ラヴェンダーの咲く庭で

「みゃーきんぐ・ぷあ」から変更。保護猫と綴る日々の備忘録、独り言にすぎない半径5mの記録です!基本、読み専です。

雨ニモマケテ、風ニモマケテ、デモ癌ニハ、スコシ粘ル、ソーイウ者二ナリタイ?

2012-10-02 09:49:06 | 猫病気

↑宮沢賢治風のつもりが「ヲイ、どーゆー外人宣教師だよ」風のお題になっちまいました…。号泣。

アカメの名の由来は、来た時点で目が紅茶のように赤かったからである。
今は入れたての緑茶を限りなく薄めたような淡い色になってしまったが。
(よく、ペットで「ちび」ちゃんという名の子が「でかい」「ふとい」ように、看板に偽りありになってしまったが、出会った時点では綺麗な赤だったのである。)
白い猫は偏平上皮癌に何倍もなりやすいそうだが、グレーの斑点以外の白さといったら、本当に綺麗な白さなのである。
そして、天から与えられたたった一枚の衣装を、飽きずにせっせと手入れして維持していた。
しかし、病気になり、一日寝ているようになり、
強制給餌で汚れなくなったのに、近頃はガンから出血がだらだら治まらないゆえ、
さしものアカメちゃんの純白さも陰りが見えてきた。
私も頑張ってペット用のシート、人用の清拭綿などを使って拭くのだが、
ガンの自壊、血と老廃物の塊はしつこい糊のように毛に固まり、毛を染めてなかなか取れない。出ると血はなかなか止まらない。(なぜかまだ化膿も、臭いもないのが救いである。)
また、家では猫も病院のテーブルの上のように固まらないし、嫌がって病院ほど触らせない。
時間の経過とともに、頑張ってもボロボロになっていくアカメに「もうだめだ」とさすがに私も心が沈んでいた。
また今日(10月1日)は腫瘍熱もあり、入れても何度も吐いた。
薬も切れる、食道チューブもだんだん浮いてくるように感じたので、電話して受診をした。

026

不治なのに通う、いずれ来るだろう安楽死まで通う。
猫も、自分も、辛いのに通う。
自分の心はこの病気から土砂降りである。
お世話の間は雨が止むことはない。
今、思いっきり猫にとっていいことはやる、涙の雨が降りつくしてしまえば、
やがて来るアカメのゴールの日には、悔いのない青空なんだ、
そう自分に言い聞かせている。

第一辛いのは飼い主の自分でなく、取れない場所に、不自由な場所にガンをぶら下げて、栄養を吸い取られている猫なのだ。
私は安楽死という治療を選択出来ないのだから、積極的に苦痛を取り除く手助けは飼い主の義務だと思う。
また、私は十分納得しているけど、納得できないのなら、きちんと自分も勉強してセカンドオピニオンでもするべきである。自分がいっとき、バカな質問して傷つくのがなんだというのだ。
傷ついても、しゃべれない動物の代わりに、その苦痛を取り除く努力をする義務があると思う。

あれれ、題名は宮沢賢治さんなのに、いつのまにか太宰治の走れメロス風に。
なんのために走るのだ、
殺されるために走るのか。調になってますね。
自問自答の毎日、しかもメロスのようなハッピーエンドはない。
でも、アカメが今、呼吸が健やかな日々となったのは医学のおかげなのだ。

前回の受診(9月21日)では「綺麗にしていますね」と褒められたけど、
今回のアカメは、さらにガンが大きく育ち、血糊でボロボロにやつれている。
でも、その外見でなく、その中身、
今日は熱があるけど、呼吸も荒いけど、
体重測定で前回も増加、今回もまた増えていて、栄養状態がいいことに驚かれた。
聞いた私も驚いた。
「先生ー、ガンの重さではありませんか?」
「いいえ、ちゃんと本人の身についています。」
先生は「よくケアをしていて、これはすごいことです、頑張ってますね。」とねぎらってくれた。
スタッフさんが取り囲み、
アカメの永久気道の周りの汚れは見る間に綺麗にされ、
気道周りの毛も私が手入れできるようにカットされ、猫は咳き込んだけど頑張って、
疲れが見えてきた食道チューブも、先生が命の綱と言って、無事に体に沿って装着出来た。
あっという間にアカメはピカピカになった。
アカメもびくともしないで大人しく協力したし、
すべての処置が終わった後は「帰ろう」と、診察台からゴツン、ゴツンと背伸びをして、私のあごに頭を何度もぶつけてきた。
私は「今日来て本当に良かったね、アカメ」と何度もアカメに言った。
声の出ないアカメは診察台で何度も前足を、グーパーして答え、スタッフさんに見せた。
アカメのケアは本当に大変だ。
多頭飼育で、今まで大人しく大勢に埋もれていたアカメ、
それに集中している現状。
今回のケアの大変さがわかるスタッフさんは「ふふふ、ママを独り占めだね。」とアカメに話しかける。
アカメは故母ちゃんのお乳を大人になっても、母ちゃんが突然死するまで呑むしぐさを続けていた。
だから母ちゃんより大きい娘のアカメを、小柄な母ちゃんはいつもお腹にぶら下げていた。
母ちゃんさえいればいい猫だったのだが、突然死以来、基本一匹で、寒い以外は群れずにやっていた。
私とアカメは食道チューブ装着あたりから、不思議な絆ができてしまった。
アカメに信頼されてしまったようだ。

