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祝!昭和百年!200万PV達成!漫画史研究家・本間正幸監修【少年画報大全】(少年画報社・現在三刷)

【20世紀冒険活劇の少年世界】メトロポリス漫画総合研究所(since1997)から、昭和の映画、出版美術、音楽を!

メルヘンの王様、やなせたかし展

2009-04-13 20:24:37 | 弥生美術館&竹久夢二美術館 日本出版美術研究会
この前の、オーラの泉で、竹久夢二美術館が紹介されていたが、同じ敷地にある弥生美術館と二館併せて御覧頂けるので、今日は弥生美術館の案内です。

2009年4月3日(金曜)から6月28日(日曜)まで

メルヘンの王様・やなせたかし展
-(詩とメルヘン)からアンパンマンまで-

と題しての企画展である。
休館日:月曜日(GW期間中は無休)
開館時間:午前10時ー午後5時
料金:一般900円・大高生800円・中小生400円

〒113-0032
東京都文京区弥生2-4-3
弥生美術館
TEL.03-3812-0012
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp
東京メトロ
千代田線根津駅or南北線東大前駅共に徒歩7分

チラシには、次のような言葉がある。

(アンパンマン)で有名な漫画家・やなせたかしは、同時に作詞家・詩人・作家・画家・編集者でもあります。
作詞では、(手のひらを太陽に)、編集者としては(詩とメルヘン)の責任編集の仕事がよく知られています。
また、自ら(やなせメルヘン)と名づけた幻想と抒情に満ちた短編絵物語を多く描き、それは戦後の文化史に大きな足跡を残しています。
(アンパンマン)も当初は(やなせメルヘン)のひとつとして描かれたのでした。2009年、90歳の誕生日を迎える記念すべき年に、やなせたかしの核にある(やなせメルヘン)に焦点を当てながら、その仕事の全貌をご紹介します。

5月10日(日曜)午後2時より学芸員によるギャラリートークを行います。

その日の午後3時からは引続き竹久夢二美術館でのギャラリートークが行われ、午後4時からは、隣の喫茶店で日本出版美術研究会の会合が開かれるのだ。

私は、この日本出版美術研究会に2002年から所属しているのだが、一般にはあまり知られた研究会ではなく、どうやって入るのかもいまだ謎のまるでフリーメイスンのような会である。
年4回、ギャラリートークの後に開かれるこの会は、弥生美術館、竹久夢二美術館の学芸員を中心に大学教授や児童文学の研究者など各界に籍を置く人達との情報交換及び近況報告があり、毎回知的好奇心をくすぐられる。

さて、肝心のやなせたかし先生と私との関係についてなのだが、社団法人日本漫画家協会理事長と一正会員との関係でしかない。
ただ、やなせたかし先生の所へ出した年賀状へは毎年返事が貰えるし、漫画家協会の総会や各種パーティ会場ではいつも遠くからそのお姿を拝見している。
漫協には目安箱があり、予算の関係で新しい会員名簿が作られなくなった時、私が(新しい会員名簿は作らないんですか?)
と意見を書いたところ、総会の席上でやなせたかし先生が
(会員名簿は新しくした方がいいから作ろう。予算がなければ私が出す。)
とおっしゃり、新しい会員名簿が作られたのだ。
また、次の年別の正会員が
(漫協の会員バッチがあるといいな)
と目安箱に書いたところ、またしても、やなせたかし先生のポケットマネーで新しい会員バッチが作られた。
自分のためだけではなく、皆のためになるならば、協力を惜しまない。
昨年の秋、京都で開かれた第9回国際マンガサミット京都大会の別れの夕べにおいて、やなせたかし先生が(手のひらを太陽に)
を歌い出すと、日本・韓国・中国・台湾・香港など13ヵ国から参加のマンガ家・関係者などの間から大合唱がおこり、涙がこぼれてしまいそうになった。
私は、やなせたかし先生を理事長とし、ちばてつや先生達を役員とする社団法人日本漫画家協会の正会員であることを何よりも誇りに感じている。
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桜の花と伊藤彦造の初陣の絵

2009-04-08 21:04:45 | 弥生美術館&竹久夢二美術館 日本出版美術研究会
伊藤彦造、滅びの美学を描く、血塗られた絵師とも称される私の大好きな挿絵画家の一人。
サムライの姿を多く描いたこの昭和の絵師の絵の中でも、特に好きなのが初陣のタイトルで発表されたこの一枚。(少年画報・1951年4月号)
進学、就職の春のはなむけとして描かれた爽やかな一枚の絵、彦造自身は
馬上の若武者は、吹き散る桜花を馬足にかけるのを惜しんで、軍扇にうけとめようとする優雅で、しかも勇ましい心をあらわした絵です。
とコメントしているのだが、私には、この絵の中に一つのドラマが見える。


父親がまだ幼い頃に合戦で討ち死にしたため、いまは没落しかけた武家の名門の一族の若武者。
初陣に際して、父の代わりに叔父達の手により、一族の若武者としてはずかしめを受けないだけの立派な武具や甲冑を揃えて貰い合戦に赴くところだ。
だがこの合戦、既に敵方の方が有利との情報もあり、武将なのにも関わらずお供の者たちもなく、一人敵陣へと馳せ参じなければならない。
その道中、桜の花の散るのを見て、ふと立ち止まり

今年も綺麗な桜の花が咲き誇っている。
だが、果たして我が身は来年もこの桜の花が見れるのであろうか。

と一人、物思いに耽る姿。
サムライとは、義のためならば、負けるとわかっていても戦いにのぞまなければならない。
その自らの宿命に従い、精一杯日々を生きていく姿。
画像は、少年画報大全発売時に、読者プレゼントとして8枚組限定500セット作成した絵葉書の一枚。
2001年の私の年賀状は、漫画史研究家としての初陣にあたり、決意表明を兼ねてこの絵を使った年賀状を15枚ほど送らせてもらった。ここ数年の年賀状は200枚前後に増えている。

春、桜の花が咲く季節になると、いつも部屋に飾っているこの絵を一人眺めている。
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