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衆院予算委員会 中央公聴会

2017-02-22 | 自民党 アベノミクス・暴走・独裁政治

  衆院予算委員会での2017年度予算案に関する中央公聴会(21日)での日本国際ボランティアセンター(JVC)の今井高樹氏と全労連の小田川義和議長の意見陳述(要旨)は次の通りです。

日本に敵対感情も

日本国際ボランティアセンター 今井 高樹氏

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(写真)意見陳述する今井氏=21日、衆院予算委公聴会

 昨年7月の南スーダンの首都での大きな戦闘以降、被災・避難民のために緊急人道支援活動を行っています。国民の約3人に1人が避難生活を送り、半数が深刻な食糧不足です。民族間の対立、報復と憎悪の連鎖が広がっています。国連も警告するように、まさに紛争状態にあると認識します。

 この2週間の間に、キール政権の労働大臣と軍の司令官が辞任しました。大統領のディンカ族を中心に他の民族を排斥していると抗議を表明したのです。こうした政治的な混乱のなか、軍の内部分裂や住民の暴動、それに対する虐殺が起きる可能性は少なくありません。自衛隊が(安保法制=戦争法に基づく)「駆け付け警護」や宿営地防護をすれば、紛争に巻き込まれて戦闘当事者になり、日本に対する大きな敵対感情が巻き起こるでしょう。

 仮に私たちが拘束された場合には、決して武力ではなく、現実的には話し合いで解決する方がよほど安全です。また、かつて南スーダンのPKO部隊の一部が反政府勢力に拘束されましたが、交渉によって収まりました。

 日本に何ができるのか。それは決して自衛隊派遣ではなく、憲法9条をもつ国として、紛争当事者間での話し合いの場をつくる、和解の手助けをすることです。PKOは必ずしも軍だけではなく、文民警察もあります。行政機構や法律を整備する部門に派遣するなど、日本は大きな貢献ができるはずです。

 目の前で苦しんでいる人たちへの人道支援は大きな課題です。そして安倍晋三首相は(国会審議で)、現地で頑張っているNGOの方を見捨てていいのかという話をしました。しかし、日本の外務省は日本のNGOスタッフを南スーダンに入りにくくしている現状があります。日本のNGOは外務省から助成金を受け取ると、南スーダンへの渡航を規制されます。そのために日本に入ってくる南スーダンの情報も非常に限られているのです。

 政府や民間、研究者がいろんな情報を集めて、初めて現地に対して正しい判断ができます。ぜひ再考をしていただきたいと思います。

労働者の声反映を

全労連議長 小田川 義和氏

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(写真)意見陳述する小田川氏=21日、衆院予算委公聴会

 政府の「働き方改革実現会議」が示した同一労働同一賃金の「ガイドライン案」と「長時間労働規制案」は、労働者の深刻な実態と声を反映していません。

 同一労働同一賃金の「ガイドライン案」で特に問題なのは「管理職となるキャリアコースの新卒正社員より、仕事を指導する熟練パートタイム労働者の賃金を低くしてもよい」との例示です。

 管理職コースとその他の採用コースを区分し、当初から前者を賃金上も優遇するのは、戦前の官吏、吏員、雇員という身分差別をほうふつさせる例示で、非正規雇用の労働者から「失望した」との声が強く上がっています。

 時間外労働の規制では、三六協定について「臨時的に特別の事情がある場合」に年720時間(月平均60時間)の特例を認めるとしているが、到底賛同できません。過労死認定基準さえ超える時間が検討の対象となっているなら論外です。

 さらにインターバル規制(次の勤務までの一定の休息時間)の法定化が見送られようとしていますが、健康と安全への効果を再検討すべきです。

 労働者の深刻な実態をふまえ、緊急にご議論いただきたい働き方改革の課題を3点申しあげます。

 第一は、労働者の格差と貧困の是正、中間層の再生を目的に、最低賃金の大幅引き上げを政策的にご検討いただきたい。

 現行の最低賃金制度は、その水準の低さと地域間格差という大きな問題があります。この改善につなげるため、すみやかに時給1000円を実現し、時給1500円をめざす政治決断をお願いしたい。

 最低賃金の引き上げを進めるため、中小企業への助成措置拡充などの施策を同時にご検討いただきたい。

 第二は、雇用・職業における差別禁止という立場で、同一労働同一賃金の実現にむけて論議をお願いしたいということです。

 非正規雇用は女性の割合が多く、雇用形態だけでなく性別等に基づく差別の禁止や、均等待遇原則などを法令に明記することとして、労働基準法、男女雇用機会均等法、労働契約法などの改正論議をお願いしたい。

 第三に、労働時間の規制強化は、非正規雇用労働者の減少や雇用拡大に効果があることは明らかです。長時間過密労働を解消し、過労死などあってはならない事態の根絶を最優先事項にしていただきたいと思います。

 長時間労働の規制は、厚生労働大臣告示が定める週15時間、月45時間、年360時間を超える時間外労働を認めないこと、違反した場合の罰則を明記することを要望します。

 政府がすでに国会に提出している労働基準法「改正」案は、高度プロフェッショナル労働制の創設と裁量労働制の拡大で、長時間労働の是正に逆行するもので撤回を強く要望します


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