今日の画像は、上田とし子先生の初期書き下ろし附録の傑作【少女三銃士】と、杉並アニメーションミュージアムで開催された上田トシコ先生追悼展の際にパネル展示された略年譜・主要連載作品年表の原本、【少年画報大全】(少年画報社)、前回発売された『ビッグコミックオリジナル』(小学館)。
『ビッグコミックオリジナル』創刊40周年記念年間開始!!
と共に、テレビコマーシャルなど鳴り物入りで始まった村上もとか先生の巨弾新連載【フイチン再見!】。
2頁見開きの連載予告に始まり、
第一話掲載の7号、巻頭カラー4ページ、白黒24頁、合計28頁。
第二話掲載の8号、白黒24頁。
そして前回の第三話掲載の9号、巻頭カラー4頁、白黒18頁、合計24頁と話が進んで来ている。
少年時代の村上もとか先生が、上田としこ先生が描いた不朽の少女漫画の名作【フイチンさん】に出会った昭和34年から物語は始まり、昭和33年の上田家にて登場人物紹介、そして上田としこ先生の視点で、前回迄に戦前の満州の暮らしへと時代が遡ってきた。
これから、どのようにして波瀾万丈な上田としこ先生の人生が展開していくのか、私はほんのチョッピリだけ知っている。
何故なら、杉並アニメーションミュージアムで、上田トシコ先生の追悼展を企画した際、略年譜・主要連載作品年表を構成したのは、メトロポリス漫画総合研究所を主宰する漫画史研究家の本間正幸、私なのだから。(*´∀`)♪
これから【フイチン再見!】を人より2倍楽しむためには、上田としこ先生の正確な略年譜・主要連載作品年表を参考に【フイチンさん】を読むことをお勧めしたい。
私は、2001年春に上田トシコ先生にインタビューする幸運に恵まれた。
幻のお嬢様雑誌として、それまで漫画評論家の間では、あまり語られることのなかった『少女ロマンス』(明々社)での活動を中心に、戦前戦後の上田トシコ先生の人生にいち早く触れることが出来た。
偶然にも同時期、2001年夏に弥生美術館で「倉金章介・上田としこ・今村洋子」展が開催された。
展示会での解説書や、上田としこ先生のインタビューと、三谷薫氏のデータを元に、私が主宰するメトロポリス漫画総合研究所と、杉並アニメーションミュージアムで、略年譜・主要連載作品年表を作成。
再度読み返される需要の少ない多くの漫画評論家の文章と違い、実証的なデータに基づき社会学的な視点で漫画史研究家の手により作られた史料は、こういう時にこそ役に立つのだ。(*´∀`)♪
【フイチンさん】【お初ちゃん】【ぼんこちゃん】【ぼくちゃん】など主要作品の単行本や附録、上田としこ先生関連書籍の大半は既に私の手中にある。
小学生の頃から35年以上のコレクター歴となる昭和時代の少年少女漫画コレクターであり、2001年には【少年画報大全】で漫画史研究家としてメジャーデビューを飾り、チクマ秀版社の「もん・りいぶる」シリーズにて水木しげる先生の【河童の三平】、水野英子先生の【ハニーハニーのすてきな冒険】、望月あきら先生の【ゆうひが丘の総理大臣】、近年再映画化され話題を呼んだ【愛と誠】のプロトタイプとなる梶原一騎先生原作・かざま鋭二先生作画【朝日の恋人】、青春漫画の巨匠・永島慎二先生の短篇を集めたアンソロジー【永島慎二の世界】、【750ライダー】で知られる石井いさみ先生が描いたサッカー漫画の元祖【くたばれ!涙くん】など数々の名作漫画を厳選し出版プロデュースしてきた出版プロデューサーとしての自負が私にはある。
2001年にメジャーデビューを飾った昭和時代の少年少女漫画史研究家の成果、及び評価については、これから時が過ぎていけばはっきりしていくことだろう。
以下の文章は、関連記事の再録です。
本日の画像は、今日発売されたばかりの【ビッグコミックオリジナル】5月増刊号と、4月5日に発売された『ビッグコミックオリジナル』8号、そして藤子不二雄先生の【海の王子】の新連載が開始された記念すべき『週刊少年サンデー』(小学館)創刊号(1959年・昭和34年)と、『週刊少年マガジン』(講談社)創刊号復刻版。
現在、在野にいる数少ない漫画史研究家として活動する漫画コレクターの私に大きな影響を与え、その後の人生を大きく左右させた運命的な漫画がある。
