みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0484「詮索好き」

2019-03-11 18:32:53 | ブログ短編

 久(ひさ)しぶりに会った友達(ともだち)に言われた。
「えっ、別れたの? 全然(ぜんぜん)知らなかった。何で教えてくれなかったの?」
「何でって、そんなこといちいち報告(ほうこく)するようなことじゃ…」
 彼女は私の顔を哀(あわ)れむような目で見つめて…。そんなに私って可哀相(かわいそう)な女?――彼女は私を気づかうように、言葉(ことば)を選(えら)んで……いるようには思えない。
「で、何で別れたの? 参考(さんこう)のために聞かせてよ。ほら、あたしもいつか結婚(けっこん)するし」
 いやいや、何でそんなこと話さなきゃいけないのよ。あなたとは、そんなに親(した)しかったわけじゃないでしょ。呆(あき)れている私を見て、彼女は何を思ったか、
「やっぱりあれでしょ。浮気(うわき)? よくあることなのよ。男ってさ、そういうとこあるから。で、浮気相手(あいて)って美人(びじん)だった? 男って美人に言い寄(よ)られると、ふらふらって…」
「違(ちが)うわよ。そんなんじゃ…」
「じゃあ、あれだ。ほら、価値観(かちかん)が違ったとか、性格(せいかく)の不一致(ふいっち)。まさか、あなた一目惚(ひとめぼ)れで結婚したの? それじゃダメよ。時間をかけて吟味(ぎんみ)しなきゃ。男なんて付き合ってる時には本性(ほんしょう)を現さないんだから。それで結婚したとたんに、こんな人だったのって。――ねえ、どうしたの? さっきからずっと黙(だま)ってるけど。まさか、もっとドロドロって感じ?」
 彼女の話は延々(えんえん)と続いた。ああ、早く帰りたい。私、何でこの娘(こ)とお茶(ちゃ)なんかしてるんだろ。もう、いいじゃない。何で離婚(りこん)したかなんて…。
<つぶやき>詮索(せんさく)好きな人っていますよね。でも、程(ほど)ほどにしないと嫌(きら)われちゃいますよ。
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