徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:今野敏著、『機捜235』(光文社文庫)

2022年10月24日 | 書評ー小説:作者カ行

『機捜235』は渋谷署に分駐所を置く警視庁第二機動捜査隊所属の高丸を主人公とする短編集です。公務中に負傷した同僚にかわり、高丸の相棒として新たに着任した白髪頭で風采のあがらない定年間際の男・縞長と組まされるところから始まり、縞長が捜査共助課見当たり捜査班に属していた時に獲得した指名手配犯を一瞬で見分ける特殊能力を発揮して実績を上げて行くうちに、徐々に二人が本当の相棒になっていく過程が描かれます。

刑事ものの小説ばかり読んでいると、機捜は事件の端緒に触れて、刑事が現着したときに報告をしたら姿を消してしまうので、実際の役割・業務内容が見えないものですが、この小説では刑事から下に見られがちの機捜に焦点が当てられ、隊員たちの仕事に対する誇りや葛藤など見えにくい部分が表現されています。


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