三日が過ぎて
そのあいだ日中の最高気温は乱高下した
再びぼんやりとした咀嚼
会議室でまるくなって食べている昼食
猫の集会のように
話すことは特になくて
ただ集まって食べるのが習慣だから
蛍光灯の光のもとで
なにかかんがえるべきことがあるだろうか
ひとつひとつの顔がもったいぶって
他愛ないテーマを探す
探してなどいないという表情で
耽らなければならない大事な懸案があるかのように
テーブルの上に渦巻いている時の滞りなど
気付きもしないように
わたし恋なんて、したことないわ
最初の沈黙を破るのはだれか
職場への貢献度は仕事中にとどまらない
わずかな羞恥と勇気を惜しまないひとは
ほめられもしないけど
ひそかに徳を積んでいるのかもしれない
だれか話し出せばほっとする
うなずいたり笑ったり
虫などいれば最高だ
わたしたちはまじめだ
ゴシップも悪口も
わたしたちをほんの数㎜近づける
ふと目線をあげると
向かいの建物の窓に
幹の見えない樹木の枝葉が映っている
風はなくいまにも雨粒が落ちてきそうな空が
こちらの屋根の上にあるらしい
油のように動かない
窓の奥の景色は
冬の訪れを抱きしめている
こぼれだすものを受けとめる
やわらかい場所があった
そのあいだ日中の最高気温は乱高下した
再びぼんやりとした咀嚼
会議室でまるくなって食べている昼食
猫の集会のように
話すことは特になくて
ただ集まって食べるのが習慣だから
蛍光灯の光のもとで
なにかかんがえるべきことがあるだろうか
ひとつひとつの顔がもったいぶって
他愛ないテーマを探す
探してなどいないという表情で
耽らなければならない大事な懸案があるかのように
テーブルの上に渦巻いている時の滞りなど
気付きもしないように
わたし恋なんて、したことないわ
最初の沈黙を破るのはだれか
職場への貢献度は仕事中にとどまらない
わずかな羞恥と勇気を惜しまないひとは
ほめられもしないけど
ひそかに徳を積んでいるのかもしれない
だれか話し出せばほっとする
うなずいたり笑ったり
虫などいれば最高だ
わたしたちはまじめだ
ゴシップも悪口も
わたしたちをほんの数㎜近づける
ふと目線をあげると
向かいの建物の窓に
幹の見えない樹木の枝葉が映っている
風はなくいまにも雨粒が落ちてきそうな空が
こちらの屋根の上にあるらしい
油のように動かない
窓の奥の景色は
冬の訪れを抱きしめている
こぼれだすものを受けとめる
やわらかい場所があった