桜の名所として知られる奈良県の吉野山の姿を描いた。狩野派のびょうぶ絵が、戦後行方が分らなくなっていた。
そのびょうぶが2年程前愛好家が米国で発見し購入していたらしく、十月特別展で一般公開されるらしい。
十六世紀後半安土桃山時代の作品とみられ、寺院の姿などから、吉野山を描いた風俗図としては最古の可能性が高いと言う。
水墨で描き彩色しており縦1.5メートル横3.4メートル、吉野の山々に囲まれた金峯山寺と参拝道を中心に、
花見で酒を酌み交わす人々や、茶店で休憩する旅人の姿などを生き生きと描かれているらしく、拝見したいものである。
尾張徳川家に伝わっていたものが売却され、1940年代以後は行方不明になっていたもの。吉野の風俗図としては、
豊臣秀吉の花見を描いた十七世紀初めの(吉野花見図屏風)重要文化財がこれまで最古とされていた。
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