藤子不二雄A先生の【まんが道】だ。
私が最初に読んだのは、1977年に『コロコロコミック』に連載された吉田忠先生の【藤子不二雄物語 ハムサラダくん】。
直ぐに『週刊少年キング』(少年画報社)で藤子先生本人による【まんが道】が連載されていることに気づき、三巻目まで発売されていた単行本を購入し、それ以降、単行本が発売される度に買い揃えてきた思い出深い作品で、出逢ってから37年になる。
作中に紹介されていた手塚治虫先生の【新宝島】や初期SF三部作の【ロストワールド】【来るべき世界】【メトロポリス】や、足塚不二雄名義で描き下ろされ鶴書房から発行された【UTOPIA 最後の世界大戦】の作品が読みたくて単行本を探したけれども、実物は中々見つからなかった。
当時は、漫画を専門に扱う古本屋も殆んどなく、神保町の中野書店だけが別格だった。
1978年11月に現代マンガ図書館がオープンした際、開館記念の漫画大即売展が行われたが、小学生の小遣い(当時で月に600円)では横浜からの往復の交通費だけでもばかにならず、購入出来た本は、貸本上がりでボロボロに痛んだ本数冊くらい。
いつの日にか、一度でいいから【まんが道】に紹介されている手塚先生の初期作品や、【UTOPIA 最後の世界大戦】を読んでみたい。
そう夜空の星に願ったものだ。
【ビッグオリジナル】8号本誌では、ビッグコミックオリジナル増刊号連載 藤子不二雄@氏『愛・・・しりそめし頃に・・・』完結直前記念メッセージ企画!!
として、各界著名人84名のメッセージが寄せられている。
先ずは中綴じのカラーページに色紙で
一ページ目。
高橋留美子、水島新司、やまさき十三+北見けんいち、弘兼憲史の4枚。
二ページ目。
ちばてつや、あだち充、浦沢直樹、赤塚りえ子(フジオ・プロダクション社長)、加藤山羊、村上たかし、やまあき道屯、7枚までが紹介されている。
*敬称略、順不同。なお漫画家及び原作者の方々の肩書きは省略させていただいております。
三ページ目から白黒で活字のみ。
黒鉄ヒロシ、北原雅紀、魚戸おさむ、あおきてつお、安倍夜郎、吉田戦車、長崎尚志、テリー山本、森栗丸、村松誠、野村知紗、西岸良平、高橋遠州、永松潔、14枚。
*藤子不二雄A氏の本名は、安孫子素雄。
4ページ目。
村上もとか、尾瀬あきら、業田良家、イシデ電、大橋巨泉(タレント)、ロドリゲス井之介、かざま鋭二、坂田信弘、内田かずひろ、小田扉、花輪和一、山川直人、寺沢大介、12枚。
5ページ目。
いとう耐、杉作、相場英雄、くじらいいく子、宮崎克、石塚真一、田中むねよし、古谷三敏、井浦秀夫、中山昌亮、つのだじろう、武論尊、さいとう・たかを、青木朋、14枚。
6ページ目。
鴻上尚史(作家・演出家)、大平透(声優)、石坂浩二(俳優)、王貞治(福岡ソフトバンクホークス取締役会長)、関口宏(司会者)、西原理恵子、秋本治、林家木久扇(落語家)、星野之宣、大野智(「嵐」)、バッファロー吾郎A(お笑い芸人)、青木功(プロゴルファー)、伊集院光(タレント)、13枚。
7ページ目。
とがしやすたか、かわぐちかいじ、藤田和日郎、荒木飛呂彦、江口寿史、萩尾望都、ハロルド作石、あらゐけいいち、山本おさむ、竹熊健太郎(漫画評論家)、長友啓典(グラフィックデザイナー)、11枚。
8ページ目。
浜田ブリトニー、中村真理子、戸田利吉郎(少年画報社社長・元「少年キング」編集長)、有間しのぶ、鈴木伸一(杉並アニメーションミュージアム館長)、京極夏彦(小説家・妖怪研究家)、島本和彦、そして一丸のみ文字主体でイラスト付き、8枚。
それぞれの思いに、昭和から平成にかけての43年に及ぶ【まんが道】の歴史が感じられる。
はじめに
手塚治虫に憧れる少年・満賀道雄は、同級生の才野茂と共に漫画家になるため富山から上京した。
手塚の紹介で入居した「トキワ荘」には寺田ヒロオがおり、その後、石森章太郎、赤塚不二夫も入居する。
この物語は、漫画を愛し全てを賭けた、彼らの『まんが道』の記録である。
前作『まんが道』から43年。
満賀道雄と才野茂が駆け抜けてきた「漫画一色の青春」が今、終わりを告げる・・・・・・
"まんが道"を歩む、巨匠達の青春群像!!
