うたたねこと

ちょっぴり皮肉、かつ、お気楽
うたた寝ネコが薄目で見た日常と社会

聴き耳頭巾~エコロジー昔話

2008-11-07 09:27:48 | エコロジー(?)昔話
このところ貴重な秋らしい日が続いています。

久々のエコロジー昔話、今回は「聴き耳頭巾」。 
ズバリ自然の声を聴くというものです。

生き物を助けたり親切にしてやったお礼に、動物や草木の声が聞こえる頭巾をもらうという話です。 これは象徴的な物で、小さな生き物にもやさしく心を配る人には、自然の声が聞こえるということでしょう。

後半はその力を使って、病気になった長者(お金持ち)の娘や子どもを救うという話になります。
その屋敷にある古い樹が、根を石や建物に挟まれて苦しんでいるのが原因と分かる。 それは呪いと言うより、繊細で感受性の高い若い女性や幼子が、樹の苦しみに共鳴しているという方が正しいでしょう。 環境汚染が真っ先に子ども達に影響を与えるということは今も現実に見られます。 増え続けるアレルギー疾患もその一つでしょう。

そこで原因を取り除いて病気が治るわけですが、邪魔な石をどけるというパターンの他に、傷んだ樹そのものを切ってしまうという解決策があります。 樹が自らそう望むというのですが、子どもの頃は「そんなの有り?」と納得がいきませんでした。
これは古い物が死んで新しい物が生まれるという、生命の循環を表しているのでしょう。 自然はそのようにして成り立っている。
また、人間が自然に手を加え利用した以上は、その維持管理を責任持って行わなければならないということでしょう。 それを怠ったために樹を傷め、子ども(娘)も苦しむことになったのです。 
野生動物の領分である自然と人間が利用する自然の間の調整も、人間の役割かも知れません。

話はちょっと変わりますが、最近、学校で豚を飼って、それを食肉にして食べるかペットとして引き継ぐか子どもに議論させるという映画が一部で話題になっています。
映画見ないで言うのも何ですが、私はその議論より、そういう設定自体に、工場で化学薬品漬けの食品を製造するような、不自然で気色悪いものを感じます。
昔ほどでないにしても、身の回りに目をこらし耳を澄ませば、小さな自然や命は沢山あります。 それに目を向けず耳を貸さず、不自然な道を突き進む先には、自滅しかないのではと心配します。


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