前回の【関口宏の昭和青春グラフィティ】は、
「昭和のマンガ~子どもから青年そして大人へ僕らの傍にはいつもマンガがあった」
【ゲスト】藤子不二雄A・タケカワユキヒデ
だった。
番組を見て、改めて誰でも簡単に判る日本の漫画史資料の公開の必要性を痛感した。
その二日前、先週の日曜日には、のらくろ館のある東京都江東区森下文化センターで、『貸本マンガの時代』第4回「貸本マンガの世界~貸本マンガから週刊誌へ~」のゲストに漫画家の川崎のぼる先生とビッグ錠先生が来館。
大阪の貸本漫画が末期となる時期に上京し、表舞台となる週刊少年雑誌へ登場する過渡期の頃についての珍しい話を聞くことが出来た。
現在も関西在住で、当時からの熱心な読者代表と思われる風貌のアマチュアの漫画研究者が司会。
会場には、主に川崎のぼる先生の作品や、ビッグ錠先生の作品を週刊少年雑誌やテレビアニメを見て育った私と同世代から上の読者達が集まり、随分と参加者の年齢層が高いイベントとになりました。
私的には、現在熊本在住の川崎のぼる先生がワザワザ来ていただけたのだから、もう少し聞き手である司会者が作品の研究をして、配布される資料類も充実させてくれたらと大変悔やまれる内容でしたが、正統な日本の漫画史を理解出来る研究者やインタビュアーが少ないこれが悲しい現状なのです。
会場に展示されていた【のらくろ館】の資料の収集が、在野の漫画コレクターの協力の下、及第点を行くものであり、年配のアマチュア研究者の精一杯の努力とこれからの研究成果に期待して今回だけ特別に68点の合格点を出しときますか。(笑)
*このイベントは、1700円と有料である。
金を徴収する以上、それにみあったものであるかどうか漫画史研究者として採点を下す権利が私にもあるだろう。
さて今日は、私が年間購読している大好きな絶対おすすめの季刊紙『まんだらけZENBU53』(定価1500円に対してこちらは100点満点!)最新号が発売と同時に横浜の自宅に届きましたので、半年振りに紹介したいと思います。
最近の『まんだらけZENBU』の楽しみ方は、本誌掲載の全商品が、インターネットオークション方式で購入出来るチャンスがあるということ。
ここのところ私もまんだらけさんの術中にはまり、すっかりオークション好きになってしまいました。(涙)
さて、今回の本誌の注目記事は・・・。
巻頭の折込から始まる53頁もの特集は箱付きのミニカーなど「車両」の大特集。
自動車パンフレットやのりもの絵本シガレットケースなどまで紹介されてますが、私には興味なし。
単行本コーナーでは、20年振りに登場!杉浦茂『キャプテン小僧 円盤Z』(トモブック社)や、三人の漫画家による三つの貸本漫画紹介として、つげ義春「四つの犯罪」遠藤政治「三つの黒曜石」永島慎二「三人の暗殺者」。
貸本少女漫画短編誌を代表する「花」(わかば書房)&「虹」(金竜出版社)の特集が嬉しい。
少女漫画史の研究は、体系的な研究者が少ないためか、まだまだ不明な点が多いので、大変助かります。
手塚治虫先生の作品では、「バンビ」と「新編月世界紳士」が登場!
特に「バンビ」は、先日私が紹介したばかりの鶴書房の漫画文庫版が出品されてます。
編集部の解説には「このバンビの文庫だけは、変わらないレア度と人気を誇る。今回の出品は背表紙に若干の補修が入っていることもあり安価なスタート価格になっています。この機会に是非。」とあり、
状態・並、表紙回りイタミ(背一部補修)・小口小マジック点で15万円からスタート!
学童社発行の「新編月世界紳士」が、並、で12万円スタートなのでそのレア度も判ってもらえますね!(笑)
そして集英社のおもしろ文庫の中でも特に珍しいのが伊勢田邦彦先生の「秘密の山脈」(作・宮田丈二)。
これで、私の戦後の集英社の単行本リストは、ある程度完成しました。
鶴書房の漫画文庫リストのように近日中に発表しますね!