漫画を心から愛し
そして、愛された男たちがいた・・・万感胸に迫る最終話・・・!!
夢の99 あたらしい出発!
登場人物
満賀道雄。
手塚治虫に憧れ上京、才野とコンビを組んでいる。
才野茂。
満賀と共に富山から上京。
コンビを組んで漫画家として活動。
赤塚不二夫。
石森のアシスタント的存在だったが、一躍売れっ子作家に。
石森章太郎。
トキワ荘の若き天才漫画家。
つのだじろう。
満賀たちと共に新しい漫画を作ろうとする仲間。
手塚治虫。
満賀たちが憧れ、目標とする大漫画家。満賀をトキワ荘に導いた恩人。
白黒20ページと、ラストがカラーで4ページ。
扉でなく、ラストをカラーページで飾るのは、『月刊少年画報』(少年画報社)の看板作品だった【怪物くん】のラストと同じで素晴らしい。
現在、第11集が大人気発売中!!
漫画に全てを賭けた男たちの、熱き青春群像劇!!
時は昭和30年代。
東京・椎名町にあった「トキワ荘」では漫画界の未来の巨匠たちが、熱き青春時代を送っていたー。
名作『まんが道』の続編ともいうべき本作。
最新11集では、実写映画化もされた『怪物くん』誕生秘話や、長嶋茂雄選手の伝記漫画執筆など、知られざるエピソードが満載!
巻末特別付録として、藤子不二雄Aの作品としては珍しいスポーツ・ノンフィクションもの『負けてたまるか 松平康隆』を、ファン待望の単行本初収録!!
特報!!最新第12集、6月下旬発売予定!!
さて、漫画好きな少年だった私が【まんが道】に出会ったことで、読者として37年間もの長きに渡り幸せな人生を歩んで来れたことを藤子不二雄A先生に感謝したい。
そして、これからの人生を生きる上で楽しみとする漫画は、『ビッグコミックオリジナル』7号から、村上もとか先生が新連載を始めたばかりの【フイチン再見!】に期待していきたいと思う。
2008年3月7日、上田としこ先生が亡くなられた。
享年90歳。
2008年夏、私は、杉並アニメーションミュージアムの鈴木伸一館長の要請により、【フイチンさん】上田としこ先生の追悼展に【フイチンさん】のアニメを製作したあにまる屋(現・エクラアニマル)さんと共に協力。
2009年3月、元『少女クラブ』(講談社)編集長・丸山昭さんからの協力要請により、上田としこ先生を偲ぶ会の発起人の末席に名を連ねる。
偲ぶ会の報告をするため、gooでブログを開始。
ブログ開始当初より、現在も一日100人前後の変わらぬ訪問者があります。
そして、コミックパークからオンデマンド出版の書籍として、上田としこ先生の代表作【フイチンさん】全三巻【ぼんこちゃん】【お初ちゃん】を編集し、B6版並製1050円にて販売開始。
今年は電子書籍として、大日本印刷のhontoから、525円で販売開始。
上田としこ先生が亡くなられて早5年、3月5日に発売された『ビッグコミックオリジナル』(小学館)の次号予告に、
「龍-RON-」終了より約7年、「JIN-仁-」終了より約2年
村上もとかが描く、漫画の青き春!!!
巻頭カラー!!巨弾新連載
彼女の前に道はなかった。
彼女のあとに道はできた。
漫画家・上田としこ。
2008年没、享年90歳。
彼女を主人公に、
漫画の・・・・・・
いや、日本そのものの
青春を描く!
