画家協会賞へは、2001年から2009年まで参加させていただきましたが、昨年の2010年からは、不参加とさせていただいております。

2011年5月27日(金)は

【第15回手塚治虫文化賞贈呈式】

がありました。

【マンガ大賞】

『JINー仁ー』(集英社)村上もとか

『竹光侍』(小学館)松本大洋、作・永福一成

●年間のベスト作品に対して贈る

[正賞:ブロンズ像 副賞:100万円]

【新生賞】

荒川弘
「初連載『鋼の錬金術師』(スクウェア・エニックス)で、少年マンガの魅力を大いに発揮し、生命倫理にも通じるテーマを描ききった力量に対して」
●斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者に贈る

[正賞:ブロンズ像 副賞:100万円]

【短編賞】

山科けいすけ

「『C級さらりーまん講座』(小学館)、『パパはなんだかわからない』(週刊朝日連載)などサラリーマンを描いた一連の作品に対して」

●短編、4コマ、1コマなどを対象に作品・作者に贈る
[正賞:ブロンズ像 副賞:100万円]

私は、大の手塚ファンなので、手塚治虫文化賞へは、1999年・第3回からほぼ毎年のように参加させてもらってます。(2007年と2008年は旅行の仕事で北海道一周してたので不参加でした)

さて、今日は、私が年間購読させていただいている大好きな季刊紙『まんだらけZENBU51』最新号が発売と同時に横浜の自宅に届きましたので、久しぶりにそちらを紹介してみましょう。

最近の『まんだらけZENBU』の楽しみ方は、本誌掲載の全商品が、インターネットオークション方式で購入出来るチャンスがあるということ。
ここのところ私もまんだらけさんの術中にはまり、すっかりオークション好きになってしまいました。(涙)

年間購読者には、特典として別冊ふろく『ねおまんだらけ25』がついてくるので、マニアには年間購読が絶対のオススメですね!
今回もA5版カラーで48ページありました。
この本のポイントは、掲載商品がすべて前と同じように抽選で買えるということ。
申込締切日は7月5日(火)当日必着なので早めに入手して予算に合わせて良く検討してから購入しましょうね!(笑)
今回は、JPA(ジャパニーズ・ポップ・アンティーク)が14ページ。
そして、セル画アニメ原画コーナー4ページ。
アニメ原画2ページ。
原画4ページ。
台本コーナー、企画書コーナー、設定コーナー、絵コンテコーナーで3ページ。
単行本3ページ。
新書2ページ。
雑誌コーナーは、『少年クラブ』3ページと『少女』『なかよし』各2ページで7ページあります。
別冊ふろくは、手塚治虫先生のB6判付録の名作群「大洪水時代」「人食岬の決戦」「はりきり弁慶」「流星王子」「黄金都市」(絵・横山光輝)が、それぞれ手頃な価格での出品。
手塚コレクター、マニアとしては、いつの日にか綺麗なオリジナルを手に入れたいですね!(涙)
そして、カッパ・コミックス鉄人28号全20巻など他、計3ページ。

