【週刊ゲーム市場分析】「ソウルキャリバーV」はなぜ減少?&PS VITAソフトのダウンロード販売のシェアは?

2012年02月12日 | 団長は断腸の思い
ゲームソフトの週間販売本数からゲーム市場を分析する記事の第40回。

コンシューマソフト週間販売ランキングTop20(4gamer.net/メディアクリエイト調べ)
※上記の週間販売本数以外のデータ(前作データ等)はすべてゲームデータ博物館様(ファミ通データ)より転載。


■「ソウルキャリバーV」は、ナンバリングとしては初めて10万本を大きく割り込む

新作の一番手は「ソウルキャリバーV」(PS3版3.4万本、XB360版との合算で4.2万本)。
ここで「ソウルキャリバー」シリーズおよび前身の「ソウルエッジ」の販売推移を見てみる。


シリーズの初週本数は毎回10万本~15万本強と非常に安定したが、今作「V」はその半分にも
満たない出足となった。大きく減少した理由として、前作のボリューム不足などの不満点が、
今作の出足に影響したことが挙げられる。

ユーザーレビューサイト「PS3mk2」様のレビューを見ても、前作「IV」の評価は他のシリーズ作品に比べても
芳しくなく、前作に満足できなかったユーザーが続編の購入を控えた、というストレートな理由ではないだろうか。


■「バイオハザード リベレーションズ」は“モンハン効果”第1号か

「ソウルキャリバーV」を抑えて首位に立ったのは、発売2週目の「バイオハザード リベレーションズ」。
ここで近年の「バイオハザード」シリーズ(「4」以降」)の販売推移を見てみる。



同シリーズは派生タイトルや移植・リメイクが多く、どのタイトルを比較対象にするのか難しいが
ナンバリングタイトルに次ぐ“2番手集団”としてはトップクラスの出足。

好調な理由のひとつには、「モンスターハンター3(トライ)G」の存在が挙げられそうだ。
以前の分析で取り上げた「サード製ミリオンヒットの早期誕生」の効果がさっそく現れてきたのではなかろうか。
また、今回の「バイオ」も、「モンハン」同様、マルチプレイを重視している点も見逃せないところ。


■PS VITAソフトのダウンロード販売のシェアは?

こういった販売ランキングはすべてパッケージ販売のみで、ダウンロード販売は含まれていない。
ダウンロード販売の数値はメーカーだけが知り得るブラックボックスであり、
調査会社が集計するためには、ユーザーに対して広くアンケートを取り、推計するしかない。

ユーザー対象のアンケートとしては、kotaku japanがPS VITAユーザー向けの
「PlayStation Vita発売から丸1ヶ月。ぶっちゃけ使ってみてどうだった?」のアンケートの結果を公開した。

ネットアンケートは一定の方向に誘導されやすいが、「故障率10%」など生々しい数字も出ており
まったく信頼できないということもなさそうだ。

このアンケートによると、ダウンロード版の選択率は40%とのこと。(3461人中1397人)
ネットアンケートなのでネット関係の数値はかなり高めに出ていると思われるものの、
この数値はダウンロード版のシェアの上限値として考えることができそうだ。

次に自分が注目したのは、PSストアの各タイトルの評価件数。
PSフォーマットのダウンロード販売はPSストア経由でないと購入できず、またタイトルの評価は
購入した人しか入れることができないため、評価件数はダウンロード販売本数にある程度比例する可能性がある。

また、ダウンロード販売と評価件数の相関性については、「シュタインズ・ゲート」が
ダウンロード販売3000本で評価件数200件(以上)という数値が発表されたことがある。→コチラ

上記のデータから係数を求めれば、おぼろげながらダウンロード販売本数が見えてきそうだが、
そもそも評価を入れるのは通常、ある程度ゲームをプレイしてから、または攻略してからだろう。
いつかこの連載で推定値を出してみたいものの、それは随分先のことになるかもしれない。

・・と言いつつも、「みんなのGOLF6」について、現時点のデータのみでざっくり試算してみると
同タイトルのダウンロード販売のシェアは、販売全体の「20%」という結果が出てきた。

これは相当いい加減な数値なのだけど、この数値を下限値としてしまうと
PS VITAソフトのダウンロード販売シェアは全体の「20%~40%」と推定できる。
信じる信じないは、あなた次第。


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