【フイチン再見!(ツァイチェン)】村上もとか
が発表されると、たちまちネット上で話題沸騰となっている。
私が上田としこ先生の【フイチンさん】に出会ったのは、今から35年以上昔の小学生の頃。
2001年夏、【少年画報大全】(少年画報社)で、私が漫画史研究家としてメジャーデビューを飾る際には、念願叶って初対面となる上田としこ先生の貴重なインタビューと、お借りした数々の写真が彩りを添えて出版界で評判を呼びます。
弥生美術館での展示会、2004年、関係者向けに行われたエクラアニマルの【フイチンさん】アニメ完成試写会には、未だ無名に近い、駆け出しの漫画史研究家だった私を、招待客の一人に加えてくださった上田先生の優しさに僕は・・・。
「フイチンさん」
日本の少女マンガの黎明期からパイオニアの一人として活躍を続け、名実ともに常に第一人者であり続けた上田トシコさん。
今回、その代表作である「フイチンさん」「ぼんこちゃん」「お初ちゃん」の三作品を初の電子書籍化しました。
「フイチンさん」は、『月刊少女クラブ』(講談社)に昭和32年1月号~昭和37年3月号まで連載された作品。
満州(現在の中国東北部)を舞台にハルピン一の大金持ちリュウ家の門番の娘である少女フイチンさんを主人公に満州で暮らす人々の生活を暖かい目線で描いています。 昭和35年上田トシコさんは「フイチンさん」「ぼんこちゃん」ほかで第5回小学館漫画賞を受賞しています。
2004年には、あにまる屋(現在のエクラアニマル)制作のアニメとして下北沢トリウッドでロードショー上映されました。
新たなファン層を拡大し続けている少女漫画世界不朽の名作であり、上田トシコさんの代表作として四度の単行本化。
2009年のオンデマンド化を経て、今回満を持して初の電子書籍化が実現したのです。
上田トシコさんの人生は、波乱万丈でありNHK朝ドラの主人公のようなものでした。
ドラマ化もされた医療漫画『JIN-仁-』の村上もとかさんの新作は、上田トシコさんをモデルにするという話ですから、少女漫画ファンだけでなく自他共に漫画好きを自認する皆さんには必読の書となること間違いなしですね!
「正ちゃんの冒険」から始まる日本の少年少女マンガ史90年の歴史の中で最重要作品とも云える「フイチンさん」「ぼんこちゃん」を皆さんも是非この機会に御一読いただけたら幸いです。
漫画史研究家 本間正幸
『ビッグコミックオリジナル』創刊40周年記念年間開始!!
と共に、テレビコマーシャルなど鳴り物入りで始まった村上もとか先生の巨弾新連載【フイチン再見!】。
2頁見開きの連載予告に始まり、
第一話掲載の7号、巻頭カラー4ページ、白黒24頁、合計28頁。
第二話掲載の8号、白黒24頁。
そして前回の第三話掲載の9号、巻頭カラー4頁、白黒18頁、合計24頁と話が進んで来ている。
少年時代の村上もとか先生が、上田としこ先生が描いた不朽の少女漫画の名作【フイチンさん】に出会った昭和34年から物語は始まり、昭和33年の上田家にて登場人物紹介、そして上田としこ先生の視点で、前回迄に戦前の満州の暮らしへと時代が遡ってきた。
これから、どのようにして波瀾万丈な上田としこ先生の人生が展開していくのか、私はほんのチョッピリだけ知っている。
何故なら、杉並アニメーションミュージアムで、上田トシコ先生の追悼展を企画した際、略年譜・主要連載作品年表を構成したのは、メトロポリス漫画総合研究所を主宰する漫画史研究家の本間正幸、私なのだから。(*´∀`)♪
これから【フイチン再見!】を人より2倍楽しむためには、上田としこ先生の正確な略年譜・主要連載作品年表を参考に【フイチンさん】を読むことをお勧めしたい。
私は、2001年春に上田トシコ先生にインタビューする幸運に恵まれた。
幻のお嬢様雑誌として、それまで漫画評論家の間では、あまり語られることのなかった『少女ロマンス』(明々社)での活動を中心に、戦前戦後の上田トシコ先生の人生にいち早く触れることが出来た。