資料系グッズが3ページの構成となっていますが、詳細な中身については、購読者だけのお楽しみ。
マニアには毎回侮れない充実した内容になっています。


さて、今回の本誌の注目記事は、〔手塚治虫「勝利の日まで」デビュー前原稿〕でしょう。
原画・原稿・色紙などのコーナー16ページの目玉として紹介されています。
価格からいっても個人購入というより、記念館行きにすべき逸品ですね!
そして、〔「ブラックジャック」の雑誌切抜〕では、描き足し変更箇所を網羅したリスト付きとして、【ブラック・ジャック全話切り抜きセット】が14ページに及ぶ大特集はファンにとっては、たまりません!!
『友よいずこ』の見開きカラーページの衝撃は物凄く、掲載時リアルタイムで見た少年時代の私の【ブラック・ジャック】に対するトラウマにさえなっています。
そして私が大のお気に入りの作品、【しずむ女】の悲しくも美しい少女のエピソードは、オリジナルのカラー版で手元に残して置きたいですね!(涙)
『ブラック・ジャック』ファンや研究者にとって、単行本未収録作品を含む初出の掲載誌版オリジナルは、是非とも手に入れておきたい逸品です。
巻頭の折込から始まるJPA(Japanese pop antique)では、藤子不二雄究極のフィギュア・巨大パーマンや、ドラえもん最初期のソフビ指人形や、鳴きオバケのドロンパ。
『少年画報』掲載時と思われる怪物くんゲームパチンコなどが出品されて35ページの特集です。
単行本コーナーでは、初期HC(ヒットコミックス)全ラインナップPart1としてHC1~200まで12ページにわたる大特集!や、戦前・戦中の物から人気コミックス最新巻セット(初版、美本、帯付、特典付、・・・)まで30ページ。
続く雑誌コーナーは36ページ。
その中でもロリエロ雑誌のはしり『レモンピープル』(あまとりあ社)の特集3ページは、『レモンピープル』という雑誌がどのようなものであったのか、知る上でのとても良い一級品の資料でしょう。
コミックマーケットの代表・米澤嘉博さんが亡くなってから、成年漫画やロリエロ雑誌などにおいて信用するに値する研究者や、研究発表は、少ないのが現状です。
私の専門は、大正・昭和の少年少女漫画史研究となるため、成年漫画やロリエロのジャンルにまで手を広げることは、現在及び将来もまるで考えられないので、このような分野の資料は、漫画史研究の発展進化のためにもとても有難いのである。
私が、漫画史研究家として『まんだらけ』や『まんだらけZENBU』がとても好きな理由は、実物の写真とデータが明記されているからだ。
無断引用や孫引きが多く実証的でない、大学教授などの肩書きを持っている評論家や研究者達のグループが作っているマンガ学の入門書の類より遥かにためになると私には思える。
漫画史研究家は、漫画評論家と違い、独自にデータベースを作るのが最低の必須条件。
作家の作品リスト、単行本リスト、年譜などを調査し、更に本当かどうか作家本人もしくは遺族や編集者など当時の関係者に確認する。
他人が発表したデータは実物が確認出来るまで、半信半疑のままである。
ちなみに、私が『少年画報大全』(2001年・少年画報社)を監修した時、それ以前から活躍している評論家達が発表していたデータと私が調べたデータとでは、100箇所以上の違いが見受けられた。
『少年画報大全』巻末の参考資料と本文の記載データが違う場合、原本から実証的に確認した私のデータの方が99.9%の確率で正しいと自負している。
2001年以降に発表された書籍でも、『少年画報大全』を参考文献に加えてないもので、同じ事柄のデータが違っていた場合、私のデータの方が正しい筈だ。(笑)
『少年画報大全』発表後、私に何の挨拶もなく、データや掲載した画像を無断引用している評論家や研究者がいる。
素人のファンの人やマニアの人が趣味で楽しんでくれているならお役に立てて嬉しい限りだが、評論家や研究者を名乗りながら、参考文献として、『少年画報大全』の書名をあげてくれる研究者としての最低限のマナーを守れる人が少ないのはなぜだろうか?
彼等のような高学歴ではなく、横浜鶴見の不良少年上がりの私では良く理解出来ない謎である。
ちなみに、有名古書専門店の間では、『少年画報大全』は必須であり、店の店長達の間では私の顔と名前がすっかりバレてしまっている。
それはさておき、もうひとつの楽しみは、星まこと氏によるアニメインタビュー。
毎回丁寧なインタビューを続けているこのシリーズも今回で47回目。
星さんは一般的には、あまり知られていないが、日本のアニメの研究者としての実力は日本一。
元エイケンの名プロデューサー鷺巣政安氏に師事。
御園まことの名で『図説テレビアニメ全書』(原書房1999年)を監修している。
この本には、現場から見たアニメの歴史として「宇宙戦艦ヤマト」や、「超時空マクロス」など数々のヒット作を手掛けた演出家の石黒昇氏や「風の谷のナウシカ」の作画監督であるアニメーターの小松原一男氏、テレビアニメ創成期からのプランナーとして鷺巣政安氏の特別インタビューも収録されている。
今回の『まんだらけZENBU51』には、