そして新書VINTAGE COMICとしてJUMP COMIC特集Part.1(ジャンプ&ジャンプスーパーコミックス)が嬉しい。
ジャンプの単行本のデータを作成しているマニアは少なく、歴史も浅い。
私は、ジャンプ系の作品や作家はあまり好きではなく、手塚治虫先生とトキワ荘系の漫画家さんに『COM』や『ガロ』、『少年キング』や『少年マガジン』、『少年チャンピオン』系の作家さん達の単行本を中心に集めてきたため、唯一ジャンプ系の単行本データは未作成のままだったのです。
これで随分手抜きが出来るので助かりますね!(笑)
今回は初期JC(60'~70')で、次号Part2は中期JC(70'~80')とのこと。
とても楽しみですね!
雑誌は、講談社の『ぼくら』にとても珍しい『少女サンデー』(小学館)『少女』(光文社)『りぼん』(集英社)。
『少年画報』(少年画報社)『痛快ブック』増刊(芳文社)『別冊少年ブック』(集英社)。
講談社の学年誌である『たのしい四年生』。
昭和20年代の少年雑誌も出ているが、これは別途解説が必要だろう。
私には、ストライクである。(笑)
今回もロリエロ雑誌として『PETITパンドラ』(一水社)と『ぺバーミント』(日本出版社)が創刊号からの初期の物が紹介されています。
このようなマイナーなロリエロ雑誌がどのようなものであったのか、知る上でのとても良い一級品の資料となることでしょう。
コミックマーケットの代表・米澤嘉博さんが亡くなってから、成年漫画やロリエロ雑誌などにおいて信用するに値する研究者や、研究発表は、少ないのが現状です。
私の専門は、無声映画時代からの映画やアニメーションと大正・昭和の少年少女漫画史研究となるため、成年漫画やロリエロのジャンルにまで手を広げることは、現在及び将来もまるで考えられないので、このような分野の資料は、漫画史研究の発展進化のためにもとても有難いのである。
私が、漫画史研究家として『まんだらけ』や『まんだらけZENBU』がとても好きな理由は、実物の写真とデータが明記されているからだ。
無断引用や孫引きが多く実証的でない、大学教授などの肩書きを持っている評論家や研究者達のグループが作っているマンガ学の入門書の類より遥かにためになると私には思える。
漫画史研究家は、漫画評論家と違い、独自にデータベースを作るのが最低の必須条件。
作家の作品リスト、単行本リスト、年譜などを調査し、更に本当かどうか作家本人もしくは遺族や編集者など当時の関係者に確認しインタビューする。
他人が発表したデータは実物が確認出来るまで、半信半疑のままである。
ちなみに、私が『少年画報大全』(2001年・少年画報社)を監修した時、それ以前から活躍している評論家達が発表していたデータと私が調べたデータとでは、100箇所以上の違いが見受けられた。
『少年画報大全』巻末の参考資料と本文の記載データが違う場合、原本から実証的に確認した私のデータの方が99.9%の確率で正しいと自負している。
2001年以降に発表された書籍でも、『少年画報大全』を参考文献に加えてないもので、同じ事柄のデータが違っていた場合、私のデータの方が正しい筈だ。(笑)
『少年画報大全』発表後、私に何の挨拶もなく、データや掲載した画像を無断引用している評論家や研究者がいる。
素人のファンの人やマニアの人が趣味で楽しんでくれているならお役に立てて嬉しい限りだが、評論家や研究者を名乗りながら、参考文献として、『少年画報大全』の書名をあげてくれる研究者としての最低限のマナーを守れる人が少ないのはなぜだろうか?