偶然にも同時期、2001年夏に弥生美術館で「倉金章介・上田としこ・今村洋子」展が開催された。
展示会での解説書や、上田としこ先生のインタビューと、三谷薫氏のデータを元に、私が主宰するメトロポリス漫画総合研究所と、杉並アニメーションミュージアムで、略年譜・主要連載作品年表を作成。
再度読み返される需要の少ない多くの漫画評論家の文章と違い、実証的なデータに基づき社会学的な視点で漫画史研究家の手により作られた史料は、こういう時にこそ役に立つのだ。(*´∀`)♪
【フイチンさん】【お初ちゃん】【ぼんこちゃん】【ぼくちゃん】など主要作品の単行本や附録、上田としこ先生関連書籍の大半は既に私の手中にある。
小学生の頃から35年以上のコレクター歴となる昭和時代の少年少女漫画コレクターであり、2001年には【少年画報大全】で漫画史研究家としてメジャーデビューを飾り、チクマ秀版社の「もん・りいぶる」シリーズにて水木しげる先生の【河童の三平】、水野英子先生の【ハニーハニーのすてきな冒険】、望月あきら先生の【ゆうひが丘の総理大臣】、近年再映画化され話題を呼んだ【愛と誠】のプロトタイプとなる梶原一騎先生原作・かざま鋭二先生作画【朝日の恋人】、青春漫画の巨匠・永島慎二先生の短篇を集めたアンソロジー【永島慎二の世界】、【750ライダー】で知られる石井いさみ先生が描いたサッカー漫画の元祖【くたばれ!涙くん】など数々の名作漫画を厳選し出版プロデュースしてきた出版プロデューサーとしての自負が私にはある。
2001年にメジャーデビューを飾った昭和時代の少年少女漫画史研究家の成果、及び評価については、これから時が過ぎていけばはっきりしていくことだろう。
以下の文章は、関連記事の再録です。
本日の画像は、今日発売されたばかりの【ビッグコミックオリジナル】5月増刊号と、4月5日に発売された『ビッグコミックオリジナル』8号、そして藤子不二雄先生の【海の王子】の新連載が開始された記念すべき『週刊少年サンデー』(小学館)創刊号(1959年・昭和34年)と、『週刊少年マガジン』(講談社)創刊号復刻版。
現在、在野にいる数少ない漫画史研究家として活動する漫画コレクターの私に大きな影響を与え、その後の人生を大きく左右させた運命的な漫画がある。
藤子不二雄A先生の【まんが道】だ。
私が最初に読んだのは、1977年に『コロコロコミック』に連載された吉田忠先生の【藤子不二雄物語 ハムサラダくん】。
直ぐに『週刊少年キング』(少年画報社)で藤子先生本人による【まんが道】が連載されていることに気づき、三巻目まで発売されていた単行本を購入し、それ以降、単行本が発売される度に買い揃えてきた思い出深い作品で、出逢ってから37年になる。
作中に紹介されていた手塚治虫先生の【新宝島】や初期SF三部作の【ロストワールド】【来るべき世界】【メトロポリス】や、足塚不二雄名義で描き下ろされ鶴書房から発行された【UTOPIA 最後の世界大戦】の作品が読みたくて単行本を探したけれども、実物は中々見つからなかった。
当時は、漫画を専門に扱う古本屋も殆んどなく、神保町の中野書店だけが別格だった。
1978年11月に現代マンガ図書館がオープンした際、開館記念の漫画大即売展が行われたが、小学生の小遣い(当時で月に600円)では横浜からの往復の交通費だけでもばかにならず、購入出来た本は、貸本上がりでボロボロに痛んだ本数冊くらい。
いつの日にか、一度でいいから【まんが道】に紹介されている手塚先生の初期作品や、【UTOPIA 最後の世界大戦】を読んでみたい。
そう夜空の星に願ったものだ。
【ビッグオリジナル】8号本誌では、ビッグコミックオリジナル増刊号連載 藤子不二雄@氏『愛・・・しりそめし頃に・・・』完結直前記念メッセージ企画!!