「僕はあくまで裏方。現場のクリエイターを世に出したい。」
と題して
『鉄腕アトム』資料制作、『ジャングル大帝』資料制作、『アンデルセン物語』プロデューサー補、『宇宙戦艦ヤマト』設定制作、『超電磁ロボ コン・バトラーV』制作担当、『宇宙大帝ゴッドシグマ』制作担当『宇宙戦艦ヤマトⅢ』プロデューサーとして知られる

野崎欣宏さんのインタビュー8ページを収録している。

星さんとは、10年以上の付き合いになる。
非常に爽やかな兄貴分です。
そして、忘れてはいけないのが成瀬正佑氏の記事。
「護美之山」特別編・護美之園~小島剛石レトロスペクティブ②~。
12ページ。

国宝犬山城を個人所有している名古屋の名家、成瀬家直系の次男である成瀬氏の記事は、毎回オールカラーで単行本のデータを紹介しているので非常に助かります。

漫画史研究家は、漫画評論家と違い、日々の地道なデータ集めが必要とされ、その成果を発表する場も非常に少ない。
だが、漫画評論家が漫画家の先生達にあまり好かれていないことが多いのにくらべ、漫画史研究家に対して先生方は皆、非常に親切である。
少年時代から憧れていた、ちばてつや先生に、名前と顔を覚えてもらえたなんてまるで夢のようである。
赤塚不二夫先生からは、特別のサイン色紙をいただき、松本零士先生の逓信総合博物館の企画展には私もスタッフの一人として協力させてもらった。
漫画史研究家の私としては、とても幸せな日々を過ごしている。


特に一昨年の5月にコミックパークから少女漫画家の先駆けの一人である上田トシコ先生の代表作『フイチンさん』全三巻を発行人・本間正幸として復刊出来たことを思うと何だかとても嬉しいのだ。
『フイチンさん』全三巻は、とても好評なので、上田トシコ先生の代表作となる『お初ちゃん』『ぼんこちゃん』も復刊しました。

上から目線で漫画を評論する評論家の人達とは違って、漫画家の先生方の人達は、善人がとても多い。

一人の人間として接する場合、評論家の人達とは、あまり付き合いたいとは思わないが、漫画家の先生方とは親交を深めていけたらとても幸せである。

漫画史研究者としての私、本間正幸は、お金や名誉、肩書きはなくとも、研究者としてはとても幸せな日々を暮らしている。

これで、いいのだ。


追伸


少女マンガ家の草分とも言うべき上田トシコ先生の代表作『フイチンさん』全三冊『ぼんこちゃん』『お初ちゃん』の五冊をコンテンツワークスのコミックパークから、オンデマンド出版しています。
発行元は、パインウッドカンパニー、発行名義人は、私、本間正幸となっています。
2010年5月には、『750ライダー』で知られる石井いさみ先生のサッカー漫画『くたばれ!!涙くん』全5巻同時発売、山根青鬼・山根赤鬼先生共著の『山根青鬼・山根赤鬼 漫画道中記』など、昭和の少年少女漫画史を代表する20世紀の名作群を続々と復刊しました。
『フイチンさん』は、アニメーションとして㈱エクラアニマル(旧あにまる屋)さんから制作され、ビデオやDVDとしても、販売されているので、入手可能です。
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まんだらけZENBU44 が届いたよ!