彼等のような高学歴ではなく、横浜鶴見の不良少年上がりの私では良く理解出来ない謎である。
ちなみに、有名古書専門店の間では、『少年画報大全』は日本の漫画史を知る上での必須アイテムであり、店の店長達の間では私の顔と名前や正体がすっかりバレてしまっている。(笑)
それはさておき、もうひとつの楽しみは、星まこと氏によるアニメインタビュー。
星さんは一般的には、あまり知られていないが、日本のアニメの研究者としての実力は日本一。
元エイケンの名プロデューサー鷺巣政安氏に師事。
御園まことの名で『図説テレビアニメ全書』(原書房1999年)を監修している。
この本には、現場から見たアニメの歴史として「宇宙戦艦ヤマト」や、「超時空マクロス」など数々のヒット作を手掛けた演出家の石黒昇氏や「風の谷のナウシカ」の作画監督であるアニメーターの小松原一男氏、テレビアニメ創成期からのプランナーとして鷺巣政安氏の特別インタビューも収録されている。
今回の『まんだらけZENBU53』には、
〔「J9シリーズ」でアニメの常識を破りたかった〕
と題して
『ど根性ガエル』脚本、『勇者ライディーン』脚本、『ブロッカー軍団Ⅳマシーンブラスター』シリーズ構成・脚本、『ヤッターマン』脚本、『くじらのホセフィーナ』脚色構成・脚本、『機動戦士ガンダム』脚本、『銀河旋風ブライガー』シリーズ構成・脚本、『銀河烈風バクシンガー』シリーズ構成・脚本、『銀河疾風サスライガー』シリーズ構成・脚本、『亜空大作戦スラングル』シリーズ構成・脚本、『ななこSOS』シリーズ構成・脚本として知られる
山本 優さんのインタビュー9ページを収録している。
星さんとは、10年以上の付き合いになる。
非常に爽やかな兄貴分です。
そして、忘れてはいけないのが成瀬正佑氏の記事。
「護美之山」第2部・護美之砦~貸本漫画B6判単行本大全19~。
今回は【中村書店(其の一)】と補遺、護美之山作家列伝として第八回 井上智はやっぱり凄かった!など14ページ。
近年まで国宝犬山城を個人所有、維持していた名古屋の名家、成瀬家直系の次男である成瀬氏の記事は、毎回オールカラーで単行本のデータを紹介しているので非常に助かります。
川崎のぼる先生のインタビュアーも、せめて成瀬さんの研究レベルの半分くらいは勉強してから司会をして欲しかったのだが・・・。
会場で、久しぶりに成瀬さんと逢えたので、司会者と参加者が逆だろ!と、アンバランスな状態だったのを余計に肌で感じた。
プロの研究者と、あくまでアマチュアの日曜漫画研究家との実力の差をはっきりと感じさせてくれる出来事だった。
漫画史研究家は、漫画評論家と違い、日々の地道なデータ集めが必要とされ、その成果を発表する場も非常に少ない。
だが、漫画評論家が漫画家の先生達にあまり好かれていないことが多いのにくらべ、漫画史研究家に対して先生方は皆、非常に親切である。
少年時代から憧れていた、ちばてつや先生に、名前と顔を覚えてもらえたなんてまるで夢のようである。
赤塚不二夫先生からは、特別のサイン色紙をいただき、松本零士先生の逓信総合博物館の企画展には私もスタッフの一人として協力させてもらった。
漫画史研究家の私としては、とても幸せな日々を過ごしている。
特に一昨年の5月にコミックパークから少女漫画家の先駆けの一人である上田トシコ先生の代表作『フイチンさん』全三巻を発行人・本間正幸として復刊出来たことを思うと何だかとても嬉しいのだ。
『フイチンさん』全三巻は、とても好評なので、上田トシコ先生の代表作となる『お初ちゃん』『ぼんこちゃん』も復刊しました。
上から目線で漫画を語る評論家の人達とは違って、漫画家の先生方は、善人がとても多い。
一人の人間として接する場合、評論家とは付き合いたくないが、漫画家の先生方とは親交を深めていけたらとても幸せである。
漫画史研究者としての私、本間正幸は、お金や名誉、肩書きはなくとも、研究者としてはとても幸せな日々を暮らしている。
これで、いいのだ!(笑)
追伸
