松岡圭祐の高校生ハードボイルドシリーズ『高校事変』が遂に完結しました。
この最終巻はとにかく戦闘シーンの連続で息つく暇もなく、あれよあれよという間に日本の半分が焦土と化すような危機的状況に至ります。
異母兄弟姉妹たちを始め、様々な事件を通じて関わり合った(元)警察官やクラスメートなどの味方が増えたとはいえ、ヒロインの優莉結衣は所詮高校生に過ぎません。
圧倒的な資金力と軍事力を盾についに表立って日本国家を掌握した優莉家長男・架祷斗に対抗する術はあるのか?
パワーの不均衡さは途方もなく、どこにも打開策がなさそうな絶望的な状況です。
ここで絡んでくるのが(ややネタバレになりますが)智沙子と結衣の母親、昭和・平成時代に二度も日本を滅亡させそうになった凶悪テロリスト・友里佐知子の遺産です。
前回すでに登場していた『探偵の探偵』の紗崎玲奈に加え、この巻では『千里眼』シリーズのスーパーヒロイン岬美由紀も登場します。
シリーズを跨いで展開するストーリーは、ファンには嬉しいですが、『千里眼』シリーズを知らない読者にはもしかすると展開がやや唐突な感じがするかもしれません。
とにかく、『高校事変』シリーズが完結してよかったです。しかも、希望に満ちたハッピーエンドで。
好きか嫌いかで言えば、このシリーズは好きではありません。ハードボイルド小説と言えば聞こえがいいかもしれませんが、やはり過剰・苛烈な暴力シーンの描写は感情的に受け付けられません。
それでも読んでしまうのは、松岡ファンとしての網羅癖であることの他に、やはりこの作品が「読ませる」ものだからです。
歴史小説
書評:松岡圭祐著、『黄砂の籠城 上・下』(講談社文庫)
書評:松岡圭祐著、『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『八月十五日に吹く風』(講談社文庫)
書評:松岡圭祐著、『生きている理由』(講談社文庫)
書評:松岡圭祐著、『ヒトラーの試写室』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『黄砂の進撃』(講談社文庫)
推理小説
水鏡推理シリーズ
書評:松岡圭祐著、『水鏡推理』(講談社文庫)
書評:松岡圭祐著、『水鏡推理2 インパクトファクター』(講談社文庫)
書評:松岡圭祐著、『水鏡推理3 パレイドリア・フェイス』(講談社文庫)
書評:松岡圭祐著、『水鏡推理4 アノマリー』(講談社文庫)
書評:松岡圭祐著、『水鏡推理5 ニュークリアフュージョン』(講談社文庫)
書評:松岡圭祐著、『水鏡推理 6 クロノスタシス』(講談社文庫)
探偵の鑑定シリーズ
書評:松岡圭祐著、『探偵の鑑定I』(講談社文庫)
書評:松岡圭祐著、『探偵の鑑定II』(講談社文庫)
書評:松岡圭祐著、『探偵の探偵IV』(講談社文庫)
高校事変シリーズ
書評:松岡圭祐著、『高校事変』1&2(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『高校事変Ⅲ』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『高校事変』IV+V(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『高校事変 VI』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『高校事変 VII』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『高校事変 VIII』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『高校事変 IX』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『高校事変 X』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『高校事変 XI』(角川文庫)
千里眼シリーズ
書評:松岡圭祐著、『千里眼完全版クラシックシリーズ』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『千里眼の復活』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『千里眼 The Start』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『千里眼 ファントム・クォーター』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『千里眼の水晶体』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『ミッドタウンタワーの迷宮』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『千里眼の教室』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『千里眼 堕天使のメモリー』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『千里眼 美由紀の正体 上・下』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『千里眼 シンガポール・フライヤー 上・下』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『千里眼 優しい悪魔 上・下』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『千里眼 キネシクス・アイ 上・下』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『千里眼 ノン=クオリアの終焉』(角川文庫)
万能鑑定士Qシリーズ
書評:松岡圭祐著、『万能鑑定士Qの最終巻 ムンクの≪叫び≫』(講談社文庫)
書評:松岡圭祐著、『万能鑑定士Qの事件簿 0』
特等添乗員αの難事件シリーズ
書評:松岡圭祐著、『特等添乗員αの難事件 VI』(角川文庫)
グアムの探偵シリーズ
書評:松岡圭祐著、『グアムの探偵』1~3巻(角川文庫)
ecritureシリーズ
書評:松岡圭祐著、『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論』(角川文庫)
書評:松岡圭祐著、『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 II』(角川文庫)
その他