2009-09-11 16:47:51 | 「まんだらけZENBU」最新号の紹介と大オークション
昨日、『まんだらけZENBU44』最新号が届きました。
年間購読者には、別冊ふろく『ねおまんだらけ.18』がついてくるのでオススメです。
今回もA5版カラーで48ページありました。
この本のポイントは、掲載商品がすべて抽選で買えるということ。
申込締切日は10月6日(火)当日必着なのでお早めに!
セル画やアニメ原画、原画&色紙、台本、絵コンテ、単行本、新書、雑誌、カードなど中身については、購読者だけのお楽しみ。
さて、本誌の今回の注目記事は、「若木書房探偵漫画・シリーズ全48作品より43冊出品!」、「入手難最終巻特集!VINTAGE COMICS~少年・少女・青年コミック」、「凡天太郎の劇画世界」である。
実物の写真とデータだけでなく参考資料もきちんと明記されているので、無断引用や孫引きが多く実証的でない、大学教授などの肩書きを持つ評論家や研究者達のグループが作っているマンガ学の入門書の類より遥かにためになる。

漫画史研究家は、漫画評論家と違い、独自にデータベースを作るのが最低の必須条件。
作家の作品リスト、単行本リスト、年譜などを調査し、更に本当かどうか作家本人もしくは遺族や編集者など当時の関係者に確認する。
他人が発表したデータは実物が確認出来るまで、半信半疑のままである。
ちなみに、私が『少年画報大全』(少年画報社)を監修した時、それ以前から活躍している評論家達が発表していたデータと私が調べたデータとでは、100箇所以上の違いが見受けられた。
『少年画報大全』巻末の参考資料と本文の記載データが違う場合、原本から実証的に確認した私のデータの方が99.9%の確率で正しいと自負している。
2001年以降に発表された書籍でも、『少年画報大全』を参考文献に加えてないもので、同じ事柄のデータが違っていた場合、私のデータの方が正しい筈だ。
『少年画報大全』発表後、私に何の挨拶もなく、データや掲載した画像を無断引用している評論家や研究者がいる。
素人のファンの人やマニアの人が趣味で楽しんでくれているならお役に立てて嬉しい限りだが、評論家や研究者を名乗りながら、参考文献として、『少年画報大全』の書名をあげてくれる研究者としての最低限のマナーを守れる人が少ないのはなぜだろうか?
彼等のような高学歴ではなく、横浜鶴見の不良少年上がりの私では良く理解出来ない謎である。
ちなみに、有名古書専門店の間では、『少年画報大全』は必須であり、店の店長達の間では私の顔と名前がすっかりバレてしまっている。
それはさておき、もうひとつの楽しみは、星まこと氏によるアニメインタビュー。
毎回丁寧なインタビューを続けているこのシリーズも今回で40回目になるので10年だ。
星さんは一般的には、あまり知られていないが、日本のアニメの研究者としての実力は日本一。
元エイケンの名プロデューサー鷺巣政安氏に師事。
御園まことの名で『図説テレビアニメ全書』(原書房1999年)を監修している。
この本には、現場から見たアニメの歴史として「宇宙戦艦ヤマト」や、「超時空マクロス」など数々のヒット作を手掛けた演出家の石黒昇氏や「風の谷のナウシカ」の作画監督であるアニメーターの小松原一男氏、テレビアニメ創成期からのプランナーとして鷺巣政安氏の特別インタビューも収録されている。
今回の『まんだらけZENBU44』には、

『ガンバの冒険』があったからこそ、今でもアニメーターでいられると思ってます。

と題して
『風のフジ丸』動画、『巨人の星』原画、『新オバケのQ太郎』キャラクターデザイン・作画監督、『ジャングル黒べえ』作画監督、『ガンバの冒険』キャラクターデザイン・作画監督、『ルパン三世(劇場版第一作)』キャラクターデザイン・作画監督、『さすらいの少女ネル』キャラクターデザイン作画監督として知られる