として、各界著名人84名のメッセージが寄せられている。
先ずは中綴じのカラーページに色紙で
一ページ目。
高橋留美子、水島新司、やまさき十三+北見けんいち、弘兼憲史の4枚。
二ページ目。
ちばてつや、あだち充、浦沢直樹、赤塚りえ子(フジオ・プロダクション社長)、加藤山羊、村上たかし、やまあき道屯、7枚までが紹介されている。
*敬称略、順不同。なお漫画家及び原作者の方々の肩書きは省略させていただいております。
三ページ目から白黒で活字のみ。
黒鉄ヒロシ、北原雅紀、魚戸おさむ、あおきてつお、安倍夜郎、吉田戦車、長崎尚志、テリー山本、森栗丸、村松誠、野村知紗、西岸良平、高橋遠州、永松潔、14枚。
*藤子不二雄A氏の本名は、安孫子素雄。
4ページ目。
村上もとか、尾瀬あきら、業田良家、イシデ電、大橋巨泉(タレント)、ロドリゲス井之介、かざま鋭二、坂田信弘、内田かずひろ、小田扉、花輪和一、山川直人、寺沢大介、12枚。
5ページ目。
いとう耐、杉作、相場英雄、くじらいいく子、宮崎克、石塚真一、田中むねよし、古谷三敏、井浦秀夫、中山昌亮、つのだじろう、武論尊、さいとう・たかを、青木朋、14枚。
6ページ目。
鴻上尚史(作家・演出家)、大平透(声優)、石坂浩二(俳優)、王貞治(福岡ソフトバンクホークス取締役会長)、関口宏(司会者)、西原理恵子、秋本治、林家木久扇(落語家)、星野之宣、大野智(「嵐」)、バッファロー吾郎A(お笑い芸人)、青木功(プロゴルファー)、伊集院光(タレント)、13枚。
7ページ目。
とがしやすたか、かわぐちかいじ、藤田和日郎、荒木飛呂彦、江口寿史、萩尾望都、ハロルド作石、あらゐけいいち、山本おさむ、竹熊健太郎(漫画評論家)、長友啓典(グラフィックデザイナー)、11枚。
8ページ目。
浜田ブリトニー、中村真理子、戸田利吉郎(少年画報社社長・元「少年キング」編集長)、有間しのぶ、鈴木伸一(杉並アニメーションミュージアム館長)、京極夏彦(小説家・妖怪研究家)、島本和彦、そして一丸のみ文字主体でイラスト付き、8枚。
それぞれの思いに、昭和から平成にかけての43年に及ぶ【まんが道】の歴史が感じられる。
はじめに
手塚治虫に憧れる少年・満賀道雄は、同級生の才野茂と共に漫画家になるため富山から上京した。
手塚の紹介で入居した「トキワ荘」には寺田ヒロオがおり、その後、石森章太郎、赤塚不二夫も入居する。
この物語は、漫画を愛し全てを賭けた、彼らの『まんが道』の記録である。
前作『まんが道』から43年。
満賀道雄と才野茂が駆け抜けてきた「漫画一色の青春」が今、終わりを告げる・・・・・・
"まんが道"を歩む、巨匠達の青春群像!!
漫画を心から愛し
そして、愛された男たちがいた・・・万感胸に迫る最終話・・・!!
夢の99 あたらしい出発!
登場人物
満賀道雄。
手塚治虫に憧れ上京、才野とコンビを組んでいる。
才野茂。
満賀と共に富山から上京。
コンビを組んで漫画家として活動。
赤塚不二夫。
石森のアシスタント的存在だったが、一躍売れっ子作家に。
石森章太郎。
トキワ荘の若き天才漫画家。
つのだじろう。
満賀たちと共に新しい漫画を作ろうとする仲間。
手塚治虫。
満賀たちが憧れ、目標とする大漫画家。満賀をトキワ荘に導いた恩人。
白黒20ページと、ラストがカラーで4ページ。
扉でなく、ラストをカラーページで飾るのは、『月刊少年画報』(少年画報社)の看板作品だった【怪物くん】のラストと同じで素晴らしい。
現在、第11集が大人気発売中!!
漫画に全てを賭けた男たちの、熱き青春群像劇!!
時は昭和30年代。
東京・椎名町にあった「トキワ荘」では漫画界の未来の巨匠たちが、熱き青春時代を送っていたー。
名作『まんが道』の続編ともいうべき本作。
最新11集では、実写映画化もされた『怪物くん』誕生秘話や、長嶋茂雄選手の伝記漫画執筆など、知られざるエピソードが満載!
巻末特別付録として、藤子不二雄Aの作品としては珍しいスポーツ・ノンフィクションもの『負けてたまるか 松平康隆』を、ファン待望の単行本初収録!!
特報!!最新第12集、6月下旬発売予定!!
