詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

闇の奥に進む(足尾銅山へ)

2017年06月06日 | 雑記
銀座を歩いていたとき、ガラスケースの中のちいさな絵を見つけた。なんとなく惹かれるものがあって、二階、井上画廊に上がった。鈴木喜美子さんという画家の作品展だった。

風景画。高松に住んでいた頃、家から車で二十分ほどのところに、庵治町という石で有名な町があって、とても好きだったけれど、そこの石切場の風景に似ていると思った。

人っ子ひとりいない荒涼としたさみしい雰囲気の絵。一面、雪景色の絵もある。さみしいけれど、なぜか少し懐かしい感じがする。色にあたたかみがあるからだろうか。とても好きな雰囲気。

絵をぐるりと見て、帰るときに井上画廊の武川さんという素敵な女性がいろいろ教えてくださった。これらがすべて足尾銅山の風景であること。画家は何十年も足尾に通い、煙害で木が一本も生えなくなった山々の絵を描き続けていること。

「先生、先生」と、鈴木喜美子さん画家ご本人を呼んでくださった。お顔のつやつやした、エネルギーが表情にみなぎっているベリーショートの女性(調べてみればなんと74才!)がいらして、絵と、そして足尾銅山のお話をしてくださった。

足尾銅山、そういえば昔習った気がするのに、すっかり忘れていた。ぜひ一度訪れてみてください、と鈴木先生と武川さんに言われて、ええ、ぜひ、行ってみたいです、と答えたのは三月のこと。

そして先日、五月の末に行ってきた。思えば、別子銅山も行ったし、軍艦島も行った。軍艦島は炭鉱だから少し違うけれど、あの異様な独特な雰囲気は、そしてずっとずっと地底に(軍艦島は海底に)潜っていって掘り出す作業をしていた過酷な場所ということは同じ。ちなみに犬島精錬所も行きました。瀬戸内国際芸術祭でだけれど。

これまで行った他の場所もそうだったけれど、とてもとても興味深い。まず最初に訪れた足尾銅山観光という観光施設。銅の製造過程は難しくてよくわからなかったけれど、鉱山がどうなっているか、実際に明治時代に開坑された通洞坑の中に入り、牢屋のような、柵で進入禁止になっているところまで進んで、そこから先もずっと奥まで続いている坑道を目を凝らして見遣り、昔、この坑道が生きていた頃に思いを馳せた。

つづく



驚くことに足尾銅山観光の写真を全く撮っていなかった。不覚!通洞坑にはトロッコ列車に乗って入っていく!そんな写真もなく、こちら↓はあとの話で出てくる砂防ダム。
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