椛島義夫インタビューを収録している。

星さんとも10年来の付き合いになる。
非常に爽やかな兄貴分です。
そして、忘れてはいけないのが成瀬正佑氏の記事。
「護美之山」第2部護美之砦~貸本漫画B6判単行本大全14~。

護美之山作家列伝
第六回 井上智は凄かった!
そして
昭和漫画館第5回訪問記
青虫
には、成瀬氏の顔写真も出ている。
成瀬氏の記事は、毎回オールカラーで単行本のデータを紹介しているので非常に助かります。

漫画史研究家は、漫画評論家と違い、日々の地道なデータ集めが必要とされ、その成果を発表する場も非常に少ない。
だが、漫画評論家が漫画家の先生達にあまり好かれていないことが多いのにくらべ、漫画史研究家に対して先生方は皆、非常に親切である。
少年時代から憧れていた、ちばてつや先生に、名前と顔を覚えてもらえたなんてまるで夢のようである。
漫画史研究家の私としては、ただそれだけで幸せな毎日なのである。

私が最年少の漫画史の研究者として認められ、社団法人日本漫画家協会の正会員になった2003年には、上田トシコ先生が文部科学大臣賞を受賞された。
御祝いの言葉にあわせて、私も研究者として、協会員になれたことを報告すると、
本当に良かったわね!
と一緒に喜んでくれた上田先生の笑顔が今も眼に焼き付いている。
上田先生の代表作である『フイチンさん』全三巻を発行人本間正幸として、5月にコミックパークから復刊出来たことを思うと何だかとても嬉しいのだ。

現在、日本漫画家協会の正会員である漫画家の先生方の数が500名なのに対し、研究者の正会員の数が(今でも最年少である私を含め)10名前後しかおらず、私以外の研究者は全て大学教授の肩書きを持つ。

漫画家協会正会員の平均年齢は60歳前後である。

漫画界大御所の先生方からすれば、親子ほど年の離れた研究者である私は、かつての純粋な読者の代表であり、漫画ファンであることを皆さん理解してくれているようだ。

上から目線で漫画を評論する評論家の人達とは違って、漫画家の先生方の人達は、善人がとても多い。

一人の人間として接する場合、評論家の人達とは、あまり付き合いたいとは思わないが、漫画家の先生方とは親交を深めていけたら幸せである。

漫画史研究者としての私、本間正幸は、お金や名誉、肩書きはなくとも、研究者としてはとても幸せな日々を暮らしている。

これで、いいのだ。
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まんだらけZENBU43 が届いたよ!

2009-06-12 02:39:14 | 「まんだらけZENBU」最新号の紹介と大オークション
昨日、まんだらけZENBU最新号43が届きました。
年間購読者には、別冊付録(ねおまんだらけNo.17)がついてくるのでオススメです。
今回もA5版カラー48ページ。
この本のポイントは、掲載商品がすべて抽選で買えるということ。
申込締切日は7月7日(火)当日必着なのでお早めに!
セル画やアニメ原画、雑誌、単行本、カードなど中身については、購読者だけのお楽しみ。
さて、本誌の今回の注目記事ですが、戦前・ナカムラ・マンガ全100冊一覧。
ナカムラ・マンガ・ライブラリー(全70冊)とナカムラ繪業書(全30冊)が紹介されています。
*資料提供:榛葉忠弘・小林真一、構成:武井等とあります。ご苦労様です。助かります。
そして、失われた劇画史(劇画雑誌コレクション1966~)と題した44ページにわたる大特集。
実物の写真とデータだけでなく参考資料もきちんと明記されているので、無断引用や孫引きが多く実証的でない、大学教授などの肩書きを持つ評論家や研究者達のグループが作っているマンガ学の入門書の類より遥かにためになる。