歩いている道中も、怖いのだろうに、頑張ってこらえている。
澄んだ瞳で、信頼に満ちた目で、キャリーの網から見上げている。

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病気になってから、がらりと性格が変わった。
重病は二人三脚、人馬(猫)一体の歩みであるけど、自ら寄ってくるようになった。
ガンで失ったものもあるけれど、
アカメは自殺という思考のある人間と違い、生を投げ出していない、ただただ懸命に毎日を生きている。

体重の推移は、8月29日のチューブ装着時の3.75㎏から、
輸液なしでも現在4・3㎏である。
前回はガンの疼痛管理でブプレノルフィンという痛み止めもいただいたが、幸いにもまだ使用していない。(10月2日使用、薬は元々飲まないうえ、一月以上口を使わないアカメはわずか0・2㏄でも呑まない。首から血を噴いて暴れる、困った。)
体重が増加すると全体で水分も保持しやすいのか、輸液も250㏄から200㏄でも、しばらく輸液瘤が持続する。
一番はa/d缶とクリニケアでなく、k/d缶とリーナルケアの組み合わせが良かったのだと思う。
後者の組み合わせがガンの直接奪う炭水化物、糖が少なく、ガンに猫が半分奪われてしまうタンパク質も制限、そしてガンは利用できない脂が多いのだ。
これから先、どんどん辛い坂にレベルアップするだろうけど、今はまだ大丈夫。
体重増加のように、やれることもまだある。
ピカピカに手入れされたアカメを見て、猫の容体が今はまだ落ち着いているのを見て、落ち込んだ心も慰められた。
アカメの耳が黒いのも調べていただき、ダニでなく猫のグルーミング能力は素晴らしいのだが、それが落ちているからだそうだ。
まだ、もう少し飼い主が手を貸す出番はある。
先生は永久気道で楽になった猫が、これだけ頑張るとはと毎回受診でおっしゃるし、
癌が取れないで嘆く私に
前回は「この子はもう十分、もう十分幸せなんですよ。」とおっしゃってくれた。

そうさ、泣いてなんかないられない。
気道王に俺はなる!(もしくはチューブ王か!脳内推移、賢治→太宰→にゃんピース)

ちゃんちゃん

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2 コメント

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生活の拠点が介護の現場。前エントリを拝見しながら、 (しろりん)
2012-10-02 12:35:19
生活の拠点が介護の現場。前エントリを拝見しながら、
みんな同じなんだよなぁ…とかつての日々を思い出してました。
病気の子との日々は厳しく辛い。ましてやそのゴールが確実に別れである場合
やがて来る喪失の恐怖に飼い主自身が囚われてしまい
「死なせない」「できるだけ長く」と思い詰めてしまうことも多いですよね。
けれど仰るとおり猫は死を嘆くことも、生を投げ出すこともなく、
与えられた天寿を当たり前に淡々と全うしようとしているんですよね。
ならば飼い主は何をしてやることができ、何をすべきなのか…
これが限りのある日々を猫にとっても飼い主にとってもこの上ない時間に
するための、飼い主の心の在り方なのかもしれません。
お写真のアカメちゃん。とってもいい表情です。
余命はその長さを嘆くものではなく、引き出すもの。私はそう思っています。
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しろりん様、コメントありがとうございます! (みゃー大工)
2012-10-02 19:25:34
しろりん様、コメントありがとうございます!
兼続ちゃん、ぶらっきぃちゃん、かるびさん、皆、その瞬間まで、数時間おきにしろりんさんにお世話になったのではありませんか。
お世話している方も、他の事はなるべく簡略、猫中心で送る。
また、お庭にたどり着いてくるお外の子のお世話。
この場合も、いつ消えるかの保証もなく、最期を見届けられない場合を想定のために、より一度一度のケアが丁寧にされている。
しろりんさんはよくされているし、ストレスに押しつぶされないのが偉い。
お外の子のお世話は、家の子なんかより実際はストレスフルなのに。
私は見習わねばいけません。
猫が最期の時まで快適な日々を送れるように、使える資源が最小限の資源しかなくても、それを最大限の効果までにする。
自分を犠牲にしても、猫に使っちゃう人。
しろりんさんはよく勉強されている、よく気が付く、そういう飼い主さんです。
一番の願いは、不幸な猫が産まれない事、
望まれなくて産まれてきた猫の日常が辛いことが最少であれば、
その猫が人の手助け、愛情で、無事に楽しく、猫らしく生きれたならば、それで申し分ない、
送った時の自分の辛さ、寂しさ、大変さはあとあとでしょうかね。
送り慣れているわけではないんだけどね。

キャリー、会計時に椅子においたんですが、写真のアカメは「後ろに患者の犬がいるよー」と言っています。
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