とある大企業(だいきぎょう)の重役(じゅうやく)会議。そこでは、様々(さまざま)な人間模様(もよう)が展開(てんかい)していた。
「どうだね、君(きみ)。最近(さいきん)、あっちのほうは?」
椅子(いす)にふんぞりかえって、腹(はら)の出た男が言った。隣(となり)に座っていた男がそれに答えて、
「いや、私は最近ご無沙汰(ぶさた)で。あなたこそ、お盛(さか)んだとか」
「いやいや、私なんかまだまだですよ。ところで、今日は高山(たかやま)君はお休みなの?」
「そういえば最近見ないね。あの人もお歳(とし)だから、そろそろねえ…」
向かい側(がわ)の男が口を挟(はさ)んだ。
「高山君、具合(ぐあい)が悪(わる)いそうだよ。入院(にゅういん)してるって聞いたけど」
「そうなの? 高山君も、そろそろ身(み)を退(ひ)いてもらわないとね」
「そうですね。後進(こうしん)に道を譲(ゆず)ってもらって。じゃあ、そういうことで高山君には…」
「じゃあさ、高山君の後は、誰(だれ)にするのかな? 順番(じゅんばん)でいくと…」
「私は、緒方(おがた)君なんかいいと思うがね。どうですか、みなさん」
「緒方君ねぇ。彼は、真面目(まじめ)すぎるよ。この場にはそぐわないんじゃないの」
「そうそう。彼が入ると、仕事(しごと)の話しになっちゃうよ。そういうのは下に任(まか)せて…」
「そろそろ時間じゃない? 今日は何を食べさせてもらえるのかな。楽しみだ」
男たちはゾロゾロと会議室を後にした。最後に残った世話役(せわやく)の社員(しゃいん)がため息(いき)をつく。
<つぶやき>これはあくまでもフィクションです。こんな人達はいないと信じたいですね。
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