漫画史研究家は、漫画評論家と違い、独自にデータベースを作るのが最低の必須条件のひとつ。
作家の作品リスト、単行本リスト、年譜などを調査し、更に本当かどうか作家本人もしくは遺族に確認する。
他人が発表したデータは実物が確認出来るまで、半信半疑のままである。
ちなみに、私が少年画報大全を監修した時、それ以前から活躍している評論家達が使っていたデータと私が調べたデータとでは、100箇所以上の違いが見受けられた。
巻末の参考文献と少年画報大全の記載データが違う場合、原本から実証的に確認した私のデータの方が99.9%の確率で正しいと自負している。
2001年以降に発表された書籍でも、少年画報大全を参考文献に加えてないもので、同じ事柄のデータが違っていた場合、私のデータの方が正しい筈だ。
少年画報大全発表後、私に何の連絡もなく、無断引用している評論家や研究者がいる。
素人の人やマニアが趣味で楽しんでくれているならお役に立てて嬉しい限りだが、評論家や研究者を名乗りながら、参考文献として、少年画報大全の書名をあげてくれる良心的な人が少ないのはなぜだろうか?
彼等のような高学歴ではなく、横浜鶴見の不良少年上がりの私では良く理解出来ない謎である。
ちなみに、有名古書専門店の間では、少年画報大全は必須であり、店の店長達の間では私の顔と名前がすっかりバレてしまっている。
それはさておき、もうひとつの楽しみは、星まこと氏によるアニメインタビュー。
毎回丁寧なインタビューを続けているこのシリーズも今回で39回目になるので9月で10年だ。
星さんは一般的には、あまり知られていないが、日本のアニメの研究者としては、実力日本一。
元エイケンの名プロデューサー鷺巣政安氏に師事。
御園まことの名で(図説テレビアニメ全書・原書房1999年)を監修している。
この本には、現場から見たアニメの歴史として(宇宙戦艦ヤマト)や、(超時空マクロス)など数々のヒット作を手掛けた演出家の石黒昇氏や(風の谷のナウシカ)の作画監督であるアニメーターの小松原一男氏、テレビアニメ創成期からのプランナーとして鷺巣政安氏の特別インタビューも収録されている。
今回のまんだらけZENBU43には、
(宇宙戦艦ヤマト)はいつの間にかライフワークになってました
と題して
(マジンガーZ)や、(タイガーマスク)(デビルマン)の作画監督、白土武氏のインタビューを収録している。
星さんとも10年来の付き合いになる。
非常に爽やかな兄貴分です。
そして、忘れてはいけないのが成瀬正佑氏の記事。
今回は(護美之山)特別編・護美之園~矢代まさこ貸本時代の全貌1~となっている。
上田トシコ先生と同じく少女マンガパワー展では紹介されなかったが、少女マンガ史においては重要な作家の一人だと私は考えている。
成瀬氏の記事は、毎回オールカラーで単行本のデータを紹介しているので非常に助かります。

漫画史研究家は、漫画評論家と違い、日々の地道なデータ集めが必要とされ、その成果を発表する場も非常に少ない。
だが、漫画評論家が漫画家の先生達にあまり好かれていないことが多いのにくらべ、漫画史研究家に対して先生方は皆、非常に親切である。
少年時代から憧れていた、ちばてつや先生に、名前と顔を覚えてもらえたなんてまるで夢のようである。
漫画史研究家の私としては、ただそれだけで幸せな毎日なのである。
今日は、日本漫画家協会の総会と協会賞の受賞式のパーティーがある。
私が最年少の漫画史の研究者として認められ、正会員になった2003年には、上田トシコ先生が文部科学大臣賞を受賞された。
御祝いの言葉にあわせて、私も研究者として、協会員になれたことを報告すると、
本当に良かったわね!
と一緒に喜んでくれた上田先生の笑顔が今も眼に焼き付いている。
上田先生の代表作である(フイチンさん)全三巻を発行人本間正幸として、先月コミックパークから復刊出来たことを思うと何だかとても嬉しいのだ。
総会とパーティーの様子については、明日の私のブログを楽しみにしていて下さいね!
コメント
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