少女マンガ家の草分とも言うべき上田トシコ先生の代表作『フイチンさん』全三冊『ぼんこちゃん』『お初ちゃん』の五冊をコンテンツワークスのコミックパークから、オンデマンド出版しています。
発行元は、パインウッドカンパニー、発行名義人は、私、本間正幸となっています。
「昭和のマンガ~子どもから青年そして大人へ僕らの傍にはいつもマンガがあった」
【ゲスト】藤子不二雄A・タケカワユキヒデ
だった。
番組を見て、改めて誰でも簡単に判る日本の漫画史資料の公開の必要性を痛感した。
その二日前、先週の日曜日には、のらくろ館のある東京都江東区森下文化センターで、『貸本マンガの時代』第4回「貸本マンガの世界~貸本マンガから週刊誌へ~」のゲストに漫画家の川崎のぼる先生とビッグ錠先生が来館。
大阪の貸本漫画が末期となる時期に上京し、表舞台となる週刊少年雑誌へ登場する過渡期の頃についての珍しい話を聞くことが出来た。
現在も関西在住で、当時からの熱心な読者代表と思われる風貌のアマチュアの漫画研究者が司会。
会場には、主に川崎のぼる先生の作品や、ビッグ錠先生の作品を週刊少年雑誌やテレビアニメを見て育った私と同世代から上の読者達が集まり、随分と参加者の年齢層が高いイベントとになりました。
私的には、現在熊本在住の川崎のぼる先生がワザワザ来ていただけたのだから、もう少し聞き手である司会者が作品の研究をして、配布される資料類も充実させてくれたらと大変悔やまれる内容でしたが、正統な日本の漫画史を理解出来る研究者やインタビュアーが少ないこれが悲しい現状なのです。
会場に展示されていた【のらくろ館】の資料の収集が、在野の漫画コレクターの協力の下、及第点を行くものであり、年配のアマチュア研究者の精一杯の努力とこれからの研究成果に期待して今回だけ特別に68点の合格点を出しときますか。(笑)
*このイベントは、1700円と有料である。
金を徴収する以上、それにみあったものであるかどうか漫画史研究者として採点を下す権利が私にもあるだろう。
さて今日は、私が年間購読している大好きな絶対おすすめの季刊紙『まんだらけZENBU53』(定価1500円に対してこちらは100点満点!)最新号が発売と同時に横浜の自宅に届きましたので、半年振りに紹介したいと思います。
最近の『まんだらけZENBU』の楽しみ方は、本誌掲載の全商品が、インターネットオークション方式で購入出来るチャンスがあるということ。
ここのところ私もまんだらけさんの術中にはまり、すっかりオークション好きになってしまいました。(涙)
さて、今回の本誌の注目記事は・・・。
巻頭の折込から始まる53頁もの特集は箱付きのミニカーなど「車両」の大特集。
自動車パンフレットやのりもの絵本シガレットケースなどまで紹介されてますが、私には興味なし。
単行本コーナーでは、20年振りに登場!杉浦茂『キャプテン小僧 円盤Z』(トモブック社)や、三人の漫画家による三つの貸本漫画紹介として、つげ義春「四つの犯罪」遠藤政治「三つの黒曜石」永島慎二「三人の暗殺者」。
貸本少女漫画短編誌を代表する「花」(わかば書房)&「虹」(金竜出版社)の特集が嬉しい。
少女漫画史の研究は、体系的な研究者が少ないためか、まだまだ不明な点が多いので、大変助かります。
手塚治虫先生の作品では、「バンビ」と「新編月世界紳士」が登場!
特に「バンビ」は、先日私が紹介したばかりの鶴書房の漫画文庫版が出品されてます。
編集部の解説には「このバンビの文庫だけは、変わらないレア度と人気を誇る。今回の出品は背表紙に若干の補修が入っていることもあり安価なスタート価格になっています。この機会に是非。」とあり、
状態・並、表紙回りイタミ(背一部補修)・小口小マジック点で15万円からスタート!
学童社発行の「新編月世界紳士」が、並、で12万円スタートなのでそのレア度も判ってもらえますね!(笑)
そして集英社のおもしろ文庫の中でも特に珍しいのが伊勢田邦彦先生の「秘密の山脈」(作・宮田丈二)。
これで、私の戦後の集英社の単行本リストは、ある程度完成しました。
鶴書房の漫画文庫リストのように近日中に発表しますね!
