2020年8月8日(土)☀ 大台ヶ原
日出ヶ岳~西谷高~テンネンコウシ高~裕嵓 周遊
P1525からの続きです
漸く最初の目指すピークを踏んだが
ここからもルート選択を余儀なくされる
その痕跡がGPSの地図上に残っている
地図上に残された赤ラインが物語る…
p1525からのすぐの下りでも
すんなりと通らせてくれるものではなかった
無造作樹林帯の尾根を下る
シャクナゲのブッシュ
繰り返されるシャクナゲの妨害!
その傍らに付けられた毛糸の標布も
同化しており 見落としやすいかも・・・
その上 踏み跡はシャクナゲに隠され
石楠花の抵抗を受けて 通り抜けるにも
意外に体力を要する
だがそれも長続きはしない
再び穏やかな尾根道が迎えてくれる
こんな尾根道が続いて欲しい…
そんなに甘くはないと再び…
ありのままの斜面になる
地図と踏み跡確認は常に…
油断すると 食ってやるぞ~とばかりに
口を開けて構える古木
その先は 木々に覆われているとはいえ
左右の谷側は切れ落ちている!
いいよ 痩せ尾根の険しさが見え始める
尾根を捲く道もあるが…
素直に尾根を歩こう!
あれ…岩場がある…?
展望台であった!
突然に展望台!
樹林帯の中に岩場があり
その上が狭いが開けた台地となっていた
ここからは 日出ヶ岳が望めた
深い樹林帯から抜け出て 解放感に包まれ
山も私も大きく深呼吸をする
こうして時折 与えられる展望はまさに
女神様からのご褒美
思わず興奮する自分がいた
展望台ではザックを下ろし
山の精気を吸い取るように
何度も深呼吸をする
しばらく休憩もかねて景色を楽しんだ
そして…岩場を下れば
更に本性を現して来るのだった
下りは慎重に!慎重に
浮いた木の根の落とし穴…
展望台からは厳しい下りが待っていた!
岩と木の根と腐葉土の激下りがつづく
しかも…尾根の左右は
樹林で隠されているが 切れ落ちている…
足元が不安定!
持った木が…バギッ!
途中 振り返って改めて正体を知る
これが台高の山に見られるの
特有の嵓
木の根が張り その上に苔が覆い
岩を隠す腐葉土!
その姿こそが悪魔の正体!
これが ここの醍醐味であり
危険と隣り合わせの原因なのだ
これから先も
このような嵓が立ちはだかり
石楠花の妨害が続く
ここでは
尾根伝いに そんまま下るつもりでいた…
しかし…
嵓に阻まれ 本来左側にあるはずのルートが
左側の尾根が崩れており 残念な事に
右側を捲く形となったのだ…が…
道は無い…
下れそうなルートを探す
道がある訳でもなんでもない
だが これを越えねばならない!
枝や木の根を掴んで下る
石楠花がチチを隠す
チチがルートを作り その後を私が下る
見た目以上に悪条件であり
ホールドとなりそうな木や木の根は
信用性に乏しい
ボロッ! えっ!
ボキッ! うそっ!
バキバキ! あれ~!
足元は崩れやすく 全身に神経を張り巡らせ
足の感覚 手の感覚がマックスになり
すべてにおいてこれは大丈夫か?と確認しつつ下る
崩壊した右尾根にでる
地図では分からない難所
道なき斜面を下るチチ
チチに ルートが見えていたのかどうかはわからない
ただ 地図を見ながら迷いなく進むチチ
その後を追いつつ 私自身も時折 地図を確認するが
地図上にこんな難所らしい所は見えてこない
ただ等高線が
尾根を表し 谷を表し コルを表す…
地図上で地形を想像しつつも
現実は そのまま歩く事は難しく
障害物が待っている
石楠花があり
岩があり
倒木があり
嵓が控えている
迷いやすい所には複数の踏み跡が見られ
どれが正しいのかわからない…
その先に 障害となるものが現れ
それを回避しようとすると ルートから外れる事になり
修正をしながら歩かねばならない
地図で現在地を確認して
自ら 道を開いていく感じだ…
先頭を行くチチの苦労は私の比ではない
疲労も出てくるであろう
チチに迷惑をかけるわけにはいかない せめて
自分の事は自分で対応しなければ…と思う
…
…も
チチ~と叫んでしまう私…
道が分かれどちらにしよう…
やっと抜けたら天国だった?
ルートが灌木に阻まれ
踏み跡が分かれる事がある
どちらを選んでも 大体同じところに出るのだが
左右どちらを選ぶかで
明暗が分かれる…
それでも 抜け出た時・・・
目の前に広がる自然の魅力に
なぜかそれまでの恐怖や疲れが消える…
展望が開けているわけではない
アルプスの様な稜線歩きができるわけではない
だが ここ台高山脈の魔力がなせる業か…
昼なお暗い樹林帯の中でも
惹きつけて止まないものがある
そしてその魔力の中に引き込まれながらも
何時しか 心が癒されていく
本当に台高の山は
不思議な魅力を放っている…
つづく
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