さて、漫画好きな少年だった私が【まんが道】に出会ったことで、読者として37年間もの長きに渡り幸せな人生を歩んで来れたことを藤子不二雄A先生に感謝したい。
そして、これからの人生を生きる上で楽しみとする漫画は、『ビッグコミックオリジナル』7号から、村上もとか先生が新連載を始めたばかりの【フイチン再見!】に期待していきたいと思う。
2008年3月7日、上田としこ先生が亡くなられた。
享年90歳。
2008年夏、私は、杉並アニメーションミュージアムの鈴木伸一館長の要請により、【フイチンさん】上田としこ先生の追悼展に【フイチンさん】のアニメを製作したあにまる屋(現・エクラアニマル)さんと共に協力。
2009年3月、元『少女クラブ』(講談社)編集長・丸山昭さんからの協力要請により、上田としこ先生を偲ぶ会の発起人の末席に名を連ねる。
偲ぶ会の報告をするため、gooでブログを開始。
ブログ開始当初より、現在も一日100人前後の変わらぬ訪問者があります。
そして、コミックパークからオンデマンド出版の書籍として、上田としこ先生の代表作【フイチンさん】全三巻【ぼんこちゃん】【お初ちゃん】を編集し、B6版並製1050円にて販売開始。
今年は電子書籍として、大日本印刷のhontoから、525円で販売開始。
上田としこ先生が亡くなられて早5年、3月5日に発売された『ビッグコミックオリジナル』(小学館)の次号予告に、
「龍-RON-」終了より約7年、「JIN-仁-」終了より約2年
村上もとかが描く、漫画の青き春!!!
巻頭カラー!!巨弾新連載
彼女の前に道はなかった。
彼女のあとに道はできた。
漫画家・上田としこ。
2008年没、享年90歳。
彼女を主人公に、
漫画の・・・・・・
いや、日本そのものの
青春を描く!
【フイチン再見!(ツァイチェン)】村上もとか
が発表されると、たちまちネット上で話題沸騰となっている。
私が上田としこ先生の【フイチンさん】に出会ったのは、今から35年以上昔の小学生の頃。
2001年夏、【少年画報大全】(少年画報社)で、私が漫画史研究家としてメジャーデビューを飾る際には、念願叶って初対面となる上田としこ先生の貴重なインタビューと、お借りした数々の写真が彩りを添えて出版界で評判を呼びます。
弥生美術館での展示会、2004年、関係者向けに行われたエクラアニマルの【フイチンさん】アニメ完成試写会には、未だ無名に近い、駆け出しの漫画史研究家だった私を、招待客の一人に加えてくださった上田先生の優しさに僕は・・・。
「フイチンさん」
日本の少女マンガの黎明期からパイオニアの一人として活躍を続け、名実ともに常に第一人者であり続けた上田トシコさん。
今回、その代表作である「フイチンさん」「ぼんこちゃん」「お初ちゃん」の三作品を初の電子書籍化しました。
「フイチンさん」は、『月刊少女クラブ』(講談社)に昭和32年1月号~昭和37年3月号まで連載された作品。
満州(現在の中国東北部)を舞台にハルピン一の大金持ちリュウ家の門番の娘である少女フイチンさんを主人公に満州で暮らす人々の生活を暖かい目線で描いています。 昭和35年上田トシコさんは「フイチンさん」「ぼんこちゃん」ほかで第5回小学館漫画賞を受賞しています。
2004年には、あにまる屋(現在のエクラアニマル)制作のアニメとして下北沢トリウッドでロードショー上映されました。
新たなファン層を拡大し続けている少女漫画世界不朽の名作であり、上田トシコさんの代表作として四度の単行本化。
2009年のオンデマンド化を経て、今回満を持して初の電子書籍化が実現したのです。
上田トシコさんの人生は、波乱万丈でありNHK朝ドラの主人公のようなものでした。
ドラマ化もされた医療漫画『JIN-仁-』の村上もとかさんの新作は、上田トシコさんをモデルにするという話ですから、少女漫画ファンだけでなく自他共に漫画好きを自認する皆さんには必読の書となること間違いなしですね!
「正ちゃんの冒険」から始まる日本の少年少女マンガ史90年の歴史の中で最重要作品とも云える「フイチンさん」「ぼんこちゃん」を皆さんも是非この機会に御一読いただけたら幸いです。
漫画史研究家 本間正幸