そして新書VINTAGE COMICとしてJUMP COMIC特集Part.1(ジャンプ&ジャンプスーパーコミックス)が嬉しい。
ジャンプの単行本のデータを作成しているマニアは少なく、歴史も浅い。
私は、ジャンプ系の作品や作家はあまり好きではなく、手塚治虫先生とトキワ荘系の漫画家さんに『COM』や『ガロ』、『少年キング』や『少年マガジン』、『少年チャンピオン』系の作家さん達の単行本を中心に集めてきたため、唯一ジャンプ系の単行本データは未作成のままだったのです。
これで随分手抜きが出来るので助かりますね!(笑)
今回は初期JC(60'~70')で、次号Part2は中期JC(70'~80')とのこと。
とても楽しみですね!
雑誌は、講談社の『ぼくら』にとても珍しい『少女サンデー』(小学館)『少女』(光文社)『りぼん』(集英社)。
『少年画報』(少年画報社)『痛快ブック』増刊(芳文社)『別冊少年ブック』(集英社)。
講談社の学年誌である『たのしい四年生』。
昭和20年代の少年雑誌も出ているが、これは別途解説が必要だろう。
私には、ストライクである。(笑)
今回もロリエロ雑誌として『PETITパンドラ』(一水社)と『ぺバーミント』(日本出版社)が創刊号からの初期の物が紹介されています。
このようなマイナーなロリエロ雑誌がどのようなものであったのか、知る上でのとても良い一級品の資料となることでしょう。
コミックマーケットの代表・米澤嘉博さんが亡くなってから、成年漫画やロリエロ雑誌などにおいて信用するに値する研究者や、研究発表は、少ないのが現状です。
私の専門は、無声映画時代からの映画やアニメーションと大正・昭和の少年少女漫画史研究となるため、成年漫画やロリエロのジャンルにまで手を広げることは、現在及び将来もまるで考えられないので、このような分野の資料は、漫画史研究の発展進化のためにもとても有難いのである。
私が、漫画史研究家として『まんだらけ』や『まんだらけZENBU』がとても好きな理由は、実物の写真とデータが明記されているからだ。
無断引用や孫引きが多く実証的でない、大学教授などの肩書きを持っている評論家や研究者達のグループが作っているマンガ学の入門書の類より遥かにためになると私には思える。
漫画史研究家は、漫画評論家と違い、独自にデータベースを作るのが最低の必須条件。
作家の作品リスト、単行本リスト、年譜などを調査し、更に本当かどうか作家本人もしくは遺族や編集者など当時の関係者に確認しインタビューする。
他人が発表したデータは実物が確認出来るまで、半信半疑のままである。
ちなみに、私が『少年画報大全』(2001年・少年画報社)を監修した時、それ以前から活躍している評論家達が発表していたデータと私が調べたデータとでは、100箇所以上の違いが見受けられた。
『少年画報大全』巻末の参考資料と本文の記載データが違う場合、原本から実証的に確認した私のデータの方が99.9%の確率で正しいと自負している。
2001年以降に発表された書籍でも、『少年画報大全』を参考文献に加えてないもので、同じ事柄のデータが違っていた場合、私のデータの方が正しい筈だ。(笑)
『少年画報大全』発表後、私に何の挨拶もなく、データや掲載した画像を無断引用している評論家や研究者がいる。
素人のファンの人やマニアの人が趣味で楽しんでくれているならお役に立てて嬉しい限りだが、評論家や研究者を名乗りながら、参考文献として、『少年画報大全』の書名をあげてくれる研究者としての最低限のマナーを守れる人が少ないのはなぜだろうか?
