徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

ドイツ情報、ヨーロッパ旅行記、書評、その他「心にうつりゆくよしなし事」

書評:結城光流著、『少年陰陽師 現代編1-2巻』(角川ビーンズ文庫)

2022年11月05日 | 書評ー小説:作者ヤ・ラ・ワ行

『少年陰陽師』の現代版第1巻『近くば寄って目にも見よ』は、1000年の時を超えて本編で関わり合った人物たちと同じ名前を持つ子孫たちが前世の縁に手繰り寄せられるかのように関わり合っているという設定で進められる短編集です。
安倍清明の式となった十二神将たちは相変わらず安倍家に仕えており、安倍家は相変わらず陰陽師を生業をしているのですが、現代は闇も薄くなり、妖もけた外れの強いものは少ないので、昌浩たちは比較的平穏な生活を送っています。
元は特別企画の『パラレル現代版』だった世界は大量の書下ろしを加えて一冊の本になったそうです。



第2巻の『遠の眠りのみな目覚め』では、本格的に長編で、女性を夢に誘い生命力を奪うという化け物が登場します。やがて見鬼の才のある藤原顕子もその化け物に取り込まれそうになり、昌浩が救出に向かうのですが、相手は現代稀に見る桁外れの力を持つ化け物で、決定的な対抗策が見つかるのかどうかが見せ場です。
そして次巻に続く。。。というお約束の終わり方をしています。2018年12月に出版され、早くも4年経ってますが、続刊が出ていないのが残念です。

本編の厳霊編も第5弾『まじなう柱に忍び侘べ』が出たのが2019年10月で、もう3年経過しているのが気になりますね。執筆活動を止めてしまっているのでしょうか。