- 猫の病気覚書 猫伝染性腹膜炎の看取り1
- 2008年12月09日00:45
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まず、このワクチンはアメリカでは一度は開発はされたのですが、失敗に終わっています。「人間のエイズウィルスワクチンも成功か!」と思ったら、失敗に終わった、治験者が逆にエイズの危険に晒されているニュースがつい最近報道されましたが、お世話になっている先生のお話では、fipのワクチンもそのように猫にfipを植えつける結果となって販売中止となったそうです。
まずは、この病気のおさらいから、検索でもいいのでしょうが、図書館で手に入る本の中で、比較的わかりやすくこの病気について書いてある書物から引用してみたいと思います。
『猫百科シリーズ 改訂新版 ネコの病気百科(㈱誠文堂新光社』115~116頁より
◆◆ネコ伝染性腹膜炎(fip)
ネコのコロナウィルス感染症です。コロナウィルスといえばサーズ、新型肺炎騒動がありましたが、ネコのコロナウィルスが人やイヌに感染することはありません。発病すると助からない病気ですが、慢性疾患の代表で上手に付き合うことが大切です。症状もコロナウィルスの動きもかなり複雑で診断に困ることもある病気です。
【原因】
ネコからネコへの濃厚な接触がなければ感染しません。また感染しても伝染性腹膜炎として発病するのは5%ぐらいのものです。初期には鼻水や目やになどの呼吸器感染に似た症状を示しますが、すぐに回復して多くはキャリアとなります。発病するのは子ネコ、若いネコ、および老ネコで、抵抗力が弱い、もしくはストレスが加わった状態です。
【症状】
全身性の慢性病で、症状は決まっていませんが、腹水や胸水のたまるウェットタイプと水のたまらないドライタイプに分けます。しかし、ウェットからドライに、ドライからウェットに変ることもあります。
ウェットタイプの症状の多くは腹水の貯留で、お腹が大きくなってくるので異常に気がつきますが、胸水は呼吸の異常で発見が遅れる傾向にあります。
ドライタイプは、これといった特徴的症状がありませんが、症状はウェットタイプに比べ激しい物があります。毛細血管の病変と炎症を特徴としていますから、肝臓、腎臓、脾臓、脳、目、肺などが侵され複雑な症状を示します。
ドライにしても、ウェットにしても、発熱が多くのネコに見られ、食欲はあるが瘠せてくるというのが特徴です。
ネココロナウィルスの特徴として毛細血管を侵しますから、侵された部分が病変を起こします。腹膜、胸膜の場合は水が溜まり、脳の場合は神経症状、目の場合は虹彩からの出血、腎病変などがあります。
一度症状がなくなっても再発したり、違う症状で発病したりして完治することは無いと思ってください。日和見感染といって、ネコの体力が低下すると発病する病気です。ドライタイプの10~20%はネコ白血病ウィルス感染症と合併しています。
【診断】
症状と合わせて血液の抗体を測ります、症状があれば高く、なければ低い傾向にあります。検査方法によって数値に違いがありますが、ある数値以上の場合を陽性といい、コロナウィルスの感染していることを示しています。ただし、これはあくまで感染したということであり、発病しない限り猫伝染性腹膜炎の診断にはなりません。症状があって、抗体が高い場合が発病です。
しかし、症状がなくても、抗体価が高い場合は発病する可能性がある、もしくは他のコロナウィルスが関係していると考えてください。という事で、健康なときの抗体価を調べておくことが重要です。発病すればさらに上昇するのが普通です。しかし、コロナウィルスの抗体価は、ネコ伝染性腹膜炎(fip)以外のコロナウィルスも含んでいるということで、100%信用できるものではありません。
【治療】
副腎皮質ホルモンが一般的に使われていますが、インターフェロンが効果があるという説もあります。また副腎皮質ホルモンと他の薬剤を併用することもあります。
以上、ネコヒゲ先生こと、宮田勝重先生の執筆部分の抜粋です。
サーズの騒ぎの時に、ハクビシンから感染するという風評から、中国ではハクビシンの料理をやめた、日本では飼っていたハクビシンの遺棄か?彷徨って川に落ちてしまった様子なども報道されました。
コロナウィルスは、ありふれた太陽のような形のウィルスです。
その中のある種が、猫に対してはこれほどのダメージを与えるわけですが、かかってしまった場合、拾ってしまった場合、遺棄をするのではなくどのように看取るべきか考えてみたいと思います。
次は、海外の翻訳を抜粋してみたいと思います。
2につづく
しかし、症状がなくても、抗体価が高い場合は発病する可能性がある、もしくは他のコロナウィルスが関係していると考えてください。という事で、健康なときの抗体価を調べておくことが重要です。発病すればさらに上昇するのが普通です。しかし、コロナウィルスの抗体価は、ネコ伝染性腹膜炎(fip)以外のコロナウィルスも含んでいるということで、100%信用できるものではありません。
【治療】
副腎皮質ホルモンが一般的に使われていますが、インターフェロンが効果があるという説もあります。また副腎皮質ホルモンと他の薬剤を併用することもあります。
以上、ネコヒゲ先生こと、宮田勝重先生の執筆部分の抜粋です。
サーズの騒ぎの時に、ハクビシンから感染するという風評から、中国ではハクビシンの料理をやめた、日本では飼っていたハクビシンの遺棄か?彷徨って川に落ちてしまった様子なども報道されました。
コロナウィルスは、ありふれた太陽のような形のウィルスです。
その中のある種が、猫に対してはこれほどのダメージを与えるわけですが、かかってしまった場合、拾ってしまった場合、遺棄をするのではなくどのように看取るべきか考えてみたいと思います。
次は、海外の翻訳を抜粋してみたいと思います。
2につづく