彼等のような高学歴ではなく、横浜鶴見の不良少年上がりの私では良く理解出来ない謎である。
ちなみに、有名古書専門店の間では、『少年画報大全』は日本の漫画史を知る上での必須アイテムであり、店の店長達の間では私の顔と名前や正体がすっかりバレてしまっている。(笑)
それはさておき、もうひとつの楽しみは、星まこと氏によるアニメインタビュー。
星さんは一般的には、あまり知られていないが、日本のアニメの研究者としての実力は日本一。
元エイケンの名プロデューサー鷺巣政安氏に師事。
御園まことの名で『図説テレビアニメ全書』(原書房1999年)を監修している。
この本には、現場から見たアニメの歴史として「宇宙戦艦ヤマト」や、「超時空マクロス」など数々のヒット作を手掛けた演出家の石黒昇氏や「風の谷のナウシカ」の作画監督であるアニメーターの小松原一男氏、テレビアニメ創成期からのプランナーとして鷺巣政安氏の特別インタビューも収録されている。
今回の『まんだらけZENBU53』には、
〔「J9シリーズ」でアニメの常識を破りたかった〕
と題して
『ど根性ガエル』脚本、『勇者ライディーン』脚本、『ブロッカー軍団Ⅳマシーンブラスター』シリーズ構成・脚本、『ヤッターマン』脚本、『くじらのホセフィーナ』脚色構成・脚本、『機動戦士ガンダム』脚本、『銀河旋風ブライガー』シリーズ構成・脚本、『銀河烈風バクシンガー』シリーズ構成・脚本、『銀河疾風サスライガー』シリーズ構成・脚本、『亜空大作戦スラングル』シリーズ構成・脚本、『ななこSOS』シリーズ構成・脚本として知られる
山本 優さんのインタビュー9ページを収録している。
星さんとは、10年以上の付き合いになる。
非常に爽やかな兄貴分です。
そして、忘れてはいけないのが成瀬正佑氏の記事。
「護美之山」第2部・護美之砦~貸本漫画B6判単行本大全19~。
今回は【中村書店(其の一)】と補遺、護美之山作家列伝として第八回 井上智はやっぱり凄かった!など14ページ。
近年まで国宝犬山城を個人所有、維持していた名古屋の名家、成瀬家直系の次男である成瀬氏の記事は、毎回オールカラーで単行本のデータを紹介しているので非常に助かります。
川崎のぼる先生のインタビュアーも、せめて成瀬さんの研究レベルの半分くらいは勉強してから司会をして欲しかったのだが・・・。
会場で、久しぶりに成瀬さんと逢えたので、司会者と参加者が逆だろ!と、アンバランスな状態だったのを余計に肌で感じた。
プロの研究者と、あくまでアマチュアの日曜漫画研究家との実力の差をはっきりと感じさせてくれる出来事だった。
漫画史研究家は、漫画評論家と違い、日々の地道なデータ集めが必要とされ、その成果を発表する場も非常に少ない。
だが、漫画評論家が漫画家の先生達にあまり好かれていないことが多いのにくらべ、漫画史研究家に対して先生方は皆、非常に親切である。
少年時代から憧れていた、ちばてつや先生に、名前と顔を覚えてもらえたなんてまるで夢のようである。
赤塚不二夫先生からは、特別のサイン色紙をいただき、松本零士先生の逓信総合博物館の企画展には私もスタッフの一人として協力させてもらった。
漫画史研究家の私としては、とても幸せな日々を過ごしている。
特に一昨年の5月にコミックパークから少女漫画家の先駆けの一人である上田トシコ先生の代表作『フイチンさん』全三巻を発行人・本間正幸として復刊出来たことを思うと何だかとても嬉しいのだ。
『フイチンさん』全三巻は、とても好評なので、上田トシコ先生の代表作となる『お初ちゃん』『ぼんこちゃん』も復刊しました。
上から目線で漫画を語る評論家の人達とは違って、漫画家の先生方は、善人がとても多い。
一人の人間として接する場合、評論家とは付き合いたくないが、漫画家の先生方とは親交を深めていけたらとても幸せである。
漫画史研究者としての私、本間正幸は、お金や名誉、肩書きはなくとも、研究者としてはとても幸せな日々を暮らしている。
これで、いいのだ!(笑)
追伸
少女マンガ家の草分とも言うべき上田トシコ先生の代表作『フイチンさん』全三冊『ぼんこちゃん』『お初ちゃん』の五冊をコンテンツワークスのコミックパークから、オンデマンド出版しています。
発行元は、パインウッドカンパニー、発行名義人は、私、本間正幸となっています。